顔のシミは活性酸素との戦いの跡
漆山 治・医学ジャーナリスト著:「老化・癌・成人病の原因!?活性酸素は、こうして防ぐ」(小学館)

 
シミ(老化色素)は心臓や脳の中にもできる

 
●遺伝子DNAの酸化で発癌や奇形の危険
  活性酸素は、様々なところを酸化してしまいます。蛋白質が酸化すると性質が変わったり、酸素が酸化すると失効してしまいます。
遺伝子のDNAが酸化されると、正確なコピーができずに、誤った情報を伝えてしまうことになります。その中でも、酸化されやすい不飽和脂肪酸もエネルギーをつくるミトコンドリアの膜の材料で、活性酸素が作用しやすいところですから、ネコにカツオブシといった関係でたいへん心配なわけです。
 
●不飽和脂肪酸の酸化で過酸化脂質が産生
  この不飽和脂肪酸が酸化されると、前にも述べた「過酸化脂質」という物質ができます。これも物質ができます。これもフリーラジカルの1つで、しかも
連鎖的に近所隣を酸化してしまうという困った性質があります。
  食品でも不飽和脂肪酸の多いものは、古くなると、この過酸化脂質ができやすくなり、これを食べるとお腹をこわすといった毒性があります。
 
●過酸化脂質がシミ・ソバカスの原因
  顔などにできるシミも、実はこの過酸化脂質のなれのはてなのです。過酸化脂質は連鎖的に被害者と加害者をつくりだしますから、被害を最小限に止めるようこれを取りおさえなければなりません。そこでメラニンという色素がでてきて、この過酸化脂質の加害者づくりを止めさせますそれがシミです。年をとると増加することから、老化色素とかリボフスチンなどといわれています。
 
●老化色素は心臓や脳の中にもできる!
  顔は日光の紫外線を浴びる、特に老化色素のできやすいところで、よく目につきますが、この老化色素は何も顔だけではありません。体中にできています。
心臓の筋肉の中にも、脳の細胞の中にも年をとるにしたがって増え続けます。

  老化色素(リボフスチン)は年齢が進むにつれて、体の至る所に蓄積してくるので、老化のシンボルと考えられています。右図より「加齢(横軸)とともにリボフスチン(縦軸:色素/心筋%)が組織に蓄積してくる(人の心臓の例)」ことがわかります。