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NO.10

 

食べ過ぎが肥満に!

'00.10月号

 

  「食欲の秋」になりました。普段よりもつい食べ過ぎてはいませんか。しかし「スポーツの秋」とも言われるように、
よく体を動かしていればよく食べても良いのですが、運動不足なのに食べ過ぎてしまう、
つまり摂取エネルギーが多過ぎて消費エネルギーが少なすぎると「肥満」になってしまいます。
  肥満とは、体に異常に脂肪が増加している状態をいいます。
肥満が何故いけないことかと言うと、肥満の状態をそのままにしておくと種々の合併症が起きてくるからです。
心臓病や癌、高血圧、脳卒中、糖尿病等と結び付いていて、これらの病気は先進国での主要な死因となっています。
  肥満を判定する方法で最も広く用いられているのが、BMI(Body Mass Index)と呼ばれる算式です。
体重、身長で算出し、この値が男性で20〜25、女性で19〜24なら正常域です。
男女とも30以上を肥満とみなします。
日本人の標準値は22と言われ、身長(u)×22で標準体重を算出する事ができます。
  健康で確実に減量する為には、減食により摂取エネルギーを制限します。
減食というのは食事の回を減らすという事では無く、
バランスがとれていて総体のエネルギーを少なくするという事です。
それと同時に運動により消費エネルギーを増加させる事、この2つを併用しなければなりません。
むやみに食事だけを制限すると各栄養素が不足し、減量しても体重が元に戻り易くなってしまいます。
一方運動なけをしていても食欲は増加し、食べ過ぎてしまう恐れがあります。

  

肥満を予防・治療する留意点
@食事を量を今までよりも減らします

食事の量を減らし、摂取エネルギーを制限します。
日常生活で減食をするときは体を動かす事を前提として、男性で1400〜1800kcal、女性で1200〜1600kcalとします。
そうすると月に1〜2sの減量が可能です。ご飯やパン、めん類等の主食や甘い物の食べ過ぎやジュース、
アルコール飲料などは極力控えましょう。

Aバランスのとれた食事をします
たんぱく質・糖質・脂質は、必要量はきちんと摂取しなければなりません。
たんぱく質は1.2〜1.5g/標準体重(s)です。
糖質は1日100gは摂取します。
脂質は色々な食品に含有されている事を考え、調味料として大さじ1〜2杯位にします。
摂り過ぎには注意しましょう。

B食事は1日3回決められた時間にします
減量する為に食事を抜く人がいますが、
食事の回数を減らすと皮下脂肪として蓄積されるのでかえって脂肪を燃焼させる事はできません。
少ない量の食事でも、きちんと3回食べるようにしましょう。
夕食は、昼食からの時間が長いので空腹感が強く、また仕事やストレスから解放される時なので、
食べ過ぎてしまう傾向があるので注意しましょう。

C植物繊維を摂取します
植物繊維は低エネルギーで、糖質や脂質の吸収を遅らせる働きがあります。
また、食事のかさを増やし減食で起こる空腹感を少なくします。便秘にも効果があります。

Dゆっくりとよく噛んで食べます
同じ量の食事でも、早く食べるよりもゆっくりよく噛みしめて食べた時の方が満足感が得られます。
これは大脳の食欲中枢がブレーキをかけるからです。
1口で20〜30回咀嚼をし、それを飲み込んでから次の食べ物を口に入れるという事をしてみましょう。

E毎日続けられる運動をします
気負って長続きしないようなハードな計画を立てるのではなく、
自分の体に合っていて毎日続けられるような運動を実行する事が重要です。
また、日常生活でこまめに体を動かしましょう。
例えば、エレベーターやエスカレーターではなく階段を利用したり、なるべく早足で歩くなど、
普段の動作での運動量を少しでも増やしましょう。

 

※現代の生活において、これらは簡単なようでなかなか実行できない事かもしれません。
しかし自分の体を第一に考え、肥満を予防・治療していきましょう。

栄養士    高橋 広海             

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