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 レポート 017


ルイボスの万能力
もういちど見直したい
 
   十年ほど前、健康ブームのハシリとして「ルイボスティー」がずいぶんもてはやされたことがありました。これさえ飲めば、がんも治る∞アトピーも治る≠ネどの言葉が踊り、ルイボスティー飲料がペットボトルで販売され、コンビニの棚に並んだときもありました。
   ところが、ブームになると必ずと言っていいくらい出てくる便乗商法が乱立。ルイボスティーの成分がまったく入っていない粗悪品や、誇大広告が氾濫し、規制がかかったことがありました。
   そんなことがあり、せっかくすばらしい効能を持つ、抗酸化効果の高いルイボスは陰を潜めてしまっていました。もちろん、健康食品を扱うお店では今もルイボスティーは人気の商品。丹羽先生の治療にも欠かせないものとして使用されています。
 
   ここでそのルイボスティーについて改めて見直し、ご紹介したいと思います。
   ルイボスティーの原料は、南アフリカ共和国の最南端にある高原にだけ生育する植物で、学名アスパラサス・リネアリスと言います。豆科の植物で、厳密にはお茶ではないのですが、古くから南アフリカの原住民の間で「不老長寿の飲みもの」「さまざまな病気に効くお茶」として伝えられ、飲みつがれてきました。またヨーロッパでも健康と美しさを保つ妙薬として普及し、広く浸透しています。
   ルイボスティーの人気が高まるにつれ、南アフリカ政府はなんとか増産しようと他の地域での栽培を何度も試みましたが全て失敗に終わりました。結局、ケープタウンの北360キロにある、セダルバーグ山脈の傾斜面だけで政府の厳重な品質管理のもと栽培されています。この地域は雄大な高原地帯で、見渡す限りの緑が地平線まで延々と続き、ルイボスはさんさんと降り注ぐ太陽の恵みを受けて育ちます。
 

 
   ルイボスティーの効能等に関しては、花粉症や鼻水、アレルギーに効くとか、アトピーのかゆみが軽減されたとか、肌のシミが消えたとか、便秘にいいとか、がんを抑制する効果があるとか、とにかく枚挙にいとがまがないくらいの話を聞きます。実際、医学博士や様々な専門家も高く評価しています。
 
   熊本大学医学部長の前田先生は、自らの研究結果を発表しています。
「ルイボスティーの抗酸化作用(老化を促進させる過酸化脂質を抑制する働き)と細胞に与える影響を調べるために実験を行いました。試験管の中で人のBリンパ球(血液の細胞成分である白血球の一種)にEBウイルスという細菌より小さい微生物を感染させ培養すると、イニシエーションと呼ばれる発がんの第一段階を作ることができます。これをがん化させるために活性酸素の一種である脂質ラジカルを加えます。
   試験管の中でこのようにがん化のお膳立てをするのですが、ここにルイボスティーの煎じ液を加えると、細胞はがん化されないばかりか、死滅することもないのです。抗がん剤を使用すると、細胞までも死滅させてしまうのですが、その兆候がなかったのです。ルイボスティーが活性酸素を中和してがんを防ぎ、細胞にも優しいことが証明されたのです。
   活性酸素は、がんの他にも動脈硬化や潰瘍、リウマチ、白内障、アレルギーなどさまざまな病気に影響を及ぼしていることは確かですから、抗酸化力が強く、細胞にも優しいルイボスティーを飲み続けていれば好ましい結果が現れてくると考えられます」
 
   京都薬科大学の桜井弘教授もその良さを力説しています。
「ルイボスティーの効能のひとつとして、コレステロール値を下げ、心筋梗塞を予防するというのがあります。心筋梗塞というのは、血管中に血栓という血行を妨げる血の塊ができておこるものです。その治療として、血栓を溶かして遮断されていた血液を再び流れるようにするわけですが、このとき、活性酸素が多量に発生することが判明したのです。活性酸素が発生すれば血管の破壊につながります。そのため、治療はただ血栓を溶かせばいいというのではなく、活性酸素を発生させない方法を考える必要が出て来たのです。
   その方法というのが、活性酸素を除去する物質であるSODという酵素なのですが、この酵素は年とともに減少します。それを補ってくれるのが、ルイボスティーなどの活性酸素を除去する効果のあるものです。お茶類には全般にコレステロールを体外に排除する物質が含まれています。しかしコーヒー、紅茶、緑茶には人体に害を及ぼすカフェインやタンニンも含まれています。カフェインは夜飲むと眠れなくなり、タンニンは体内の鉄、カルシウム、マグネシウムなどと結合するので摂りすぎるとミネラル不足になります。その点、ルイボスティーには陰インは含まれていないし、タンニンも極めて少量ですから、最良のお茶といえるでしょう。
   さらにルイボスティーには生体微量元素といわれる鉄、銅、亜鉛、マンガンなども多く含まれるので、貧血や肌荒れにも効果的ですね」
 
   もちろん、丹羽療法でもルイボスティーは欠かせないものです。
「もともと私の研究所にその作用や効能がほんとうにヨーロッパなどで言われているように様々な疾患に効く物なのかどうか調べてほしいという依頼があったんです。それで数ヶ月にわたって私の実験室で調べ、さらに適切な患者さんを選んでお茶代わりに飲んでもらったんです。そうしたところ、今までの薬剤や健康食品に見られない、非常に興味ある結果が出たんです。

   それは、活性酸素を強力に除去するということです。患者への効果は、医薬品や私の開発したSOD様作用食品と比較すると即効性がなく、徐々に効いてくるのですが、リポオキシゲネースを抑え、一方悪さ≠する活性酸素を除去することによって、痛み、腫れ、発熱などの一般の炎症反応だけでなく、喘息などのアレルギーの病気にも効果が期待出来るという結果が得られたのです」

 
   その含有成分等について、丹羽先生の研究の過程をお話頂きました。
「まずこのルイボスティーの含有成分を分析すると、低分子の活性酸素過酸化脂質除去物質であるフラボノイドが非常に多く含有されていることが分かりました。このフラボノイドの研究と実際の患者への使用は、西ドイツで盛んに行われ、その研究報告によると、フラボノイド効果のある患者として、アレルギー疾患、がん、糖尿病、炎症、頭痛、ウイルス感染、胃潰瘍、歯周囲炎などをあげています。そして、アスピリンなどの鎮痛解熱作用を始め、ステロイド剤のように広い作用を持った物質だと述べています。
   このように広い作用を持ったフラボノイドを大量に含んでいるルイボスティーについて次のような実験を行いました。
   まず活性酸素に対する作用ですが、活性酸素O2と・OH(ヒドロキシラジカル)を発生させた試験管の中に少しずつルイボスティーを入れていくと、試験管のO2と・OHは低下していきます。
   つまり、その作用は、一般に市販されている漢方薬よりもはるかに強く、私が自然の穀物や植物に特殊な操作を施して作ったSOD様作用食品に劣らない力を示しています。
   ただし、ルイボスティーは、熱を加えず生の葉の状態のものを使用しても強い活性酸素除去効果は見られませんでした。つまり、ルイボスティーを使用する場合は、煎じて飲むことが大切だと言えます。さらに多量に摂取しなければならない場合は、葉を粉砕した粉の状態で内服してもあまり効果が期待出来ませんから、よく煎じて精製されたものを飲むことが大事と言えます」
 
   治療などの場合はルイボスティーを煎じて濃縮精製(ルイボスTX)したものを使用するそうです。
「農薬や殺虫剤を始めとする環境汚染物質に囲まれた生活を余儀なくされている現代人は、活性酸素や過酸化脂質が体の中で増加し、成人病、がん、アレルギーを始めとする多くの病気にかかる危険にさらされています。だから常日頃からルイボスティーを飲むことを習慣にしていくことを勧めます。副作用もなく、作用範囲もSOD製剤の効く病気にプラスしてアレルギーも抑えるという非常に広い効力を持っているすばらしい食品であり、健康茶だといえますね」

   なるほど。ルイボスティーは万能茶だったということです。これからの花粉症の季節にも備えておきたいものです。
   また、ルイボスティーには飲むだけではない用途がたくさんあります。例えばお米を炊くときに水代わりに入れるといった料理に、そしてお風呂に入れてしっとり肌に、汚れ落しなどのお掃除に、使用済みの葉を植物の肥料に、と生活の中のありとあらゆるものに効果を発揮します。

 


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