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乳がんは手術で治るがん
−マンモグラフィーは過剰な検診−
 
   乳がんは手術しないほうがいい、いやしたほうがいい。抗がん剤、マンモグラフィー検査は、などと乳がんひとつでも様々な意見があります。とくにここ数年、本屋さんのベストセラーコーナーに必ずと言っていいほど、西洋医学に一石を投じる本が並ぶようになってきました。さらに週刊誌でも毎号、医学界にメスを入れるような特集が組まれるようになりました。西洋医学一辺倒の治療法に医師たちも疑問を呈するようになってきたということでしょう。先日は、20年以上も前に出版された生物学博士の三石巌先生が書かれた「医学常識はウソだらけ」(祥伝社黄金文庫)が、書店で平積みされていました。先生はすでに亡くなられているのに、ベストセラーになっている。医学界が大きく変わろうとしている証かもしれません。
   そんななか、今回は乳がんについて丹羽先生にお話を伺ってきました。国立がん研究センターの発表(2016年)によると、乳がんは女性のがん死亡原因5位でした。さらに30歳から64歳に絞ると1位でした。50年前の統計の実に3倍以上になっているそうです。
 
―――今回は乳がんについて伺います。先生の著書『がん治療究極の選択』(講談社新書)のなかで、乳がんは手術で治る可能性の高いがんとおっしゃっていますが、なかにはそれはがんではないから手術は不要という意見も聞かれます。どうなんでしょうか?
「乳がんは、手術で完治できる数少ないがんのひとつ。手術できるのであれば絶対にしたほうがいいです。素人判断でしこりがあるのに大丈夫などというのはいけない。しこりが分かったらすぐに取るべき。大きくならないしこりはがんでないと言っても、いずれはがん化する可能性が高い。異物ができること自体、すべての人にがん因子はあるんです。それがストレスや食生活、化学薬品、大気汚染などの理由でがん化していくわけです」
 
―――どうして乳がんは完治できるがんのひとつなのでしょうか?
「乳房というのは、心臓をはじめとする内臓の中にはないです。つまり外にあるから、転移しにくいんです。手術をしたときに他の臓器に散ることもない。手術で完全にとりやすい部位なんです。しかし、それを放置しておくと、進行して肺や肝臓に転移します。転移してしまうのはたいてい、乳房を温存したために、手術してもがんをすべて取り切れなかったり、ためらっていて手術するのが遅れた場合ですね。うちにもそれでがんが転移してしまった患者さんは多いです。乳がんこそ、早く手術していれば大丈夫なんですから」
 
―――他のがんは?
「乳がんの他にもうひとつ大丈夫ながんが、前立腺がんです。これは、乳がんみたいに手術なんかしなくても放っておいても大丈夫ながんです。逆に余計なことはしないほうがいい。特に高齢者こそ手術はしてはいけない。ホルモン治療で大丈夫です。乳がんと前立腺がん以外のがんは、手術で取れて延命はできるけど、完治は難しいです。というのは、手術で取り切ったと言っても、どこかに根っこが残るんです。転移再発の可能性が高い。転移再発を遅らせるには、ストレスをためないで、食事に気をつけ、空気のきれいなところに住むことです。そうすれば、寿命か、がんか、どちらで亡くなったかわからないと」
 
―――その環境は現代人にはなかなか難しいですよね?

「そう。ですから、食生活だけでも改善したほうがいいでしょうね。特に乳がんの場合、肉乳製品はいけません」
 
―――それはどうしてでしょうか?
「女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類がある。この女性ホルモンが過剰になって乳腺を刺激することから乳がんができる」
 
―――近年、増加傾向にあるのはどうしてでしょうか?

「昔、日本人は肉や乳製品をほとんど食べなかった。その頃は生理がもう終わってしまった女性に乳がん患者はあまりいなかった。ところが、終戦後、欧米の食生活になり始めてから、生理が終わってしまった女性の乳がんが出てくるようになった。どうしてかと言うと、肉や乳製品を食べるようになったから。肉乳製品を食べると、自分の体内で女性ホルモン、卵胞ホルモンを作らなくても、食べた肉が副腎に行って女性ホルモンに変わるんです。自分は作らなくても、食べた物からホルモンができてしまうわけです。さらにアメリカは、肉食社会で環境汚染、ダイオキシンの汚染もひどい。それらが卵胞ホルモンに作用して、乳がんの患者がものすごく多い。アメリカの乳がん患者は中高年の10人にひとりの割合です。これはすごく高い割合ですね。最近は日本でも70、80歳のお年寄りの乳がん初発、再発がぞろぞろいるんです。これも日本人が若い人だけじゃなく老人も肉を食べているという証ですね」
 
―――肉乳製品はすべて食べないほうがいいのでしょうか?
「できれば食べないほうがいい。特に豚の脂がよくない」
 
―――てっきり牛肉の脂が良くないと思っていましたが?
「もちろん牛も良くないが、いちばんいけないのが豚です。肉の中でまだ食べていいのが鶏ですね。次に牛。豚は脂も肉もだめです。乳がんにかかったことがある人は特に気をつけてください。よく、乳がんには大豆に含まれるイソフラボンが良くないといいますが、そんなのあまり関係ない。大豆製品は良質のたんぱく質だから食べていいです。あと、豚は男性にも良くない。特に痛風の人には絶対にダメ。一発で症状が出ますよ」
 
―――国産のものでもいけないのでしょうか?アメリカなどの牛や豚は、抗生剤や成長ホルモンを使っているからいけないと聞きますが?
「国産でも、抗生剤や成長ホルモンを使っていることもあり、それが乳がんのもとになる場合もあります」
 
―――抗がん剤はどうでしょうか?先生は、乳がんには抗がん剤が比較的効果的だと書かれていますが?
「他のがんに抗がん剤は百害あって一利なしですが、乳がんには比較的効果的です。延命効果はあります。と言ってもそれは、手術で取り切れなかった場合に使う抗がん剤であって、そうでない場合はやはり良くないです。例えば、手術の前にがんを小さくさせるための抗がん剤や、取り切った後に再発防止のために抗がん剤、というのはいけません。とんでもない。再発防止のつもりが、再発を誘発するようなことになてしまいます」
 
―――では、手術をしてしまえば、あとは余計なことはしないで食事などに気をつけることですか?
「そのとおりです」
 
―――そのためには検査での早期発見も大事だと思うんですが、マンモグラフィー検査などは必要なんでしょうか?
「必要ないです。マンモグラフィーやレントゲン、CTなどの検査は、放射線を一度にいっぱい浴びるから身体に良くないです。眠っているがん因子を起こしてしまう。乳がんなどは自分で触れて、しこりがあるかないかを確認すればいいです。あったら取ればいい。不安なら、エコーで診てもらえばいい。その程度の時期の発見で十分に手術で治ります。検査というのはある程度必要ですが、どこも悪くないのにパッケージ化された検査を受けるのは意味がない。とくに放射線関係の検査は、極力避けることです。具合が悪くて検査をする、病気になってしまってからのある種の検査は必要ですが、そうではないのに余計な検査はしないほうがいい。検査で予防した気になっているのが一番いけない。それより、日々の生活を見直すほうが大事です」
 
   丹羽先生も余計な検診よりも、自覚が大事とおっしゃっていますが、最近の週刊誌などの記事でいろいろな医師が提唱していることもおおむね同様のものでした。記事によると、マンモグラフィー検診は日本人には不向きで、がんの判別が難しいこと。スイスでは医療委員会がマンモグラフィー検査の廃止を勧告し、欧米各国で死亡率低下効果が見られないどころか、逆に過剰診断が3分の1もあったとしてマンモグラフィー検査は減少しているといいます。逆に日本は欧米に比べマンモグラフィー検査を受ける女性が少ないからピンクリボンキャンペーンなどで盛んに推奨し始めたばかり。しこりという自覚症状では遅いとばかり超早期発見に向かっているような気がします。

 


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