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 レポート 031


末期がん患者の家族
−丹羽療法と抗がん剤治療との葛藤−
 
   とある一日。とある丹羽先生の診療所。
   医者から末期の膵臓がんではないかと宣告された70歳代の男性のご家族が丹羽先生のもとを訪れていました。患者さんは今、病院に入院して一ヶ月。当然ながら抗がん剤治療を始めていました。
   しかし、ご家族、とくにその妻と娘は抗がん剤治療に疑問を持っていました。がん宣告を受けてからというもの、なんとかして助けたいという強い想いがふたりを突き動かし、人伝に丹羽療法へとたどり着いたのです。
   しかし、かんじんの患者本人と息子は、今かかっている大きな病院の治療法しか信じません。丹羽療法を理解する以前に拒絶していました。
   そんな問題を抱え、この日、母と娘は丹羽先生のもとを訪ねていました。
   今回は、ほんとうによくある、このような問題を抱えた患者さんたちのお話をもとに、一例をご紹介します。
 
   その患者さんは70代男性。一ヶ月ほど前に一度、冬虫夏草をもとに丹羽先生が開発したがんの薬『冬山』とSODなどを処方されて服用していました。しかし、息子さんの勧めで大きな病院に入院してしまい、抗がん剤治療を始めたのでした。
「息子は絶対に大きな病院でないと信用できないと」
丹羽「おかあさん、抗がん剤を使うのは、いまや先進国では日本の医者だけなんだ。欧米では使わないんですよ。特に余命一年以内の末期の患者さんには。そんなことするよりも、おいしいものを食べて、楽しく余生を送れと言うんですよ。しかし、そのときもお宅のご主人は抗がん剤を使っても、あと三ヶ月しか持ちませんよ。そして、こうこう、こういう副作用がありますよ。それでもいいですか?≠ニ納得させるんですよ。それが日本の医者は、患者さんが先生、抗がん剤を使ったら助かるんですか?≠ニ聞くと使わなければ間違いなく死にますよ≠ニ言い、使って腫瘍マーカーの数字が小さくなるとほら、抗がん剤でがんがこんなに小さくなった。効いていますよ≠ニ言うんです。それをいわれたら、みんな助かりたいから、このことばにすがってしまうんです。玉虫色のいいことを言ってくれる医者を信じてしまう」
 
「民家療法は信用できなと言うんです」
丹羽「丹羽療法をそんなふうにしか見れないでは仕方ないわな。患者さんには気の毒だけど、これはご縁がなかったと。でもね、息子さんに言いなさい。欧米では抗がん剤治療はしていない。ただ、それに取って代わるものがない。先日おとうさんに出した『冬山』という薬、あれは、私の息子が死んでから30年、私が一生懸命に必死になって研究してきて生まれたものなんだ。そこらの医者はエビデンスがないとボロクソに言うし、ネット上でもボロクソに叩かれている。いま、それに関しては私も訴訟を起こしているところなんだが、とにかく、丹羽療法がそこらの医者の脅威だから叩かれる。効くから叩かれる。医師会、製薬会社こぞって厚生省まで動かして叩いてくる。それだけ脅威なんですよ。丹羽療法のせいで周囲の病院がつぶれかかっていると。医師会は、患者が助かることよりも病院がつぶれないことが大事なんだ。そこで『冬山』なんだ。これは私が冬虫夏草をもとに12〜13年前から研究してきた薬なんだが、ここ5〜6年前からこの冬虫夏草が世界的にがんに効くと、どうして効くかということが分かってきたんだ。遺伝子のところにいって効くというメカニズムまで分かってきたんだ。それで立て続けに10個くらいの論文が出た。それらはモルモットを使った実験で効いたといものばかりで、人間に使って効いたという論文はまだひとつもなかったんだ。しかし、私のところには『冬山』を使った症例が2800人もあるんだ。先日、その話をアメリカの友人の教授に話をしたら、ものすごくびっくりするんですよ。冬虫夏草の論文は今、ブームで40くらい出ているが、人間の症例がないんだと。ドクター丹羽がそれだけの症例をもっているならすぐに論文にしろと。それで論文を書き始めたら、アメリカの教授から電話があって、がん学会の雑誌の審査員をしている先輩教授にこの話をしたら、ものすごく喜んで、がん学会の雑誌に載せるから直接わたしのところに送ってくれと言われたんだ。国際がん学会の雑誌に私の論文が載れば、もう厚生省も医師会も何も言えなくなりますよ。私は、必ずそういう時代が来ると言い続けてきた。それがこの秋には実現するんです。お宅のお父ちゃんはそのときにはもう生きていないかもしれんけど、このことは息子さんに言っておいてください」
 
   医者の玉虫色の言葉に
   すがっても絶対に助かりはしない
 
「なんとかできないでしょうか」
丹羽「やっぱり、息子さんの反対を押し切って無理に連れてこいとは言えない。しかし、あんたらのことを思うと、なんとかしてやりたい。けど、無理やり連れてきて、文句を言われて不快な想いはしたくない。うちは信頼してもらって治療を受けてもらいたいんですよ。うちで助かった人はもちろん、亡くなった患者さんのご家族からもいっぱい手紙をもらうん

です。友達はみんな苦しんで死んでいったけど、先生のおかげで、うちのお父ちゃんは安らかに死んでいった。本当にありがとうと。これはお互いの信頼関係。やった人でなと分からないんですよ。奥さん、私も神様ではないから絶対に助けてやるとは言えない。ただ、抗がん剤をやっても、お父ちゃんの年齢なら必ず苦しんで死にますよ。もしもおとうさんが抗がん剤治療をしてあと半年以上、元気で生きていたらここに連れきてください。私は土下座をして医者をやめますよ。70歳代では絶対に持たない。もしもおとうさんを助ける人がいるとしたら世界中に丹羽先生しかいないと思っていてください。ただ、私も神様じゃないから、やってみないと分からない。一ヶ月、二ヶ月やってみれば効いている人とムダな人が分かる。効かなかった人には、これ以上やってもお金のムダだから、家に帰っておいしものを食べて安らかに最後を過ごしなさいと言います。うちはそういう指導をしています。しかし、玉虫色のことを言う医者はたくさんいます。患者さんは助かりたいから、甘い言葉のほうに行ってしまんです。Aという病院、Bという病院、ふたつの診察を受け、Aでは胃がんと言われ、Bでは胃潰瘍だから手術しなくてもいいですよと言われたら、患者さんは必ずBの医者のほうを選ぶんです。軽いほう、希望を持たせてくれるほうを選ぶんです。私は本当のことしか言わない。もしもできるなら、おとうさんに丹羽先生と一時間くらい話をしてみたらどうかと言ってみなさい。その時間は私も作ります。なにか質問ありますか?なんでも聞いてください」
 
   三週間しか治療をしてくれない
   今の保険医療制度の実態
 
「先生、腹水が溜まっていてご飯があまり食べられないんですが」
丹羽「それは抜けますよ。全部を抜くことはできないけど、ご飯が食べられるくらいには抜けますよ。普通、腹水を抜くと栄養も逃げるから、栄養剤を入れながら抜くんです。ただね、この処置は、あんまりやると健康保険が効かなくなるんです。保険の点数が高いからおそらく普通の病院はやってくれないと思いますよ。三週間以上入院していたら、病院に対する厚生省の補助金が半分に減るんです。そこから先は何を処置しても病院には補助金が出ない。だから三週間以内はむちゃくちゃいいことをしてくれるんです。三週間過ぎたら早く出て行ってくださいというようなことを言われる。どれくらい入院してます?」
 
「一ヶ月です」
丹羽「ああ、そろそろ言われてるでしょ?」
 
「はい。通院に変えましょうと言われました」
丹羽「そうでしょう。これが今の保険治療の実態です。だから、腹水を抜いてもお医者さんはあとでタンパク質を補えないから困るんですよ。一ヶ月を過ぎた患者さんにはやってくれないんですよ」
 
「あの、抗がん剤の副作用だと思うのですが、ご飯が食べられないんです」
丹羽「それはあたりまえですよ。医者も70歳過ぎた患者によく抗がん剤治療をするわな」
 
「だけど主人は、丹羽先生の薬の副作用だと思っているんです。なので先生の薬をやめてみて、それでも食欲がなければ抗がん剤だと気づくと思うので、こちらの薬を少しやまてもいいですか?」
丹羽「それはいいですよ。抗がん剤の副作用なのは明らかですから」
 
「抗がん剤のおかげで少し腹水が引っ込んだといって主人は喜んでいるんですよ」
丹羽「腹水が10センチ、20センチ引っ込んでも、抗がん剤で撃ち殺されてはどうしょうもないよ。がんに効いたら、人間にも効いて、正常な細胞を殺しているんだから。人間もやられているんだから」
 
   がん細胞の縮小効果と
   延命効果は違うんだ
 
「お医者さんから、腹水が少し引いて、今やっている抗がん剤が効いているので、通院でいけると言われまして、通院というのが本人にものすごく魅力的なようで」
丹羽「ほら、そうやって退院させる。いいですか、お父ちゃん、このままでは必ず死にますよ。70過ぎて抗がん剤のタキソールを打って、生きられるわけがない。抗がん剤で一時的にがんが小さくなっているだけなんですよ。同時に正常な細胞も死んでいっている。そのうち副作用がきつくなって抗がん剤をやめる。するとがんが大きくなる。また抗がん剤を打つ。それを繰り返しているうちに身体が弱って死ぬんです。縮小効果と延命効果は違うんですよ。医者は小さくなった小さくなったと言って喜ばすんでしょ?(母:うなずく)小さくなるのと生きるのとは別なんです。欧米の学者はみんなそのことを分かっている。日本の医者のほとんどは、がん細胞の腫瘍マーカーだけしか見ていない。患者の身体のことなんか見ていないんですよ」
「父は、これくらいの副作用なら我慢できるというんです」
丹羽「たまにそういう鈍い患者さんもいます。ところが、自分では自覚症状はなくてどうもないけれど、ある日、突然、血小板という出血を止める細胞がやられて腸管出血で2、3日でコロッと死にますよ。あと、風邪。誰でも引きますが、抗がん剤を打っている人は、ばい菌を殺す細胞がやられていて、ただの風邪でも肺炎になって、これも引いたと思ったら2、3日で死にますよ。自分は自覚症状がなくても、細胞がやられているからだめです。がんと人間の力関係は誰も変えられない。がんと人間を比べたら、がんのほうが強いんだ」
「先生のところではがんを治療するのではなく、延命をしてくださるということでしょうか」
丹羽「ばかをいっちゃいけない。治る人、いますよ。治すためにみんな必死ですよ。白血病などはじゃかじゃか治っていますよ。骨髄移植ができなくても治っていますよ」
「本人には丹羽先生のところに行くように話しますが、土佐清水まで行くのに、点滴をはずせないと思うんですが」
丹羽「点滴は一日や半日しなくても大丈夫。助けるのなら体力のある今のうちですよ。体力なくなってから来ても助からないよ。血小板がやられて出血してからでは助からないよ」
「抗がん剤はやめたほうがいいんですか?可能性はゼロなんですか?」
丹羽「断言する。必ず撃ち殺される。あんたくらい若くても(30代半ばくらい)末期がんの場合はダメ。なのに70代のじいさんに抗がん剤だなんて、医者の非常識もいいところだ」
「医者は普通の半分しか打っていないというんですが」
丹羽「副作用が出るとしんどいから少ない量でいきますよと言う。そうすると人間にはこたえないよね。でも、がんにもこたえない。抗がん剤の成分は毒ガスなんですから」
「でも、医者は、すい臓をターゲットにするのならタキソールがいちばんだとおっしゃったんです」
丹羽「欧米でそんなことを言ったら笑われてしまう」
「すい臓はやはりだめですか?」
丹羽「すい臓は速い。平均半年でダメだね。せいぜい生きて10ヶ月から1年。すい臓に効く薬は西洋医学では皆無」
「丹羽先生のところでもダメですか?」
丹羽「5年以上生きている人もいるし、それこそ3年はたくさんいますよ」
「3年生きてくれたら嬉しいです」
丹羽「でも、他のがんに比べたら足が速いと認識しておいてください」
「ありがとうございました。なんとかそのことを理解してもらいます」
 
   丹羽先生のところにはこのような問題を抱えた患者さんがたくさん訪れます。患者本人は丹羽療法を希望しているのに、周囲の猛反対にあうという、今回の逆のケースも多いと言います。先生は、そのような間違った知識が歯がゆくて仕方がないと言います。
「がんが小さくなったからと言って延命にはならないんだ。そのことを医者は患者さんにきちんと言わない。これは犯罪みたいなもんだ。医療費というのは、年々かさんでいて、今の政府の予算の6割にも上っている。これから老人が増えるから益々予算を食う。その医療費の中の8割が抗がん剤に費やされている。こんな無駄遣いはない。抗がん剤をやめたら政府の予算、いっぺんで黒字になりますよ」
   しかし、治療法の選択の無理強いはできません。本当にこればかりはご縁としかいえないのが現状です。

 


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