食塩(ナトリウム)は、人体の血液や体液中に一定の濃度で含まれていて、
これらをアルカリ性に保ち、体を正常に維持する為には重要な役割をするミネラルです。
体が必要とする食塩は、食物中から取り入れられますが、過剰摂取をすると、色々な障害の素因となります。
日本人は、食塩の摂取量の平均が標準よりも上回っています。
目標摂取量が1日10g以下となっているのに対し、
1日15g以上、多い人では1日30g近く摂取している人もいるようです。
これはまずひとつに、日本人の主食であるご飯が塩辛い漬物や味噌汁と良く合い、
長い間食べ続けることにより習慣化され、味覚が塩味に偏る傾向があるからです。
また、和食の献立には食塩が多く使われており、塩や醤油の塩味が強くなっているものが多いようです。
砂糖やみりんと、醤油の甘辛い味付けが好まれています。
もうひとつは、食品の保存のために食塩が多く使われています。
佃煮や干物、かまぼこ、ちくわ、ハム、ソーセージ…など、魚や肉の加工食品にはたくさん使われています。
このように調理に食塩が使われて、さらに食品に食塩が含まれているので、
食事として総合の食塩摂取量はかなりの量になります。
では、食塩の過剰摂取が原因となる疾患は、下の表のようになります。
これらの疾患では、食塩を1日7g以下の減食塩にします。濃い味に慣れてしまった人からすれば、
減食塩は一般的には「おいしくない」と言われるものですが、長続きをさせなければなりません。
減食塩は、塩・醤油・味噌などの使用法と食品に含まれる食塩の管理が重要となります。
減食塩をおいしいものにするためのポイントとして…
@新鮮な材料を使用し、その食材の持ち味を生かす。
Aだしを濃くして、旨みを生かす。
B酢や柑橘類の酸味を生かす。
Cしょうがなどの香味野菜や香辛料をきかせる。
D油料理では、油のコクを生かす。
E塩や醤油は食べる時にかける。
また、外食や市販の総菜は、食塩が多く含まれているので控えましょう。
●塩分約 1gにあたる調味料の量●
塩…小さじ1/5
醤油…小さじ1
味噌…大さじ1/2
トマトケチャップ…大さじ1と1/2
中濃ソース…大さじ1 ●食品中の食塩相当量●
食品名 |
目安量 |
食塩量 |
あじ
干物 |
中1匹(30g) |
1.0g |
いわし
丸干 |
小3〜4匹(30g) |
1.5g |
いかの塩辛 |
(30g) |
3.0g |
塩ざけ |
1切(100g) |
8.1g |
たらこ(塩) |
小1/2腹(50g) |
3.3g |
ソーセージ |
2本(30g) |
0.7g |
ロースハム |
2枚(40g) |
1.1g |
プロセスチーズ |
2枚(50g) |
1.0g |
脱脂粉乳 |
大さじ4杯(25g) |
0.5g |
食パン |
1枚(30g) |
1.0g |
ゆでうどん・そば |
1玉(300g) |
1.4g |
カップめん |
1個(75g) |
4.2g |
昆布佃煮 |
(30g) |
4.2g |
のり佃煮 |
(20g) |
2.0g |
梅干 |
1個(10g) |
2.5g |
たくあん |
3切(30g) |
3.0g |
キュウリぬかみそ漬 |
1/2本(45g) |
1.2g |
塩せんべい |
3枚(50g) |
1.0g |
串団子(醤油) |
1串(50g) |
0.4g |
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