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 レポート 013


ステロイド剤とは
アレルギー、アトピー性皮膚炎
 
   厚生労働省は「アレルギーとアトピー性皮膚炎治療のガイドライン」というのを発表しています。これは、アレルギーやアトピー性皮膚炎の患者が国内で数百万人に上り、その数は年々増加する一方なのに、治療法がまちまちで揺れているからだそうです。また、民間療法でのトラブルや化学薬品の使い方などをめぐっても混乱が目立っているからだとか。
   果たしてそのうようなガイドライン作りで患者さんの数が減るのでしょうか。また治るのでしょうか。そのあたりのお話から、化学薬品の弊害などを丹羽先生にうかがってみました。
 
―――アレルギーというのは?
「まず言っておかなきゃいけないのは、アトピーとアレルギーはいっしょではないということ。アレルギーというのは、花粉症であれば花粉によるアレルギー性鼻炎などになるわけで、起こす原因が決まっている。だいたい一番多いのが杉の花粉。この杉花粉が出る季節は 3月から 5月だから、その季節が過ぎればこれは治る。ところが粘膜が敏感な人は、環境汚染による汚染された空気で粘膜が荒らされてしまうと、これまで杉の花粉だけで反応していたものが、檜の花粉にまで反応してしまうことになる。そのようにアレルギーを起こす原因が、どんどん広がってきているの現状で、そうなると当然、季節に関係なく、365日鼻炎になってしまう」
 
―――対処の方法はあるのでしょうか?
「通り一遍のそこらの医者は、ずっと抗ヒスタミン剤を飲ませながらアレルゲンを取り除いた食事をさせる。これは大バカたれ。抗ヒスタミン剤などを飲ませ続けたら 3年後には出血性膀胱炎を起こすことになる。化学薬品でアレルギーを押さえようとするなんてとんでもない。抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤はいかん。かゆくて眠れないときに一時的に使うのはいいけど、常用はいかん」
 
―――食物アレルギーは、その食物を避ける以外には何かありますか?
「食物アレルギーも、避けて、避けて、食べるものがなくなるくらいになるのは間違ってる。極端なことを言ったら、アレルゲンなんか気にしなくいいんだ。要はラジカル類(注1参照)をとらないことが大事。そもそも環境汚染がひどくなればアレルギー体質も助長されるものだ。なぜかというと、田舎の縁がいっぱいあって空気のきれいな所で発生する杉の花粉を浴びても花粉症にはならないんだよ。問題は、その杉の花粉が都会の排気ガス、窒素化合物などと結合すると悪者に変化することなんだ。あと、酸化し油分の摂取。いつも言っているように健康的な生活と食事をしていればアレルギー体質は治る。薬で抑えようと言うのはだめ。まずは体質を改善することやね」
 

注1 ラジカル

フリーラジカルとも表現するこのことばは、人間の体の細胞のなかにある原子、分子のことをいいます。約100種類ある原子の大部分はシングル電子をもち、その電子が腕だとすると、水素は1個、酸素は2個の腕があるのです。酸素の両手に水素が1個ずつ繋がるとH2O、水になります。しかし、この水の分子から水素を一つ、無理やり離すと、片方の手が開きます。これがフリーラジカルといい、こいつはどうしてもペアを作りたくて他の分子から強引に電子を奪います。その代表が活性酸素です。ターゲットになりやすいのが多価不飽和脂肪酸。フリーラジカルに攻撃された脂肪酸は過酸化脂質と呼べれる有害な脂質に変化し、コレステロールやタンパク質も酸化の巻き添えにしてしまいます。


 

―――厚生労働省はそんなアレルギーとアトピーにガイドランを作って治療法などを一括化しようとしていますが?
「いくらアレルギーテストをしてあなたのアレルギー度は3ですよ、花粉症反応数値は2ですよとかいったって、そういうことではない。要は治療法であって、それも化学薬品の種類を提示して、重度にはこれを使い、軽度にはこれ、というだけだろ。がんなら抗がん剤と放射線だし、アトピーならステロイド剤。馬鹿の一つ覚えから脱却できていない」
 

―――そのステロイド剤ですが、厚生労働省の発表した資料によると、まさにステロイドのオンパレードなのですが、どのような副作用があらわれるのでしょうか?
「じゃ、最後にステロイドについてきちんと説明しておこう。まず、ステロイドは病気を治すものではないということ。ではなにかというと、症状を抑えるもの。そのかわり、抑える力は抜群なんだ。痛み、腫れ、熱、かゆみ、ブツブツ、とにかくなんでもドンピシャリと抑えてくれるんや。しかし、病気を治しているわけではない。たとえば山に行ってハゼの木にかぶれて腫れて目が開かなくなった時、これはステロイドを注射すると数分で腫れが引きます。そのあとハゼの木に行かなければ、同じようなことは二度と起こらない。こういうときのステロイドは非常にありがたい薬です。薬害反対の先生方や、漢方だけに凝り固まっている方々はステロイドを非難されるが、このような場合にはステロイドというのは西洋医学が得た化学の恩恵だと思う。ところが何十年も続く治らない病気、膠原病や最近のアトピー性皮膚炎、喘息などだ。これにステロイドを使うと、抑える力は抜群だから一時、症状がおさまってラクになる。だが、これらの病気はステロイドを減量したり、中止して治るものではないから、薬をやめていれば必ず再発する。一時的に抑えただけなんだから。で、再発したらまたステロイドで抑える。そうやって使用を繰り返すわけだ。ステロイドというのは、短期間使用する分には大きな問題はないけれど、長期間連続して使用すると副作用が強く出てくる」
 
―――長期に使用するとどのような副作用が出てくるのでしょうか?
「まず、糖尿病、白内障、緑内障が出てくる。さらに胃潰瘍で血を吐き、5年、10年、15年と使っていると、骨や筋肉がボロボロになってくる。ハゼにかぶれたというような完治するものなら使ってもいいけど、膠原病、アトピー性皮膚炎、喘息などに使うとやめられなくなって、そのうち副作用で体がボロボロになってしまう。ステロイドの弊害はもうひとつある。それは、治療を中止すると悪くなり、続けていると副作用が出る、ということ。このことを僕は前門の虎、後門の狼、といっている。つまり、副作用が恐いからといって急にやめると症状が逆に悪化するのと同時に、麻薬同様、あるいは麻薬よりも強い禁断症状が出るんだ。この禁断症状は、食欲不振、吐き気、嘔吐、頭痛、脱力感、さらには呼吸困難などがある。このようにステロイドは切れ味はいいが、非常に恐ろしい薬」

 


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