丹羽SOD様作用食品および類似製剤とその効果
根岸雅夫・昭和大学医学部講師:医学ジャーナル(88‐08)から

 
  生体内で産生されるフリーラジカルは、活性酸素とも呼ばれ、生体防御領域の1つとして働くが、細胞外にもれた場合、生体の組織と反応してこれを損傷する有害な作用を示すことになるとして、その損傷の慢性的蓄積が老化であるとあうる説が堤唱され、多くの老化に関する現象が説明されている。
  本稿では、AOA(anti‐oxidants analogs)について、その類似品について解説した。
 
※編者コメント:原文では、丹羽SOD様作用食品の製造方法や作用機序などが詳細に記述されていますが、ここでは丹羽SOD様作用食品および類似製剤との比較を主に掲載し、その他の事項は省略しました。尚、原文では、丹羽SOD様作用食品をAOAと表現していますが、ここでは丹羽SOD様作用食品としました。
 


  SOD様作用食品

  従来から、胚芽、糠、ゴマ、ハトムギ等は、健康食品として、よく知られ利用されてきた。また、これらを何種類か混合した食品や、これらを煎じて飲む飲料も枚挙にいとまがない。しかし、これらの内で焙煎と麹の作用を複合さっせて、有効性を高めたものとしては、「AOA」、「AOS」、「SOS」等の名称で製品化されているものが代表的なものであり、著者はその有効性について、第31回日本リウマチ学会総会に報告した。
 
※編者コメント:学会発表の概略は、本サイトの「丹羽SOD様作用食品の過酸化脂質を除去する効果」で述べておりますが、供試剤の内で「丹羽SOD様作用食品」が最も臨床効果が認められたとの内容です。
 

  ステロイドホルモンに無効の症例にも高い有効率

  著者が試験に供したのは「丹羽SOD様作用食品」で、これを、膠原病外来で、既存の治療と併用したところ、友好率は31.3%であり、ステロイドホルモンに無効であった症状にたいしても有効性が高まった。また、「丹羽SOD様作用食品」の継続投与により、投与1〜2ヵ月後には、過酸化脂質の低下が認められた。
 

  丹羽SOD様作用食品と類似製剤

 類似の原料・製法なのに過酸化脂質および活性酸素の産生抑制効果に顕著な差が!
  「丹羽SOD様作用食品」に類似の製剤は、「丹羽SOD様作用食品」に比べて効果が小さいといわれている。類似した原料・製法によるものであれば効果も大差ないと考えられるのが常識であるので、丹羽博士らはこの点に疑問と興味を抱き、そのSOD様作用と臨床効果を調べてみたところ、驚くべき結果を得たので以下に引用する。以下、「丹羽SOD様作用食品」を『A剤』、類似品を『B剤』と呼ぶことにする。
  A剤とB剤は、過酸化脂質および各種superoxide(活性酸素など)の産生抑制効果に顕著な差があることが判明したので、臨床試験を行った(下記表)。臨床試験においてもその差は歴然として有効差を示した。


疾    患
A剤(丹羽SOD様作用食品) B剤(類似製剤)
症例
有効 やや
有効
無効 判定
保留
有効率
(%)
症例
有効 やや
有効
無効 判定
保留
有効率
(%)
Behcet 腸管型  13   4   1   7   1 42  14   2   1  10   1 23
その他  22   5   1  13  34 32  28   1   1  24   2 8
慢性関節
リウマチ
軽  症  44  18  13  11   2 74  48   5   1  40   2 13
重  症  16   3   1  12   0 25  20   1   1  18   0 10
クローン病   6   3   1   2   0 67   9   1   1   7   0 22
レイノー症状  12   8   1   3   0 75  15   3   0  11   1 21
肝 炎1)  13   4   1   8   0 38  20   1   1  18   0 10
糖尿病  14   4   1   9   0 36  22   1   2  19   0 14
膠原病2)   9   4   1   3   1 63  11   1   1   8   1 20
凍  瘡  15   4   2   7   2 46  12   1   1  10   0 17
日光性皮膚炎  11   4   1   5   1 50  14   1   1  12   0 14
火 傷3)   8   3   1   3   1 57   8   1   0   7   0 13
ケロイド防止4)   6   1   3   2

 0

67   5   0   0   5   0 0
顔面色素沈着5)  30   6   7  14   3 48  25   2   1  20   2 13
尋常性疣贅  11   6   2   3   0 73   9   0   0   9   0 0
精力減退  21   7   1  12   1 40  33   3  1  28   1 13
宿酔(二日酔い)  25  13   3   7   2 70  31   6   1  22   2 24

1)chronic active。GOT・GPTの変動を判定基準にしている
2)進行性全身性強鞏性(PSS)、多発性筋炎
3)V〜W度
4)ケロイド体質(病巣部の活性酸素上昇に対し、個体のSOD上昇適応能の欠如が原因と思われる)
   の外傷患者に、坑活性酸素剤を使用し、ケロイドの発生を防止できたものを有効と判定している。
5)顔面色素異常沈着症(肝斑、雀卵斑)

 
 ○効果の差は焙煎ゴマ油を添加の有無。丹羽SOD様作用食品は焙煎ゴマ油を添加
  このような効果の差は何に由来するのであろうか。丹羽博士らは、この点につき調べた結果、B剤は、A剤各々同一の原料組成、同様な焙煎、同様な麹化を経ているが、ただA剤と異なり、焙煎ゴマ油を添加せず、通常のゴマ油を用いて有効成分を抽出している。
  B剤の製法は、特公昭61‐29711に詳細に記載されており、この点が異なることを突き止めた。このことにより、A剤では、焙煎ゴマ油の有効成分が加わったこと、B剤で通常のゴマ油中には抽出されない有効成分が存在することを示すものと考える。また、焙煎したゴマ油の坑酸化性に関しては、並木、大沢等の報告を参照されたい。
 

  結語

  本稿では、SOD様食品について紹介し、その中でも有効性の高いAOAとその類似品の効果には極めて顕著な差があることを明らかにし、その理由について考察した。