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 レポート 078


健康な人の検診
−ほとんどがお金の無駄遣い、逆に健康を害する−
 
   今回
は、健康診断を含めた検査について、丹羽先生のお話を伺ってきました。日本は検診にとても手厚い国です。無料で市民検診、区民検診、農協検診など年をとればとるほどたくさんの検診の案内が自動的に届きます。これを受けなければ損とばかりに受け、なにかしらの異常が発見されると、医者に言われるままに降圧剤、血糖値を下げる薬など大量の薬を飲む日々。丹羽先生はいつも、「年をとれば血圧も血糖値も上がるのが当たり前。それを薬で下げるのは愚の骨頂。薬には必ず副作用がある。大事なのは運動と食事。数値ではない」と言います。
   さらに早期発見早期治療ということばに踊らされ、人間ドックやがん検診は大盛況です。確かに早期発見早期治療は効果的だと言われています。
 
―――先生、このような検査は必要なのでしょうか?
「ほとんどお金の無駄遣いですね。というのは、これらの検査や検診で必ずしもがんが見つけられるわけではないんです。そのことを知ったうえで受けたほうがいいですね。必ず見落としは出るものです。なのに毎年検査しているから大丈夫と無理をしたり、暴飲暴食したりしていては、意味がない。大事なのは自分で自分の体の状態を知ることです。がんになれば必ずなにかしらの兆候が表れるものです」
 
―――例えば?
「肺がんなら、咳が出てなかなか治らない。腸なら下痢や便秘が続く。とにかく、いつもと違う症状が続くようなら、その時にちゃんと検査を受けることです」
 
―――早期発見で余計な手術をさせられて、逆に具合が悪くなったという話も聞きますが?
「だから、見落としと同様、検査ミスもあるということですね」
 
―――レントゲン検診車があるのは日本だけだとか、日本に世界中の7割のMRIがあると言われていますが?
「レントゲンもMRIも、どっちも放射線被ばくでDNAが傷つけられ、下手すれば発がんの可能性も出てくる。がんの可能性があるとか、手術が必要で腫瘍の特定などに必要な場合もありますが、健康な人が検診目的だけでするものではありません」
 
―――先生はなにか検査はしていますか?
「年が年だから、簡単な検査はしていますよ。年に一回」

 
―――どのような?

「肝機能と腎機能、貧血の3つだけ簡単な検査をしているんです。いつも夏になるとしんどいから、9月の始めにしているんです。しかし、どこも悪くない。いつも夏はしんどいから、今年こえおはどこか悪いに違いないと思うんだが、悪くないんですよ(笑)」
 
―――先生、夏はみんなしんどいですよ。家でゴロゴロしていてもしんどいのに、先生は、全国を回って診察やら調べ物、論文書きなどをされているんですから、普通の人よりしんどくて当たり前ですよ。
「そうだ、そのとおりだ(笑)がんになっても私の生薬を飲めばいいし、SODは欠かさず飲んでいるし。この年になると、がんになても寿命が先か、がん死が先かわからない」
 
   そういえば、近藤誠先生と中村仁一先生(ベストセラーになった『大往生しらけりゃ医療とかかわるな』の著者)の対談でも、がんの集団検診をやめた村でがん死が半分以下に減ったという話がありました。近藤誠先生は、「集団がん検診でがんの発見頻度が高まり、がんもどきや潜在がんも、がんと検診され、治療の対象になってします。結果的に手術や抗がん剤治療で死者が増えてしまっていたと解釈できます」
   と言います。おふたりとも検診は受けないと言い切っています。77歳になると中村仁一先生は、血圧が200くらいあるけれど気にはしないといい、近藤誠先生に至っては自分の血圧など知らないとか。

 


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