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NO.54

 

からだを丈夫にする生活習慣 〜胃腸を丈夫にしよう〜

'04. 6月号

 

腹八分目、1日3度の食事
昔から食事は腹八分目がよいといわれていますが、
これは胃腸への負担を少なくして食べ物の消化・吸収をよくするためです。
食べ物が胃に入ると胃液が分泌され、
胃が活発に動くことによって胃液と食べ物が混ざり合わされて吸収しやすいものとなり、腸へ送られます。
つまり、食べ過ぎによってぱんぱんになり動けなくなった胃では消化・吸収がよくないということです。
これは胃腸病の原因になります。
また食事の時間によっても胃液の分泌に影響があります。
胃液には胃酸が含まれていますが空腹時に多く分泌され食事とともに少なくなっていくというように
一定のリズムで胃酸の分泌が起こり消化に役立っているのです。
胃・十二指腸潰瘍の人が空腹時に腹痛が起こるのは空腹時の胃酸分泌が高まっているためだそうです。
食事の時間はなるべく決められた時間に1日3度とることが望ましいのです。

 
 
胃腸を守る食事
<消化のよい食べ物>
胃腸への負担を少なくするためには「消化のよい食品」を摂ることが大切ですが
やわらかい食品=消化によい、というばかりではありません。
例えばお粥や白身魚の煮付けなどはやわらかく水っぽいのですがこれを噛まないで食べていたり
何日も続けていると胃の活動は鈍って小さくなってしまうとされています。
それならやわらかく炊いたごはんやパンをよく噛んで食べることが消化のためにはよいということです。
また固い食べ物でもよく噛んで食べることによって唾液の分泌を促し、
胃酸の分泌も高まり消化されやすくなるというわけです。
 
<食べ物の消化・吸収>
食べ物は歯によって噛み砕かれますが、十分かむことによって食べ物と唾液がよく混ざり合い胃に送られます。
胃に食べ物が入ると胃液が分泌され消化液と混ざってドロドロになります。
これが胃液によって消化され少しずつ小腸へと送り出され、小腸で食べ物の栄養素が吸収されます。

 
 
植物繊維
腸の動きを活発にし内容物を腸の中へ溜めこまないようにするのに必要不可欠なのが食物繊維です。
食物繊維とは、食べ物の中で消化されない成分のことです。
食物繊維は水分を吸収して便をやわらかくし便の量を増やします。これは便秘の予防になります。
便秘になると腸内の善玉菌が減り正常な働きをしなくなり、大腸がんの原因になります。
●植物繊維を多く含む食品・・・野菜、果物、豆類、海草、ご飯は七分づき米、パンは全粒粉やライ麦

 
 
味付けの工夫
甘いもの、辛いもの、すっぱいものは味が濃すぎないようにしましょう。これらは胃壁を刺激します。

 
 
温度
熱すぎる食べ物、冷たすぎる食べ物は胃腸を刺激し、下痢をしやすくします。

  
 
飲み物
コーヒー・紅茶・緑茶は、食後に飲むと胃液の分泌を高めて食べ物の消化を助ける働きをします。
しかし、空腹時に飲みすぎると胃液分泌が異常に高くなり胃の粘膜が荒れるとされています。
もし空腹時に飲むときは小量で薄くしたものを飲みましょう。
コーヒーや紅茶には牛乳を入れて飲むと、牛乳のタンパク質が胃酸を中和して粘膜を保護してくれます。

  

 

 

栄養士    高橋 広海             

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