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酒飲み健康術  〜こう飲めばお酒は体においしい〜

'00. 1月号

 

  忘年会、新年会など、お酒を飲む機会がおおくなるシーズンがあります。
お酒の好きな方はついつい普段よりも飲む量が増えてはいませんか。
お酒は“百薬の長”といわれますが、上手にお付き合いしていきたいものです。
  適量のアルコールは精神的ストレスから解放され、食欲が増し血行がよくなります。
しかし過剰なアルコールを摂取することにより体にもたらす影響とはいったいどんなものでしょうか。

アルコールと栄養
  お酒は高エネルギー食品です。アルコール1gは体内で7kcalのエネルギーになります。
ちなみに糖やたんぱく質は4kcalのエネルギーとなり、脂質は9kcalのエネルギーになります。
それと比べると脂質には及ばないにしても、大変なカロリー源です。
しかしアルコールは糖やたんぱく質、脂質のように
カロリーとなっても体の成分として貯蔵されることなく栄養にはなりません。
アルコールは栄養的な価値は低い食品です。
そしてお酒を飲むときに偏った食事になりがちなために、
全体的な栄養バランスが悪くなります。
  また、アルコールにより栄養素の呼吸を妨げたり呼吸された栄養素の適切な貯蔵を妨げます。
  このようにお酒を飲む方の食習慣や栄養の呼吸面で悪影響を及ぼします。

アルコールと肝臓
  お酒が肝臓へ負担をかけるということはご存じだと思います。
肝臓は有害なものを無害にするという解毒を行っています。
アルコールの90%以上を肝臓で分解し解毒しますが、
この働きが正常に行われるためにはたんぱく質が必要となります。
食事をきちんととらないでいるとたんぱく質が不足してアルコールが解毒されにくくなってしまいます。
  さらに、脂肪の消化が悪くなり脂肪が肝臓の外へ出られなくなってしまいます。
また、もしも肝細胞が傷ついた場合には、その修復・再生を遅らせてしまします。
それと、アルコールが分解されるときにはビタミンB1が必要となります。
ビタミンBはアルコールを代謝するときにできるアセトアルデヒドという有害な物質を分解します。
  このアセトアルデヒドがきちんと分解されないとアルコールが体内に残り二日酔いなどを起こしてしまいます。

お酒と健康
@良質のたんぱく質をとりましょう
良質のたんぱく質とは…
  たんぱく質は約20種類のアミノ酸によって構成されています。
その中に8種必須アミノ酸とよばれる人間の体内で合成できないものがあります。
これらがそろっているほど、良質のたんぱく質といえます。
  食品でいうと、肉類・魚介類・牛乳・乳製品・大豆・大豆製品です。
動物性たんぱく質食品と植物性たんぱく質食品をバランスよくとりましょう。

Aビタミン・ミネラルの多く含む食品をとりましょう
  肝臓はビタミンを蓄えて体が必要なときにいつでも提供できる役目をもっています。
肝臓に十分ビタミン・ミネラルを補給しましょう。
  緑黄色野菜・牛乳・乳製品・果物などを食べましょう。

B脂肪はひかえめにしましょう
  揚げ物など脂っこい料理ばかり食べないようにしましょう。
お酒自体のカロリーが高いのでカロリーオーバーになってしまいます。

C塩辛ものやしょっぱいものはひかえめにしましょう
  塩辛いもの、しょっぱいものはお酒がすすむのでアルコール摂取量が増えますし、
それだけをつまみにしていると栄養欠乏になります。
  また食塩のとりすぎになってしまいます。

D空腹時の一気飲みはやめましょう
  肝臓でアルコールを解毒するスピードが間に合わなくなってしまうため、アルコールが体内に残ってしまいます。

Eほどほどに適量を飲むようにしましょう
  個人差はありますが、適量とは一般に日本酒1合、ビール1本、ウイスキーはダブル1杯といわれています。
ちなみに、お酒の種類は何であれアルコール量が同じであれば体に対する影響は同じです。

F休肝日をつくりましょう
  お酒を飲む時にあまり食べたくないという方は、あとで栄養のあるものを食べるように心がけましょう。
それが無理なら翌日でもよいです。
その日は肝臓を休めるためにお酒はやめにして、栄養を十分に補給しましょう。

 

栄養士    高橋 広海             

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