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 レポート 048


放射線・放射性物質とは?
−SODの役割は−
 
   東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の被災は、高濃度の放射能漏れという最悪の事態に発展しました。半径20キロ圏内の住民に避難勧告が出され、自主避難などの範囲も広がりつつあります。また、その被害は産地の農産物や海産物にも及び、基準値をはるかに超える放射線ヨウ素が検出され、出荷停止になっているものがあります。3月下旬には、東京都の水まで乳児の規準値を上回る放射性物質が検出され、大騒ぎになりました。この基準値は1日だけ検出されただけに止まり、事なきを得ましたが、今なお放射能漏れは続き、予断を許さない状況です。
   そんな状況のなか、丹羽先生にインタビューしてきました。今回は、丹羽先生の放射線が人体に及ぼす危険等の話や、放射線についてのいくつかの疑問に答えていきます。
 
   放射線は体内で活性酸素を大量に発生させ、遺伝子細胞を攻撃する!
 
―――先生、今回の震災による原発事故で放射性物質が広い範囲に飛散しているということで、放射性物質というのは、身体にどのようにして害をもたらすのでしょうか?
「まず、最も怖いのは、直接の被ばくです。基準値以上の放射線を浴びることです。放射線というのは、光線のなかでもいちばん短い線を出すもので、細胞の核の遺伝子を壊すんです。光線には、放射線、紫外線、可視光線、赤外線、遠赤線、マイクロ波、電磁波などがあります。その波長が長い短いで人体にさまざまな影響を及ぼす。このなかで4〜10ミクロンの長さの光線は、細胞を元気にしてくれて、血の巡りをよくしてくれて、活性化して元気にしくれるんだ。これを成長光線というんだ。体の細胞の成長を促進するから、身体にいい光線なんです。例えば、国宝石からなるマグニーボールもこの光線を出している。あと、遠赤外線も体にいい。石焼き芋がおいしいのは、焼いた石の遠赤外線で芯からじっくり温まるから。電子レンジから出るマイクロ波や電磁波などは4000ミクロンもある。このれは表面だけを刺激して非常に体を疲れさせる光線なんです。対して放射線というのはいちばん短い。人体の中まで直に入ってくる。そうして細胞の核の遺伝子まで入って行って、活性酸素を大量に発生させるんです。その活性酸素が細胞を破壊するんです。(活性酸素が遺伝子を破壊するメカニズムは、図1「放射線による活性酸素産生」を参照)」
 

 
―――放射線が活性酸素を大量に発生させるということは、活性酸素を除去するSODは効果的ということでしょうか。また、予防にも多めに飲んだほうがいいんでしょうか?

「もちろん、そうでしょうね。SODは活性酸素で細胞の遺伝子が傷つくことをかなり阻止することができますから」
  
   SODの原材料の産地は安心
 
―――SODの原材料の産地の安全性は大丈夫なのか、多数の質問をいただいているのですが?

「大丈夫ですよ。原材料はすべて西の地方のものですから安心して飲んでください」
 
―――魚や野菜に不安が広がっていますが、先生はこの食への汚染、不安をどのようにとらえていますか?
「小魚など被災地の近海のものから基準値以上の放射性物質が出ていて不安かもしれなし、基準値を超えているものは、口には入れないほうがいいですが、そもそも検査で基準値以上の放射性物質がでているものは市場には出回らないから、そこまで神経質になる必要はないと思います」
 
―――放射能によって引き起こされる病気として、まず最初に上げられるのが甲状腺がんですが、これはどうしてでしょう?
「放射性物質の中に放射性ヨウ素という物質があり、これを含んだ空気や食物を多量に摂取すると、まず最初にのどの粘膜に付着する。それがのどにある甲状腺という人間の成長をつかさどるホルモンを出す機能に大量の活性酸素を発生させてしまいがんになる」
 
―――乳幼児、子供は特に注意とは?
「甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンというのは、たとえば、不足するとおたまじゃくしがカエルになれないように、成長に大切なものなんです。子供は成長が盛んだから代謝も盛ん。甲状腺の細胞も盛んに分裂している。そのときにヨウ素を必要とします。本来、放射能によって障害を受けやすいのはこの盛んに分裂している細胞なんだ。代謝が盛んということは、甲状腺ホルモンもたくさん作られ、ヨウ素もたくさん取り込む。ヨウ素は甲状腺ホルモンを合成する必須ミネラルのひとつ。怖いのは、放射性ヨウ素はヨウ素とよく似ているんだ。だから放射性ヨウ素が体内に入ってくると、ヨウ素と間違えて放射性ヨウ素を取り込んでしまうことなんです。そうして細胞の核の遺伝子を傷つけ、がんになるリスクがより高くなるんです」
 
―――ほかにはどのような病気が?
「すぐには出ないが、やっぱり白血病ですね。あと乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん。これも200シーベルト以上浴びた場合にかかる確率が増えるという話です。5年、10年後、20年後に発症するから放射線のせいだと確定できない。しかし、間違いなくリスクは高まるでしょう。ただ、白血病には冬虫夏草をベースにした私の特製の生薬がものすごくいいです。この冬虫夏草は、これまでチベットの山奥の特別良く効くものを採取して持ってきていたので、希少だったんですが、最近、うちの研究所でさらにいい冬虫夏草の栽培に成功しました。これでたくさん供給できるようになったのは嬉しいことです」

 
   放射性物質から発する放射線は、体内に入って大量の活性酸素を生み出し、その活性酸素が細胞の遺伝子を傷つける。そうしてさまざまな病気を引きおこしてしまう。そうなると活性酸素を除去するSODの役割は大きいかもしれません。必要以上に過剰に心配することはないし、心配するストレスのほうが良くないと丹羽先生もおっしゃっていました。こんな状況のなかで心配するなというほうが難しいとは思いますが、みんなで力を合わせ、気持ちで負けないようにしたいですね。
   さて、ここから先は、放射能に関するいくつかの素朴な疑問にお答えします。
 
   放射性物質に関する疑問

 
Q:ベクレルとシーベルトって?
A:放射線の単位を表すものとしてテレビなどで盛んに表記されているこの単位、いったい何でしょうか。
   まず、ベクレル。これは放射線の量を表す単位のひとつです。しかし、このベクレルは放射線の強さとは比例しません。それは放射性物質の種類(セシウムや放射性ヨウ素など)や飛散の距離等によっても違うものなのです。
   そこで出てくるのがシーベルト。これが放射線量と種類や距離などを合算した人体への影響度を測る単位になります。
   これらの硬貨に見立てて分かりやすくすると、ベクレルは硬貨の数。シーベルトはそれらの合計金額。セシウムという100円玉が10個に放射性ヨウ素という500円玉が10個、合わせて20個、20ベクレル。合計金額は6000円、6000シーベルト。大雑把にいうとこのようになります。
 
Q:一般的な予防薬、ヨウ素剤とは?
A:原子力施設に事故が起きた場合、いろいろな放射性物質が私設から放出されます。放射性ヨウ素もその中の一つです。放出された放射性ヨウ素は、呼吸や食物とともに体の中に取り込まれ、甲状腺に集まります。そのため甲状腺がんの原因になるおそれがあるそうです。
   これに対し、前もってヨウ素剤を飲んでおけば、放射性ヨウ素が甲状腺に集まることを防ぎ、尿や便から排出されて、発がんの危険性を減らすことができるといいます。
   このヨウ素剤は、事故の規模などから計算して、甲状腺の被ばく線量が100ミリシーベルトを越えると予測されたときに配られます。現に今回、避難された方々には配られました。
   チェルノブイリ事故で甲状腺がんになったのは主に子供でしたから、子供には予測被ばく線量が低い場合でもヨウ素剤を与える方が望ましいといえます。
【注:小児が甲状腺がんになりやすいことを考慮してベルギーでは、0〜19歳までの若年層、妊婦、授乳婦は10ミリシーベルト、オーストラリア(0〜16歳、妊婦、授乳婦)、ドイツ(0〜45歳)、アメリカ(0〜18歳、妊婦、授乳婦)では50ミリシーベルトを越えると予測されたときにヨウ素剤を服用します。WHO(世界保健機関)も若年者に対しては、予測線量が10ミリシーベルトを越える場合に服用することを推奨しています】
   ヨウ素剤は放射性ヨウ素が体に取り込まれる以前、または直後に飲むのが効果的とか。この時期に飲めば甲状腺にたまる放射性ヨウ素の90%以上を抑えますが、放射性ヨウ素が摂取された後4時間以内では抑制効果が50%に落ち、6時間以降であれば効果はほとんどないそうです。放射性ヨウ素は呼吸により気管支や肺から、また口から入ったものは消化器官から吸収され血液の中に入ります。このように取り込まれた放射性ヨウ素の10〜30%は、24時間以内に甲状腺に集まり、残りの大部分は尿から排出されます。
   飲む回数は1回とされました。それ以上服用することが必要と予測されるときには避難を優先させるそうです。
   このヨウ素剤は、次の症状の方には副作用の注意が必要です。ヨウ素過敏症(ヨウ素を含む造影剤過敏症、低補体性血管炎、甲状腺機能異常症等の疾患)これらを抱えている人は、1回の服用であれば問題ないと言われますが、普段どうすればよいのかを医師に相談しておきましょう。
   ヨウ素剤は、決められた量を1回服用する場合あまり心配ありませんが、長期間連続服用すると、甲状腺がん、甲状腺機能亢進症や、甲状腺機能低下症などを引きおこすおそれがあるので気をつけたほうがいいと言います。
 
Q:昆布を食べると放射能予防になる?
A:ヨウ素は海産物、特に昆布に多く含まれています。昆布の乾燥重量100gあたりには100〜300rのヨウ素が含まれています。
   しかし、昆布を食べることによって短時間に大量のヨウ素を体内に取り入れるのは難しいようです。
 
Q:ヨウ素を含むうがい薬や外用薬を飲むのは?
A:これは決して飲んではいけないといいます。うがい薬などに入っているヨウ素は、ヨウ素剤とは異なる分子量のものだからとか。さらに殺菌作用が強いので、消毒液を飲んでいるのに近いことになるそうです。
 
Q:野菜、牛乳は大丈夫?
A:1996年のチェルノブイリ事故のときは、高濃度の放射性ヨウ素を含んだガスが漏れ、広範囲に広がりました。そのときに放牧されていた牛などが放射性ヨウ素のついた草を食べ、その牛の牛乳を子供たちが飲む続けていた結果、甲状腺がんの発症率がすごく高くなりました。放射性ヨウ素というのは葉につきやすい性質があります。
   しかし、これは当時のチェルノブイリの場合です。というのは、当時は、事故がおきてもすぐに住民の避難はなく、事故現場に普通の消防士が駆けつけ普通の消火活動をして、内部にもなんの防護もなく入っていたのです。結果、多くの消防士が亡くなりました。そんな状態でしたから、住人の避難も遅れ、ましてや牛乳を飲むなという情報はなかったそうです。
   今回の福島の場合とは状況が違います。今回、住民は速やかに避難し、半径20キロ圏内の野菜や牛乳に摂取制限などが出されました。さらに、一時、かなり広い範囲の野菜などが出荷制限されていました。日本の場合、産地が県表示になっています。なので大きく網かけされていますから、今市場に出回っているものは大丈夫ではないでしょうか。
   放射性物質の安全暫定摂取基準値に関しては表1を参照してください。これは、国際基準をもとに厳しい基準を暫定的にあてはめたもので、ずっと食べ続けても大丈夫という上限の基準を定めたものです。
   また、放射性ヨウ素は水に溶ける性質を持っていますから、洗ってゆでるなどすればかなりの量が落ちるといいます。ホウレンソウなどの葉野菜は葉に付着しやすく、心配であればキャベツや白菜などは表面の一枚を食べないということもできます。
   土に付着し、その土の成分を吸収した野菜は?というところまではまだ決まっていません。これkら規制がなされるはずなので、情報に気を配ってみてください。
 

 
Q
:半減期とは?
A:放射性物質というのは不安定で、これが壊れて安定的なものに変わる途中でエネルギーを外に出します。これが放射線といいます。この放射線の原子が半分になる、これが半減期です。
   放射性ヨウ素の場合は、8日間で半分になり、さらに1/4、1/8、1/16となり、数か月でほとんどなくなります。
   放射性セシウムは、この半減期が30年と言われています。プルトニウムに至っては2万4千年ですから、永遠になくならないと考えていいでしょう。
 
Q:3月に1日だけ東京の水から放射性物質が検出されましたが、この放射性物質を含んだ水は、沸騰すれば大丈夫?半減期になるまで汲み置きしておけば大丈夫?
A:沸騰すれば、という考え方は、ばい菌に対しては有効な方法ですが、放射性物質は菌ではないので、まったく効果はないといえます。長く沸騰すればそれこそ水分だけが蒸発し、放射性物質は濃縮されてしまいかねません。そのようなことになるにはかなりの量の放射性物質が溶け込んでいるということになりますが、検出されたのは大した量ではないので心配はないと思われます。
   また、汲み置きに関して。確かに放射性物質は8日間で半分にはなります。先日、東京都で乳児の規準値を上回る放射性物質が検出されましたが、翌日には数値は半分に下がっていました。そう考えると汲み置きすれば放射性物質は減っていきます。しかし、水道水は消毒のために塩素が微量入っています。汲み置きすればその塩素も抜けるので、菌が増殖しないように保管しないと、逆に菌に汚染されることになり、安易に汲み置きはしないほうがいいでしょう。
 
Q:赤ちゃんに母乳は?赤ちゃんの入浴は?
A:お腹の胎児に影響は、ということですが、この場合は、乳児が直接飲む場合に比べ、母体というワンクッションがありますから、妊婦さんが飲んでも、胎児には影響は少ないようです。乳児の規準値をほんの少し超えただけの水道水を1日だけ飲むのと、飲まないで脱水症状になるのとどちらが危険かというと、脱水症状のほうが危険ではないでしょうか。過敏になりすぎず、水分補給は十分にとったほうがいいでしょう。また、ミネラルウォーターにこだわりすぎて、乳児の負担になり、下痢をしやすので硬水のミネラルウォーターをあげないよに注意したほうがいいです。乳児には軟水のミネラルウォーターを選ぶように。たいてい国産のミネラルウォーターは軟水ですが、念のために表示をみましょう。
   入浴に至っては、そもそも放射性物質の含まれている量が少ないのですから、飲んで大丈夫なものは入浴などではさらにまったく問題ないと思われます。

 

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