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NO.3

 

花粉から身を守ろう

'00. 3月号

 

  毎年、春になると『花粉症』という言葉を良く耳にします。
花粉症にかかっている人は憂うつな気分で春を迎えるのではないでしょうか。
  花粉症は近年著しく増えているようで、家族や職場、学校で、花粉症にかかっている人たちが多いのは事実です。
  花粉症とは、吸入性アレルギーです。
外からの異物に対しての免疫機能の特殊な過剰反応で花粉に対して抗体をつくり、
花粉を撃退する反応を起こし、この時に“ヒスタミン”という化学物質ができ、比較的少数の特別な症状を起こします。
鼻づまり・鼻水・くしゃみが三大症状で、また、目のかゆみや充血も起こります。
これらがひどくなると頭痛や体のだるさを伴ったり、いらいらして精神不安定になってしまう場合もあるようです。
  しかし、花粉症の人が花粉に接触した時に、いつでも同じような症状を起こすともいえないようです。
花粉が体内に侵入してきた時、粘膜を刺激する花粉以外の要因(ウイルス・細菌など)があると症状は悪化します。
  花粉症には今のところ新しい画期的な対策はないといわれていますが、
早めに適切な治療をして、花粉対策を続けることにより症状を防ぐことができます。

花粉症と栄養
  アレルギー性疾患と食物の関係についてはいろいろ問題がありますが、
食物性アレルギーであれば食物の中にアレルギーを起こす物質があります。
花粉症の場合は、空気に浮遊している物質が原因となりますので、特に食事とは関係がないといわれています。
  しかし、現在のように花粉症にかかっている人が増加してきたのは、食生活の変化が大いに関係しています。
肉食を中心とした食事の欧米化とともに、アレルギー性疾患が増加している傾向があり、
逆に栄養不足に悩む社会ではアレルギー性疾患はほどんどみられません。
つまり、栄養過多によってアレルギー体質になりやすいということです。

@たんぱく質を摂りすぎないようしましょう
たんぱく質を摂りすぎると、アレルギーを起こす抗体をつくりやすくします。
高たんぱく質の食事に偏るには避けましょう。
また、動物性たんぱくと植物性たんぱくのバランスを考えましょう。

Aビタミン・ミネラルをバランス良く摂りましょう
特に気をつけてほしいビタミン・ミネラルとして…
【 ビタミンA  粘膜や皮膚を正常に保つ働きをします。《緑黄色野菜・果物・海藻》
【 ビタミンB3アレルギー症状の原因物質であるといわれるヒスタミンの生成を抑えます。《パン・そば・豆・ごま》
【 ビタミンC 】ビタミンB3と同様に、ヒスタミンの生成を抑えます。また、抵抗力を高めます。《野菜・果物・いも》
【カルシウム】カルシウムが不足すると神経過剰になり、アレルギー症状がひどくなります。《牛乳・乳製品・小魚》

B刺激物は避けましょう
  たばこ     ⇒煙に含まれている化学物質は粘膜を刺激します。
                      また、喫煙習慣のない人も、周囲の煙に気をつけましょう。
  アルコール⇒粘膜を流れる血液の量を変化させます。
                      花粉症の人の鼻は血液の流れが悪いので、充血やうっ血が起こりやすく鼻づまりが悪化します。
                       また、抗ヒスタミン剤を使用している人はアルコールで副作用が起こる場合もあるようです。

その他の予防法
●花粉の飛ぶ状況を良く理解しましょう
外出する際はマスクをしたり、眼鏡や帽子を着用しましょう。
上着はナイロン製のものを着用し、帰宅時はそれを玄関で脱ぎ家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。
帰宅後はすぐにお風呂に入り、体に付着している花粉を洗い流しましょう。窓を開けないようにしたり、
布団を外に干す時は、直接花粉が付着しないようビニールなどで覆うという工夫をしましょう。

●粘膜を乾燥させないようにしましょう
うがい・手洗いをこまめにしましょう。部屋に洗濯物を干すなど、保湿を心掛けましょう。

●規則正しい生活で体の抵抗力を高めておきましょう
睡眠不足にならないようにしましょう。疲労、ストレスを避け肉体的・精神的にゆとりを持ちましょう。

 

栄養士    高橋 広海             

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