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−健康寿命を延ばすためには対策を− |
レポート 063 |
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ロコモティブシンドロームとは? | |
−健康寿命を延ばすためには対策を− | |
高齢化社会が進む中、「ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome)」予防が提唱されるようになりました。ロコモティブシンドロームとは、筋肉や骨など運動器の障害によって要介護になるリスクが高まる状態をいいます。2007年頃から、日本整形外科学会が提唱をしはじめ、「ロコモ」の重要性とその健康維持を推奨しています。 ロコモティブシンドロームが声高に言われるようになった背景には、寝たきり予防には運動機能の維持が重要であるとの認識が高まってきたことがあります。骨や筋肉などの運動器は加齢とともに衰え、膝痛や腰痛、骨粗鬆症などを発症しやすくなります。こうした足腰が弱ったり、骨がもろくなった状態で転倒すると、そのまま回復せずに寝たきり状態になりやすくなるのです。また、運動機能が衰えると認知症になりやすいというデータもあります。 健康な状態で長生きをする、つまり「健康寿命」を延ばすためには、ロコモティブシンドローム予防が大切になります。 日本人に多い変形性膝関節症の予防が重要 ロコモティブシンドロームには、主に「運動器の疾患」と「加齢による運動器機能不全」があります。「運動器の疾患(筋骨格運動器系)」には、変形性関節症や関節リウマチ、骨粗鬆症、変形性脊椎症などがあります。これらの疾患による関節や筋肉の痛みなどによって、体を動かさなくなり、体力が低下していきます。 一方、「加齢による運動器機能不全」には、筋力低下、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下、バランス能力低下などがあります。筋力やバランス能力が衰えると転びやすくなり、骨折や寝たきりのリスクが高まります。 ロコモティブシンドロームを防ぐためには「運動器の疾患」のひとつ、「変形性膝関節症」の対策が重要です。変形性膝関節炎は、膝関節を覆っている軟骨が摩擦や加齢などですり減ったことで炎症や変形が起こる病気です。初期には自覚症状はほとんどありませんが、症状が進むと膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、階段の上り下りなどの際に痛みが生じ、日常生活に支障をきたします。さらに進むと膝を人工関節に取り換えるという大掛かりな手術が必要になってしまう病気です。 ある調査(出典*吉村典子 2009年)では、変形性膝関節症と変形性腰椎症、骨粗鬆症あわせて、推計患者数は4700万人(男性2100万人、女性2600万人)いることが分かっています。さらにその調査では変形性膝関節症の患者はそうでない人に比べて「軽度認知障害」の危険性が約1.8倍になるといいます。 別の学術調査では、日本の60歳以上の女性の約4割、男性の約2割がレントゲン撮影によって、変形性膝関節症と診断されました。80歳代では女性の6割以上、男性の約5割近くもかかっています。変形性膝関節症は加齢によって誰でもなる可能性の高い病気といえます。 |
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適度な運動が健康寿命を延ばして個人の幸福につながります。医療費を抑えて国を幸せにします。もういちど運動を見つめなおす必要があります。 |
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