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NO.119

 

一年の健康は「おせち料理」から

'09.11月号

 

 
日本人のお正月は「おせち料理」から始まると言われています。
おせち料理は江戸時代から、つまり200年以上前から日本の伝統的料理となっています。
 
おせち料理の「せち」とは一年の節目となる日である
『五節句(年始、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日』に
神前に食物を供え宴が開かれた際の料理のことを示します。
そして、おせち料理には一年に一家の健康と繁栄を願うという意味が込められているそうです。
黒豆、数の子、ごまめがその代表的なもので、
黒豆→まめに元気よく働き健康に暮らせるように
数の子→子孫繁栄
ごまめ→田作り(豊年豊作)
を意味しています。
また、
こぶ巻き→よろこぶ
かまぼこ・なます→おめでたい紅白にちなんだもの
綿たまご・栗きんとん→金や綿の意味、財産が貯まるように
海老→腰が曲がりヒゲが伸びるまで長生きできるように
レンコン→未来の見通しができるように
を意味しています。
もちろん、おせち料理には栄養バランスも優れています。
昔ながらに海の幸、山の幸が豊富であり、魚、卵、豆類などのタンパク質も豊富に含まれています。

 
 

【黒豆】
黒豆とは黒大豆のことで、大豆の約2倍のイソフラボンが含まれています。
イソフラボンには癌を予防する働きや、血圧やコレステロールを下げる働きがあるといわれています。
また、サポニンという成分が含まれていて、同じ働きをもたらします。
ビタミンBも多く含まれているので疲労回復にもよいでしょう。
 
【数の子】
ビタミンB12が豊富に含まれています。ニシンの卵なのでコレステロールが含まれています。
コレステロール値を気にしている方は控えめにしたほうがよいでしょう。
 
【ごまめ】
カルシウムが豊富に含まれています。また亜鉛なども含まれています。
 
【昆布】
カルシウム、カリウム、ヨードなどのミネラルが豊富に含まれています。
カリウムには利尿作用があり、体内の余分な塩分を体外に排泄し血圧を低下させる働きがあります。
また、ヨードは体内の代謝を活発にする働きがあります。
 
【かまぼこ】
良質なタンパク質が含まれています。ただし、塩分も多く含まれるため食べ過ぎには注意しましょう。
 
【なます】
にんじんのカロチンは、癌予防の働きがあると言われています。
大根には分解酵素のアミラーゼが含まれており、胸やけや胃もたれに効果的と言われています。
 
【栗きんとん】
サツマイモと栗からできているので食物繊維やビタミンCが豊富に含まれています。
また、ヤラピンという成分が便秘に働きかけます。
 
【海老】
低エネルギーであり、高タンパク、低脂肪なのでおつまみにもよいでしょう。
カルシウム、カリウム、ビタミンEも含まれています。
 
【レンコン】
食物繊維やビタミンCが豊富に含まれています。
ネバネバ成分であるムチンやタンニンが多く含まれています。
 

 
※おせち料理で注意したいこと
おせち料理は「保存」を目的としているので、濃い目の味付けにしています。
数の子やかまぼこなどの加工食品も使われているので、食塩が多く含まれています。
そのため、そうしても食塩の過剰摂取になってしまいます。
また、糖分やコレステロールが多く含まれる食品もあります。
塩分、糖分コレステロール値を気にしている方は、食べ過ぎには注意することと、
できれば素材や調理法に注意して手作りしてみてはいかがでしょうか。
お正月はアルコールもすすみやすい時期です。
そして「食べて、寝て」を繰り返してしまう方も少なくはありません。
食べ過ぎ、飲み過ぎには注意をして、一年の健康を「食」から始めてみてはいかがでしょうか。
 
 


 

栄養士    高橋 広海             

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