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NO.8

 

日光と皮膚の関係

'00. 8月号

 

  夏真っ盛りとなりました。山や海へとお出掛けする機会が増えているのではないでしょうか。
そこで知っておいていただきたいのは、日焼けと皮膚の関係です。
天気の良い日に太陽の光を浴びるのは気持ちの良いものです。
しかし無防備な日光浴は、皮膚に大きなダメージを与えます。きちんとケアしていきましょう。

 

日光浴と皮膚
  人間の体は、日光を浴びると皮膚の表面にビタミンDが形成され、体内に取り込まれます。
これは、骨の発育を浴したり、結核菌の増殖を抑える働きがあります。
かつて日光浴が良いとされていたのはこういう理由からですが、現代の食生活においては、
食品から十分にビタミンDが摂取できていて不足するということはまずないのです、過度の日光浴は必要ありません。
  紫外線によって皮膚が衰えていくことはご存知だと思います。
皮膚の老化は、個人差はありますが一般に20歳頃から始まるといわれています(自然老化)。
しかし紫外線によって皮膚の老化は自然老化とは全く異なるものです。
シミやシワの80%以上は紫外線が原因でできるといわれていますが、
それだけでなくホクロやイボもできることもあります。
これらが長期にわたって紫外線を浴び続けると皮膚の抵抗力を失って細胞のDNAが傷つき悪性化することがあり、
皮膚癌の一因になるといわれています。
  無防備に日焼けをしていた人や、紫外線を浴びる機会の多い人は注意してください。
  紫外線が最も強い時期は、年間では5〜8月で、1日のうちでは午前10時〜午後 2時です。

 

日光と栄養
  体の健康なくしては皮膚の健康はあり得ません。体に栄養を与え、健康な皮膚を維持していきましょう。
 

@ビタミン不足に注意しましょう

ビタミンAが不足すると、皮膚はカサカサになり、つめや毛根がもろくなってしまいます。
また、細菌感染も起こしやすくなります。
ビタミンB2、ビタミンB6は不足すると、口内炎や口唇炎ができたり、
日に当たると顔が赤く腫れてかゆみがでる日光過敏を起こすことがあります。
ビタミンCは美容に重視されているのは、シミやソバカスなどの色素の増加を抑えたり予防するからです。
これは日焼け後の治療にも役立ちます。

Aたんぱく質・糖質・脂質のバランスのとれた食事をしましょう
常に抵抗力をつけておくことが必要です。
夏の暑さにより食欲が抑えられてしまうこともありますが、
なるべくいろいろな種類の食品を摂り、バランスのとれた食事を心掛けましょう。

B脂っこいものや甘いものをとりすぎないようにしましょう
脂っこいものや甘いものは血糖値を上げます。
血糖値が高くなると皮膚は敏感になり紫外線の影響を受けやすくなります。

Cお酒を飲んだときは直接日光に当たらないようにしましょう
アルコールは血管を拡張させるため、紫外線に過敏になります。
また、肝機能に障害が起きると栄養素の代謝が滞り、結果的に悪影響を及ぼします。

 

日光と日常生活
日常生活ではこれたのことに注意しましょう。
 
@皮膚の露出は避けましょう
外出時にはつばの広い帽子をかぶり、長袖のシャツ、長ズボン、日傘などで直射日光に当たらないようにしましょう。
サングラスは必ずUVカット効果のあるものを使用します。
ただ黒いだけのものは瞳孔が開くために紫外線がよけい目に入ります。

A自分の皮膚に合ったUV化粧品を使用しましょう
化粧品にはほどんど添加物が入っています。
有害な添加物が体内に呼吸されると皮膚に悪影響を及ぼします。
UVカット化粧品は、エネルギーの強い紫外線を対象とするものですから、
自分に皮膚に合わない添加物が入っていないかをよくチェックしましょう。
また、すでにできてしまっているシミやシワを隠すために厚化粧をすると、
皮膚が弱くなり益々シミやシワが増えてしまいます。
できるだけ薄化粧にして、UVカット化粧品でこまめに化粧直しができるようにしておくこをお勧めします。
ただしUVカット化粧品を使用していても長時間日光に皮膚をさらしておくのは控えましょう。
UVカットの効力はそれほど長く続きません。SPF(サンケア指数)の「1」は約20分が目安です。

 

※夏場は皮膚が荒れる季節です。夏の終わりになると皮膚表面がザラザラしている人が多いと思いますが、
きちんと整えてこれからの寒さに備えましょう。

栄養士    高橋 広海             

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