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活性酸素を撃退する
SODの力は年と共に減少する

表を見ていただきたいのですが、これは若いねずみと年を取ったねずみの赤血球に含まれるSODの高さを調べた結果です。これを見ると、若いネズミの赤血球はSODが高いです。そして年をとってきたらSODが減ってきます。ただ、年をとったネズミのいちばん若い赤血球のSODよりも、若いネズミの年をとった赤血球のSODのほうが高い。つまり、人間は若いと活性酸素を取り除いて病気が防げるわけです。これは、老化とSODがきれいに平行して、老化したらSODの機能が落ちてきて病気になるというおもしろい結果です。

   先ほども言いましたが活性酸素はうまく結合して過酸化脂質を刺激します。これは傷口なんかにどんどんできるんですよ。で、やはり若い患者の過酸化脂質は、SODを増やす力があるからあまし悪さをしない。年をとった患者さんの傷口は、SODの力が弱い。だから、若い人よりもどんどん活性酸素が出てきます。元気な人でも過酸化脂質は高いんです。でも、SODの力が高いから病気にならないんです。逆に病気になったらSODを作る力がないから、上がってきた活性酸素でやられます。

   同じ赤血球でも年をとった人と若い人とでは、SODがちがうぞと。調べてみたら若い人も赤ちゃんも年寄りでも、ほとんどSODの量は変わらないんです。ところが、活性酸素によるか過酸化脂質が上がって、いざ溜まったというときにSODの量はいっしょだけど、力が違うんです。それをSODの誘導活性といいます。量はいっしょでも誘導活性が違うわけです。
   だから、活性酸素が出て、過酸化脂質が増えて悪さをするときに、SODが上がる力があるかどうか、それが大事なんだということです。
   「SOD induction (SODの誘導)」という表のように、40歳を過ぎることからSODの誘導活性は落ちてきます。
   50歳代になるとさらに減る。60歳代になると、もう若い人の4分の1か5分の1に減っちゃうんですね。70歳、80歳になるとめちゃくちゃになる。ところが80歳を過ぎて表の数値が上がっているから、発表の場でなんでそんな80過ぎたら上がるんだ≠ニいわれました。いや、これは違うんだ。SODの力がある人だけが生きとんねん(笑)=Bおのずと生きている人は少ない。でも、生きている人は力が若干強いから生きている。だから上がったように見えるんです。

 

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