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NO.2

 

かぜに負けないように

'00. 2月号

 

  寒さが一層厳しくなりました。かぜをひいてはいませんか。かぜほど一般的な病気はないようです。
  かぜとは気管支上部の炎症のことで、感染症です。
ほとんどはウイルスが原因で、このウイルスが体の免疫システムを圧倒し、
ウイルスに対する抵抗力が弱まっているときに起こります。
  かぜをひくと、発熱やのどの痛み・せき・鼻水・鼻づまり・筋肉や関節の痛み・下痢・嘔吐・全身倦怠感…と
様々な不快な症状が現れます。
  かぜをひく原因としては、疲労や睡眠不足などで体に無理をさせてしまい体力が消耗している時や、
食事の偏りや食生活の乱れによって栄養バランスが崩れている時、そして寒さによって体が冷えている時です。
  かぜを予防したり、すでにかぜをひいていてもより早く治すためには『休養』『栄養』『保温』の3つが絶対条件です。

食事療法
@全体的なエネルギーを補給します
発熱で体温が1℃上昇すると、約13%の基礎代謝量が亢進されます。
つまりエネルギー代謝量が増えるということです。ですからエネルギーを補給しなければなりません。
しかし、かぜをひくと食欲低下や消化能力の低下を伴いますので、
やわらかいものや吸収されやすいものを食べるようにします。
おかゆやおじや、やわらかいご飯やパン、うどんなどを食べましょう。
また、ハチミツややわらかい甘いお菓子などを食べ、糖質補給をします。
糖質は口当たりも消化も良く、エネルギーになります。

Aたんぱく質・ビタミン・ミネラルを補給します
かぜをひくとたんぱく質の分解が進み、ビタミン・ミネラルの必要量が増えます。
たんぱく質は、卵・牛乳・乳製品でとりましょう。
ビタミンでは、ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンCを積極的に補給するようにしましょう。
【ビタミンA 】皮膚や粘膜を保護します。
                   緑黄色野菜・レバー・卵・果物に多く含まれています。
【ビタミンB1糖質をエネルギーに変えるときに必要です。
                   豚肉・穀物・大豆などに多く含まれます。
【ビタミンC 】抗酸化作用があり、抵抗力を高めます。
                   野菜・果物などに多く含まれます。
野菜は、生野菜をとるよりも温野菜をとるほうが良いでしょう。
ただし、ビタミンCは水に溶けやすく熱に壊れやすいので、調理の仕方に工夫します。
例えば、野菜を茹でるときは多めの熱湯で短時間で茹で、水にさらすときは最小限にします。
また、炒めたり電子レンジを利用すると損失が少ないです。

B水分を補給します
発熱や下痢により体内の水分が失われます。
また、カリウムやナトリウムも失われ体内の水分バランスや電解質のバランスが崩れてしまうため、
脱水症状が起こりやすくなります。ですから、十分に水分を補給しましょう。
あたたかい汁ものやお茶(カフェインの含まれていないものが良い)、野菜ジュース、スポーツドリンクが良いでしょう。

C刺激物は避けます
消化能力が低下しているときは、
アルコールはもちろんのこと、コーヒー、炭酸飲料は腸管壁に刺激を与えるので摂らないようにします。
また、たばこは吸わないようにしましょう。たばこを1本吸うと、約25rのビタミンCが損失されてしまいます。

D民間療法を利用します
昔からの民間療法は、直接ウイルスに対しての効果があるものではありませんが、
体を温める効果のある食品を使ったものであったり、水分を補給したり、
エネルギーやたんぱく質・糖質・ビタミン・ミネラルを補給するために良いものです。
  ◎卵酒            ⇒ナベに日本酒1カップを入れ、
                              卵1個を入れて半熟になったらハチミツや砂糖を加えて熱いうちに飲みましょう。
  ◎ネギ・生姜     ⇒煎じたり、スープにして飲みましょう。
  ◎にんにく        ⇒焼きにんにくしたり、スープにして飲みましょう。
                               ただし、にんにくは食べ過ぎると胃腸に負担をかけるので1日1かけ〜2かけにしましょう。
  ◎レモン・みかん⇒汁を絞って、お湯とハチミツを加えて飲みましょう。

かぜをひかないために
たかがかぜ、と思わないで普段から予防をして、
かぜをひいてしまっても早めに治すことのできる体をつくりましょう。
その為には、うがい・手洗いを習慣づけること、十分に睡眠をとり体力をつけておくこと、
体を良く温めること、そして食事はきちんととり栄養バランスを整えることが必要です。
かぜをこじらせると、肺炎や気管支炎などを引き起こす場合もありますので十分に注意をしてください。
かぜの引きやすい方、繰り返しかぜをひいてしまう方はライフスタイルを振り返ってみてはいかがでしょうか。
くれぐれも、無理はしないようにしてください。

 

栄養士    高橋 広海             

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