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NO.7

 

食中毒にご用心!

'00. 7月号

 

  じめじめと蒸し暑い季節がやってくると、食中毒に注意をしなければなりませんが、
食中毒を起こす原因菌は、食品そのものを変質させることはなく、見た目や臭い、味に変化はありません。
ここでは、代表的な食中毒をいくつか記述しますが、食中毒を撃退するために共通する3つのことは…
T食中毒の原因菌をつけない   ⇒食品をよく洗う                    
U食中毒の原因菌を増やさない⇒保存に注意する・早めに食べる
V食中毒の原因菌を殺す        ⇒高温で加熱調理をする  
          

 

腸炎ビブリオ食中毒
≪特徴・原因≫
腸炎ビブリオ菌は、もともと海にいる菌で海水に近い3%前後の塩分と、
水温が20℃以上の環境を好み、活発に増殖します。魚や貝類、タコ、イカなどに住んでいます。
この菌が増殖するスピードは急激で、約10分で2倍に増え、
数時間で食中毒を起こすのに十分な量になります。

≪症状≫
潜伏期間は8〜24時間で、その後下痢・腹痛・嘔吐・発熱などの症状が起こります。
一般的に潜伏期間が短いほど重症化する傾向があるようです。
命に関わるということは滅多になく、1週間ほどで回復するといわれています。

≪予防≫
◎真水の中では生きられないので、魚介類は調理前に流水でよく洗います。刺し身も夏場は洗うとよいでしょう。
◎低温で保存し、早めに食べます。作り置きは避けましょう。
◎熱に弱いので、加熱すれば菌は死滅します。
◎酸で死滅するので、酢を使用した調理法も良いでしょう。
◎魚介類を使用した器具(まな板・ふきん等)は洗剤でよく洗い、熱湯消毒をします。

<まめ知識〜調理器具の洗い方>
○包丁      ⇒洗剤でよく洗い、汚れのたまりやすい柄の部分も念入りに洗います。
○まな板   ⇒調理前は流水で洗い、肉や魚の調理後は洗剤でよく洗います。
                   その後熱湯消毒をし、乾燥させます。肉・魚用のまな板を用意し使い分けをしましょう。
○スポンジ⇒使った後のスポンジはよく洗い、熱湯消毒をします。たまに日光に当てると良いでしょう。
○ふきん   ⇒こまめに取替えます。漂白剤につけこんで日光に当てて乾燥させます。

 

O-157
≪特徴・原因≫
O-157とは大腸菌の一種で、ウシの腸に住んでいます。
この菌が「ベロ毒素」と呼ばれる毒素を発生させます。
0-157は、ウシの肉を食べて感染する場合と、
ウシの便で汚染された水や芽野菜などの食品を食べて感染するという2つのルートがあります。
100個以下の微量の菌で食中毒を起こし、人から人への感染もあります。

≪症状≫
潜伏期間は2〜7日で、その後ベロ毒素によって大腸がただれ、激しい下痢・腹痛・血便などが起こります。
抵抗力の弱い乳幼児や高齢者にかかりやすく、腎臓障害や脳症を引き起こし命に関わる事もあります。

≪予防≫
◎肉類は食べないようにして、必ず加熱調理をします。75℃以上の加熱を1分間保つとこの菌は死滅します。
   ハンバーグなどは中心部まで火が通るようにして、カレー等を温めるときはよくかき混ぜて全体に火が通るように。
◎感染者からの便から感染する可能性があるので、
   オムツなど便の付着したものにはゴム手袋を使用し、手を丁寧に洗います。

 

サルモネラ菌
≪特徴・原因≫
サルモネラ菌は人間以外の動物の間に広く分布していて、
ウシやニワトリ、イヌ、ネコ、ネズミ、ミドリガメなどが感染源となり、
肉類や卵、その加工品が汚染されて菌が増殖し食中毒が起こります。

≪症状≫
潜伏期間は6〜48時間で、その後下痢・腹痛・頭痛などが起こります。
症状は1〜2日で治まり、一般的には1週間以内に回復するといわれています。

≪予防≫
◎調理場や食品置き場は常に清潔に保ちます。
◎肉類や卵は低温で保存し、加熱調理をします。卵はパックのまま冷蔵庫に保存します。
◎ペットを触ったら手を洗います。

 

※普段から、身体の抵抗力・免疫力を高めておくことが必要です。
栄養士    高橋 広海             

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