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日本人は糖尿病になりやすい体質 |
レポート 012 |
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糖尿病は万病の元 | |||||||||
知っておかなければいけない事実 日本人は糖尿病になりやすい体質 | |||||||||
先日、朝日新聞の一面に「糖尿病は万病の元」という記事が大きく取り上げられていました。 記事によると、糖尿病やその予備軍の人は、そうでない人よりアルツハイマー病になる危険性が、4〜6倍高いことが九州大学の研究でわかったのです。またガンや心臓病も発症しやすいとか。これまで言われてきた失明などの合併症を併発するのに加え、様々な病気の温床になることが浮かび上がったのです。 発表した教授は「糖尿病対策がアルツハイマー病予防につながる可能性がある。国内ではここ数十年で耐糖能に異常がある人が女性で 2割、男性で 3割増えており、対策を急ぐ必要がある」と警鐘を鳴らしています。 そこで丹羽先生に糖尿病についての予防法などを中心にうかがってみました。そして朝日新聞の記事のことを伝えると、即座に「合併症?そんなもん当たり前や!!万病の元、いまさらそんなこと言うまでもない」と、一喝されてしまいました。ごもっともです。先生はいつも、生活習慣病に気をつけろ、そうでないと糖尿病以上に怖いことになるとおっしゃっています。 そんな先生のインタビューの前に、糖尿病とはいったいどのような病気なのか、詳しく知っておきたいと思います。 万病の元、糖尿病とは? 糖尿病というのは、体を動かすエネルギーとなるブドウ糖の量を表す血糖値の数値が高くなって起こる病気のこと。糖尿病になるとブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなって、血液中にあふれてしまいます。本来ならそのあふれたブドウ糖をインスリンというホルモンがコントロールしてくれるのですが、何らかの理由でインスリンがなくなって作用しなくなります。そうなると、筋肉や内臓にエネルギーが運ばれなくなり、全身のエネルギーが足りなくなってしまうわけです。糖尿病になると全身がだるく疲れやすいのはそのため。 そして困ったことにこの糖尿病は、様々な慢性の合併症を引き起こすというやっかいな病気なのです。糖尿病神経障害(※1参照)、糖尿病網膜症(※2参照)、糖尿病腎症(※3参照)を糖尿病の三大合併症と呼び、特有の合併症で、血糖をコントロールしないでいると、糖尿病発症時から10年〜15年でこれらの合併症が出てきます。 厚生労働省が約10年前に糖尿病の実態調査をしたところ、現在、日本では糖尿病であろうと疑われている人が690満人おり、糖尿病予備軍が1370万人もいるとされています。しかし、糖尿病と診断されて治療を受けている人は690万人中の半数以下、300万人で、残りは放置されているのが実態です。 欧米の医学雑誌で発表された21世紀の糖尿病の動向によると、1995年の世界の糖尿病患者数は1億 2千万人でしたが、2010年には2億 2千万人になると予想しています。その中で日本人は900万人近くになるとされています。アジアの増加は著しく、2020年には全世界の糖尿病患者の6割をアジア人が占めると言われています。これは、アジア人が糖尿病になりやすい体質だということを表しているのです。
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糖尿病は文明人病 |
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、祭りだ、結婚式だ、お彼岸、盆、正月だといってはしょっちゅう、まんじゅうを作る、寿司を作る、餅を食べる・だけど糖尿病の患者はいない。最近、農業にトラクターを使うようになって、体を動かすことが減ってからは、ちょっとは糖尿病患者が出てきたな」
―――とういことは農業をしている人は糖尿病になりにくいということですか? 「農業やっている人たちは、汗を流してものすごい労働をするでしょ。どんなに糖を摂取しても消費するんです。ところが文明人は糖を摂取しても消費しないからいけないんです。糖尿病は文明人病だな」 ―――でも、都会の人は通勤で駅まで15分歩いたりしているから、田舎で車通勤の人より運動していると言われていますが? 「ばか言っちゃいかん。そんな革靴を履いて、たかが15分で運動といっちゃいかん。ハイヒール履いてスカートで歩いて運動とは言わない。ちゃんとスニーカーを履いて、しっかり運動感覚で歩かなければ意味がない。それも最低でも2、3キロ、30分、40分歩いて、汗をかくくないでないとダメ。ジョギングをしているとよくわかるけど、だいたい500メートルから600メートルでしんどくなる。どうしてかと言うと、体の酸素消費が激しくなるのに、始めはまだ十分に酸素の補給ができない、だからその間がしんどいんだ。これをオキシ・ゲンデットという。だけど、逆に1キロくらい走ると酸素の補給が出来てくるからラクになってくるんだ」 ―――ランナーズハイということですね? 「そうそう。だから、このオキシ・ゲンデットの手前でやめたら意味がなくなるんですよ」 ―――では通勤も一駅余計に歩くくらいでないといけないんですね? 「そのとおり。そして続けること。継続は力なり。努力できること、継続ができること、これは才能やな」 インスリン分泌量が欧米人の半分 「ひとつの専門的な話をすると、糖尿病というのは血中の糖の濃度が高くなって起こる病気なんです。でも、糖なんてものは誰の体にもいっぱいある。なのにどうしてその濃度が高いとダメか。昔はこのことを大学病院の教授も答えられなかった。それを僕は20年前に見つけたんだ。あのね、ブドウ糖というのは六角形の亀の子のような構造式をしている。これを縦に書くと、その構造式はアルデヒドになるんだ。アルデヒドと言ったら何か、それは過酸化脂質が代謝過程で有する物質なんだな。つまり、活性酸素と同じ働きをする。こいつが悪さをしているわけだ。いろんな組織障害の元凶は、たいていアルデヒド」 ―――糖が増えればアルデヒドも増えるということですか? 「運動して消費していれば増えない。運動すると糖は分解されてアルコールになり、さらに水と炭酸ガスになる。その分解過程でエネルギーが出る。それが運動しなければずっと溜まっていくから、どんどん活性酸素の作用が出て、組織を痛める」 ―――それが万病の元に? 「そうそう」 ―――インスリンの不足というのは? 「インスリンというのは、すい臓で作り出され、ブドウ糖をエネルギーに変えたり、貯蔵したりするホルモン。血糖値コントロールやエネルギー確保をするうえで、必要なものなんだけど、もともと日本人はこのインスリンの分泌量が欧米人に比べると半分くらいしかないんだな。なんでかというと、もう、体質が違うから。先祖代々の食生活がまったく違う。欧米人は肉食動物だからもともと胃袋が強い上に、先祖代々の体質としてインスリンがたくさん出るようになっている。日本人はもともと小食で、農耕民族なわけだ。だからそんなにインスリンを必要としなかったんだな」 ―――なるほど。それが欧米並みの食生活になれば当然、体に負担となって出てくるんですね? 「逆に、アメリカ人が日本に来ていちばん困るのは何か分かるか?」 ―――食生活ですか?肉が高いとか? 「そういうこと。アメリカのスーパーに行くと分かるけど、肉類がとんでもない固まりでドーンと積み上げてある。しかもものすごく安い。だから、日本に来ていちばん困るのは、肉類が高くて量が少ないこと。彼らはものすごくたくさん食べるから、おのずとむこうで売っている商品は日本の半値くらいになる。日本人は少ししか食べないから値段が割高になるということ。アメリカ人は80歳くらいになっても分厚いステーキを食べ、バターをたっぷり塗ったパンやフライドポテトも平気で平らげるし、甘いものもバクバク食べる。日本人の80歳がそんなものを食べたら翌日に腹をこわす。そもそも脂っこすぎて口に入れただけで戻すね」 ―――確かに、そうですね。先生はお肉は絶対に食べないんですか? 「夏は食べないけど、冬は少し食べる。そのことで欧米人とアジア人が違うことがもうひとつあった」 ―――それはどのような? 「僕は普段めったに肉乳製品は食べないけど、アメリカやフランスに行くと肉を食べたくなるんだ。フランスというのは気温が低くて空気が乾燥しているから、体が消耗するんだな。滞在が10日位を過ぎるとジャパニーズレストランをやめてフレンチレストランに行き始める。日本食ばかりでは体が持たなくなるんだ。僕は、日本では梅干しを毎日のように食べているので、フランスの研究室に行くときは必ず 1ヶ月分持っていくんだけそ、パリのドゴール空港に着いたとたんに食べたくなくなる。逆に成田に帰る飛行機の中で、よっしゃ、きょうも成田に着いたらホテルで洋食を食べるぞー、と思っているのに、空港に着いたとたんに梅干しが食べたくなるのや(笑)」 ―――そんなにもはっきり違うものなんですか。やはり気候風土に合ったものって大事なんですね? 「そういうこと。日本人にそもそも肉はほとんど必要ないんだな。北アメリカ、フランスは気温が低くて乾燥しているから体力を消耗するんだ。だから祖先代々、血のしたたる肉を食べて体力の消耗を防ぐのが生活の知恵。日本や東南アジアは高温多湿で体力がいらないから肉乳製品はいらない。先祖代々、魚介類、卵、野菜中心の日本食がいいんだ」 |
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