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NO.98

 

日本の食文化〜果物類〜

'08. 2月号

 

果物は鮮やかな色彩や、さわやかな香り、甘酸っぱい食感があり、食卓に潤いを与える食物です。
そして、人間の体にとって欠かすことのできないビタミンC、ビタミンA、糖質、カリウム、食物繊維や、
さまざまな酵素や有機酸を多く含んでいます。
日本でおなじみの果物も日本原産といえるものは梨や栗ぐらいで、
その他のほとんどは外国から伝えられたといわれています。
現在ではいろいろな果物が日本で栽培され、また世界各国から多様な果物類が輸入され、
日本産、外国産を含め年間数百種類のものが流通されているようです。
果物は生で食べる他、ジュース、ジャム、ドライフルーツなど多く利用されています。
 

 
果物はデザート
果物を食後のデザートとして食べる習慣は江戸時代からあったといわれ、
当時は魚や肉を食べた後の「熱」を冷ますためだったようです。
なぜ食後に果物を食べるとよいかというと、
果物独特のさわやかな香りと甘酸っぱさによって食後の口中がすっきりするということと、
果物によってはタンパク質分解酵素が含まれますので食事中に摂取したタンパク質の消化を促す役目があります。
 

 
果物の栄養
●ビタミンC
果物はビタミンCの供給源としてとても重要です。
ビタミンCの摂取量は近年大きな変化はありませんが、
摂取する食品群で見ますと以前はビタミンC摂取量の約50%は果物でしたが
最近では果物に代わり野菜類から摂取する割合が大きくなっているようです。
しかし、果物にはビタミンCが豊富に含まれていますので毎日必ず食べるとよいでしょう。
ビタミンCには風邪予防、健やかな肌を保つ働き、コラーゲン生成、鉄の吸収促進、
脂質代謝の関与などの役割があります。
疲労・喫煙・ストレスなどでビタミンCは多く消耗しますの、積極的に摂取していきたいものです。
 
●ビタミンA
果物にはビタミンAも多く含まれています。
ビタミンAには風邪予防、皮膚の形成保護、目を健全に保つ、ガン予防などの役割があります。
 
多く含まれる果物
ビタミンC グァバ・ユズ果皮・イチゴ・ネーブル・柿・キウイ・金柑・
パパイヤ・レモン・温州みかんなどの柑橘類・アボガドなど・・・。
ビタミンA マンゴー・あんず・スイカ・びわ・アボガド・ウメ・
温州みかん・柿・キウイ・イチゴ・イチジクなど・・・。

 

 
ペクチン
果物にはペクチンという成分が含まれています。
ペクチンとは植物の細胞膜を構成したり細胞を保護する炭水化物の一種です。
ペクチンはりんご、柑橘類の皮の部分、すもも、いちじく、バナナなどに含まれていて、主に整腸作用があります。
リンゴ果汁からペクチンを摂ると、腸に刺激を与えず働きを活発にすることができるので、
風邪気味や疲労のときなどに摂るとよいでしょう。
また、ペクチンにはコレステロール低下作用があるともいわれています。
ペクチンは繊維と結合していますが酸や糖で分解・加熱するとゲル化します。
ジャムやマーマレードはこの性質を利用して作られます。
  

 

 
果物と糖
果物の糖分は主に「果糖」「ブドウ糖」「ショ糖」があります。
この糖の種類によって甘味の強さが違うのです。
砂糖の主成分であるショ糖の甘みを1とすると、
ブドウ糖は0.75、果糖は1.70ですので果糖は甘みが強いということになります。
また、果糖にはアルファ果糖とベータ果糖があり、ベータ果糖のほうが甘みが強く、
温度が低いとベータ果糖が生成されやすくなるので果物を冷して食べると甘みを強く感じます。
 
 

※果物は1日200gを目安に食べましょう※

 

 
 
 

栄養士    高橋 広海             

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