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 レポート 027


民間療法 どう見極める!?
−それひとつだけ、というのは危険!科学的根拠のないものは要注意−
 
   民間療法には、様々なものがあります。それこそおばあちゃんの知恵袋のようなものから、アロマ、フラワーレメディ、気功、太極拳、ヨガ、漢方医、さらには霊感療法まで、ありとあらゆる「身体にいい」「病気が治る」を謳うものがあふれています。
   民間療法とは様々な受け取り方のある言葉ですが、俗に、医師、その他の国家資格取得者(柔道整復師、鍼灸師、按摩指圧マッサージ師)以外の民間資格取得者が行う療法のことを指します。(法律上は民間療法の事を総じて療術と言います)
   丹羽先生は以前から、それら民間療法、そして、西洋医学ではカバーしきれない分野をカバーする代替医療に関して、ひとつの警鐘を唱えています。今回はその警鐘を具体的にくわしくうかがってきました。
 
   今の医師の診療に疑問を感じていたり、自己流でいろんな健康補助食品を試している人、他人からいいよと勧めたれたり、ブームになると乗りやすい人。あまりにも多くのものが市場に出回っていて、選択できない人。皆さんどこかに当てはまっていますよね。今回のテーマはすべての人にためになるお話です。
 
   口コミや噂ではなく
   臨床結果のなるものを
 
―――民間慮法について、先生はどのようなお考えをされているのか、また、私たちが利用する場合、どのようなことに気をつけたらいいのか伺いたいのですが?
「民間療法というのは、まあ、ほんとうにたくさんある。なかには少しは効くものもあるけど、まったく意味のないものもたくさんある。そんななかで気をつけたいことは、ひとつだけしか、それしかやらないというのは注意しないといけない。確かに効くものもある。しかしそれらは、病気が治るために100点の数字が必要だとしたら、一個が10点分効くだけなんだ。ぼくの薬でも、あるがん患者が治ったとする。そのためには、尿療法をやり、元気になる強肝剤やビタミン剤が入った点滴をやり、遠赤外線のマグニー石の風呂に入って血液の循環を良くし、細胞の活性化を高め、SODで活性酸素を落とし、リンパ球療法、気功もやる。あと、呼吸法、太極拳もいい。それぞれは10点だが、10個やれば100点になる。そうやってやっと治るものなんだ。僕のところは日本だけでなく世界中からいいというものを集めてきて治療に使っているんです」
 
―――民間療法で、それだけでがんが治ったというような噂、口コミはよく耳にします。また、そういった本もたくさん出回っていますよね。でも、ひとつだけではダメだと?
「そう。民間療法のいかんところは、例えば気功だけでがんを治してやる、リンパ球だけでがんを治してやると言われて、うちからも流れて行く人がいる。それで治ったという人の話を鵜呑みにしてしまう。ワラをもすがる想いは分かるが、安直すぎる。こんなにたくさんの人ががんで亡くなって行く時代に、たったひとつの治療法だけでがんは治るものじゃない。もしも治ったというのなら、それはたまたま軽いもので、なんにもしなくても治っていた程度のものなんです。僕らは、とにかく最高のものを、それも、口コミや噂でいいと言われているものではなく、ちゃんとそれぞれ検査された、臨床結果の出ているものを集めて使っているんです。いろんなものを統合して初めて結果が出るものです」
 
―――統合医療ですね?
「うちでは最近、悪性リンパ腫も10人中 8人は僕の薬で治っている。残りの 2人も、ひとりは僕の薬に加えてステロイドを投薬し、あとひとりは、一番軽い抗がん剤で、ペプシドというのを投与する。これは髪の毛も抜けないし、ご飯も食べられる。これが統合医療なんですよ。西洋医学のいいところをちょっとだけ持ってくる。ところが、漢方医などによっては肺炎を起こしている患者さんに、抗生剤は副作用があるから使うなといって、死なせてしまう。民間療法にはそんなのもいっぱいあるんだ。肺炎を起こして抗生剤を使わなかったら原始人に戻ってしまうよ(笑)。ペストや天然痘が地球上からなくなったのも化学薬品のおかげなんだ。バッタの大群が発生するたびに流浪の民を繰り返し、飢え死にしなくてもよくなったのも殺虫剤のおかげなんですよ。ひとたびバッタの大群が発生したら、ペストが発生したら、やっぱり化学薬品は使わなければいけない」
 
―――両方をうまく使うことが大事なことなんですね?
「統合医療とはそういうことです。今の日本の間違っているところはそこじゃないかな。情報量が多すぎて、あれがいいというとみんながこぞってそっちヘダーッと流れて行ってしまう。効かないとなると次、次と走る。ひとつのことだけに走り、しかも 30万円、40万円という高額なものを買い続ける。水もいいんですよ。悪い水を飲むよりはいい。しかし、それだけでは、ある程度の健康は維持できても病気yは、がんは治らない。あくまでも One of them (ワン・オブ・ゼムー多数の中の一つ)ですよ」
 
   がんはたった一つの治療法で
   治るほど甘いものじゃない
 
―――でも、いいもの、そうでないものの見極めが私たちには難しいですね?
「さっきも言ったが、科学的根拠のあるものを使わないといけない。口コミだけではなく、なぜどうしていいのかが明確になっているものを使うことだ。僕も昔はマグニー石は使わなかった。それは、どうしてこの石がいいのか確かめられなかった。そこで実験をしてみたんだ。細胞を入れた試験管の周りに石を置いて、細胞がどうなるか見てみた。そしたら細胞が動き出したんだ。そういう実験を繰り返して、本当に石が細胞に働きかけていることを確認できたから使い始めたんだ。だから、ある程度、科学的根拠があることを確かめないといけない。馬の骨か牛の骨か分からないようねものを持って来てもダメなんですよ。いつも『なんでこうなるんだろう、なんで?』という疑問を持つようにしないといけない。よくわからないけどいいらしい。ということだけで使っているようでは代替療法も進歩しない。代替療法をやっている医師ももっと勉強しないといけない。僕らなんか、どんなものもすべて実験経過を見る。金沢大学でがん細胞を培養して研究していた教授がいて、定年退職したのでうちの研究所に来てもらったんだ。今も、僕が作ったあるがんの新薬を実験している。正常な細胞とがん細胞を入れたところに新薬をいくつか入れてみるわけだ。がん細胞の発育をなるべく抑えて、正常ね細胞の発育を抑えないようなやつを選り分けているんだ」 
 
―――そんなことできるんですか?すごい。
「僕はそういうことを繰り返しているんだ。例えば薬がA、B、C、D、Eとあるとすると、それらのなかでAとB、AとC、AとD、AとE、BとC、BとD、BとEというようにいろんな組み合わせでやってみたらどうなるかを見ている。そのなかでどれだけがん細胞を抑えて、正常な細胞を抑えないかを見ている。今回の出発の直前まで研究室で見ていたら、A・Eの組み合わせがいいことが分かったんで、さっそく処方してみるように指示して出て来たんだ。そうやって日々、僕の生薬を使った新薬は開発され続けているんです。これには相当のお金と時間がかかる。それがあるから私の薬は効くわけだ。たゆまぬ基礎研究の結果なんだな」

 
―――A・Eが試験管の中で効いたからといって、患者さんにも個人差があるからこれは途方もない研究ですね。ある種、マイ生薬ができてしまうんですね?

「そうなんだな。こっちに効いてもあっちに効くとは限らない。もう、永遠に研究につぐ研究なんですよ。それをやらないと代替医療の信頼は獲得できませんよ」
 
―――とにかく消費者もよく調べないといけないということですね?
「本当に。医者の中にもいいかげんなのがいるんだから。食事療法で有名になった医者がいる。数年前に大会のようなものを派手にやって、がんが治ったという人を壇上に上げて体験談を話させていたが、あそこの患者さんもよくうちに流れてくる。壇上に上がった人のカルテを見たら、誤診か放っておいても治る人ばかりだった。だいたいが、がんといのは、どんな食事療法だけで、たったひとつのことだけで治るほど甘いものじゃないんだ。みんなそんなことにひっかかる。これでは西洋医学に人たちにバカにされても仕方ない」

 


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