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 レポート 056


膠 原 病
−ステロイド治療による効果と副作用が表裏一体−
 
   今回は、丹羽先生がずっと研究を続けられている、膠原病についてお話をうかがってきました。丹羽先生の著書によると、膠原病ちひと口に言っても、この疾患は別名、自己免疫疾患といい、20数種類の病気があるそうです。
   膠原病全般に共通する症状のひとつとして全身の関節の痛みがよくみられることから、膠原病のほとんどがリウマチ性疾患ともいわれます。また、逆にリウマチ性疾患のなかには膠原病の特徴に当てはまる病気も多くみられるようです。
   代表的な病気は、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性強皮症、関節リウマチ、結節性多発動脈炎などです。その中でとくに皮膚の症状が目立つ全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性強皮症は、自己免疫のメカニズムによって発症すると考えれられています。本来、外から入ってくる異物から身を守ってくれるために働くはずの免疫の働きに異常が起こり、自分の体を攻撃してしまうのが自己免疫反応です。この反応は、膠原病以外でも様々な病気の発症に関係しているようです。膠原病の中でもどの病気かによって症状は大きく異なります。さらにいえば、同じ病気の中でも個人によって大きな差があります。
   膠原病は原因が不明で治療法のない「難病」というイメージがありました。事実、日本では膠原病は、厚生労働省によって特定疾患(いわゆる難病)に指定され、公費補助対象疾患とされています。しかし、近年の医学の進歩によって、膠原病の生命予後は大きく改善されました。厚生労働省の資料によると、膠原病の代表的疾患である全身性エリテマトーデスでは、ステロイド治療が導入される以前の3年生存率は50%以下でしたが、1960〜70年代には5年生存率75%、1980年代以降の5年生存率は90%以上と劇的な生命予後の改善がみられています。
   しかし、全般的な生命予後が向上する一方で、依然として治療法が確立していないために死亡率が高く、または重い障害を残すような難治性病態もクローズアップされるようになりました。このような障害として、全身性エリテマトーデスの重症腎障害、中枢神経症状、肺胞出血や、強皮症の線維化病変、ステロイド抵抗性筋炎、膠原病に合併する間質性肺炎や肺高血圧症、結節性多発動脈炎やウェゲナー肉芽腫症などの全身性血管炎、劇症型抗リン脂質抗体症候群、難治性の関節リウマチやアミロイドーシスなどがあげられています。また、膠原病自体の症状というよりも、むしろその治療によって誘発される症状があり、ステロイド薬による精神症状、骨粗鬆症、日和見感染症、糖尿病、大腿骨頭壊死症、動脈硬化症や、免疫抑制薬による感染症や悪性腫瘍の誘発などが大きな問題になってきているようです。
 
   丹羽先生は、この膠原病一種、ベーチェット病やリウマチの研究を長年され、いわばこの道の先駆者でもあります。そんな丹羽先生にお話をうかがってきました。
 
―――先生、リウマチというのも膠原病の一種なのでしょうか?
「いまごろそんな初歩的なことを。そうです。膠原病の一種がリウマチです。膠原病というのは、膠(ニカワ)の原と書きます。人間の皮膚と骨の間には筋や筋肉、脂肪などがありますね。なかったらガイコツです。それが胴体にいくと、骨と皮膚の間に筋肉、脂肪、筋、内臓があります。この骨と皮膚の間を支えている皮膚組織のことを膠原組織と言うんです。そこがやられてしまう病気を膠原病と言うんだ。やられる場所によって24種類くらいの病名の呼び名がある。発症したら治りはしない。しかし、やられる場所によっては死に至るものとそうでないものがある。例えば、関節がやられるのはリウマチ。これは死なない。唾液腺や涙腺がやられるとシェーグレン症候群と言います。これも死なない。甲状腺がやられると橋本氏病。これらのような死に至らないのが5つ6つあります。次に死に至るもの。これはSLEという全身性エリテマトーデスですね。これら死ぬものが7つ8つあり、その中間のやつが10くらいあって全部で24種類ある。コラーゲンという言葉、これは日本語で書くと膠原と言うんです」
 
―――ええっ、それは知りませんでした。コラーゲンというといまやすっかり美容の用語感覚なのに、膠原だったとは?

「膠原病は別名、自己免疫疾患と言うんだ。免疫と言う言葉を聞くと、体内に入ってきたばい菌を叩き潰してくれる、非常にありがたい能力なんです。ないと困る。その抗体を作るのがリンパ球で、このリンパ球が狂ってしまい、自分の体に抗体を作ってしまう、つまり、自分を攻撃するのが自己免疫疾患というんです。ばい菌を免疫するのではなく、自分を免疫する。そんなばかなリンパ球がずっとでき続けて抗体を作るのが膠原病。これは自分の体といつも共存しているから治らないんです。それで膠原にさらされるのが関節や唾液腺なら死なない。しかし、肝臓や腎臓、血液、肺の全体がさらされてやられると死ぬことになるわけです」

 
―――これは遺伝するのでしょうか?

「体質は遺伝するけど、発症自体の遺伝はあまりないです。それよりも、ウイルスに気をつけたほうがいい。これは、リンパ球がカビやばい菌に対して抗体を作らないで自分に対して攻撃をする疾患です。このリンパ球の体質を変えるのに、ウイルスが悪さをすることがあるんです。よく、おたふく風邪や風疹にかかったあとに重症化する人がいますが、これもウイルスがリンパ球の性質を変えてしまって、自分の体を攻撃してしまうんです」

 
―――ということは誰でも発症する可能性はあるということですね?
「そういうことです。でも、引き金はやはり寝不足、過労、ストレスです。つまり、免疫力が落ちているときにウイルスに感染するわけだから。あと、お年寄りや子供もウイルスにやられやすい」
 
―――それに対してSODはどのように作用するのでしょうか?
「化学薬品の副作用はこれまでにいやというほど言ってきているからもうお分かりでしょう。ここではあえて言いません。代わりに、治らないけど副作用がなく、改善させることができるのはSODだけです。SODを食べると、要するに新陳代謝が良くなり、細胞の全ての調子が良くなる。ウイルスに対しての免疫力がつく。ウイルスが入ってきてリンパ球を叩こうとしても、それを阻止する力ができるんです。体の免疫力のほうが勝つということです」
 

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