「生まれてこのかた、信号を走って渡ったことは一度もなかったんです。駅の階段も、友人はみんな楽しそうにおしゃべりしながら上り下りしているのに、私はそんなことできなかった。上り下りに精一杯で、話すことなんかできなかったんです。それくらい虚弱体質でした」
とおっしゃるのは、愛知県にお住まいの坂下孝子さん。体育の授業も休みがち、少し歩いただけで疲れてしまう虚弱体質。どうして自分は人と違うのだろうと、小さい頃は思ったそうです。そんな体質と60年近くも付き合ってきたせいか、健康体がどんなものかすら知らない孝子さん。当然、これまでの人生のなかで様々な疾患が彼女を襲ってきました。「高校時代ずっと患っていたのが、疲れやすい体質に加えて脱腸とヘルニアでした。1日の大半を寝て暮らし、3年生になるとほとんど高校に行けなかったんです。かかりつけのお医者さんに結婚前には手術をしたほうがいいと言われていたので、大学受験の前に手術をしました。そのときに血液検査をしたら、私の血液は生まれつき人の3分の1の濃度だということがわかったんです。よく生きていたねと先生から感心されました」
血液が普通の人の3分の1の薄さでは、先生もおっしゃったように、何をするのでもつらいはずです。そしてそのときに孝子さんは2000tという大量の血液を輸血してもらいました。「術後も毎日のように200tの輸血をしてもらい、それはもう、これまで経験したことがないくらいにラクになったんです。健康な人がどんなものかというのを初めて知りました」
当時、薄い血液を補ってくれた輸血は、彼女の救世主だったに違いありません。嬉々とした大学生活が始まり、その前途は希望にあふれていました。ところが、1年後、輸血をしてもらっているのに急に体が重く、だるくて立っていられなくなりました。おまけに全身に黄疸も見られたのです。
C型肝炎=i※注1参照)これが病院で告げられた病名でした。
以後、孝子さんは貧弱なうえにC型肝炎という難病とも闘っていくことになったのです。
SODで普通の生活が、丹羽療法で肝炎も克服
昭和40年代に手術と大量の輸血。そのことがどのような事態をもたらしたのか、事の重大さは平成に入ってから初めて明かされました。「薬害肝炎」の事実が公表されたのです。そこには、1992年(平成4年)以前に輸血した人、1988年(昭和63年)以前に血液製剤(手術などで止血のために使用するもの)を投与された人にC型肝炎感染の可能性あり。さらに現在40歳以上の人で予防接種などの折に注射針の使い回しによる感染、発症の可能性ありと公表されたのです。
孝子さんが大学生だった昭和40年代には、そんなことは知る由もなく、最先端西洋医療は絶対だと信じていました。当時の日本は、高度経済成長の時代。誰もが馬車道のごとく働き、がんばっていたのです。
体に鉛が入ったような状態が日常だった孝子さん。結婚し、出産してもそれは変りませんでした。当時の肝炎の治療も大きな成果は見られず、それでもがんばるしかなかったのです。「C型肝炎の薬害が話題になったとき、まさか、と思いながら新聞に公表された病院名をたどっていったら、やはり、ありました。当時私が通っていた病院、手術をした病院の名前が。輸入の危険な血液製剤を使っていた、肝炎感染血液を輸血していたと」
8年前。そのことを踏まえたうえで、新たに診察をしてもらうと、孝子さんのC型肝炎は抗体が最大で、C型のなかでも最も治りにくいものだということが判明したのです。以来、3ヶ月に一度の検査と半年に一度のエコー検査を続けるなか、血小板の数値が落ちていたので、数年前にとうとうインターフェロン治療(※注2参照)を勧められたのです。
このインターフェロン治療の副作用に関して、以前丹羽先生にインタビューしたのをここにご紹介します。「インターフェロンというのは抗がん剤の一種だから、当然副作用があります。うつ病、糖尿病、リウマチなどが多くみられる。確かに、初期で慢性期間が短ければ効く場合があるから盛んに使い始めたんですね。最近はそれにリバベリンを併用すると今まで効かなかった10人中2、3人には効くんです。ただし、リバベリンの副作用は溶血性貧血。これは血が溶けてしまう病気で、赤血球が破壊されておこるんです。鼻、歯肉からの出血に始まり、息切れ、動悸、黄疸になって死に至る。よく効く薬が出たと思っても、やっぱり化学薬品には副作用があるんです。糖尿病やうつ病では直接死に至らないけれど、溶血性貧血は直接死ぬからいかん。効いた薬ほど危ない。僕の患者さんにもうちの治療をしていたのにインターフェロン治療に行ってしまった人がいますよ。医者はよほど期待を持たせることを言うんでしょうね。治った人がいることなど。それは確かにいるでしょう。しかし、その裏で何十倍もの人が副作用で苦しんでいるということ絶対に言わない」
このようにインターフェロン治療には大きなリスクもついてきます。孝子さんは、虚弱体質だったからこそ、リスクのある治療には敏感だったのかもしれません。「インターフェロン治療にはある程度の体力がいると言われて、そこに自信がなかったんです。それに、やはり副作用などのことも心配でした。虚弱体質ですから、きっと副作用も人よりは如実に表れるような気がしたんです。ですから、ほかに方法がないからいろいろ調べました。サプリメントも山のように試しましたし、健康食品のことはそりゃ詳しくなりましたよ(笑)」
そんななか、息子さんの奥様、つまりお嫁さん人づてにSODのことを聞きつけ、勧めてくれたのです。「4、5年前だったと思います。取り寄せた資料にいろんな方の体験談が載っていて、それを読んで、これは他のサプリとは違うと思ったんです。サプリではなく、病気を治してくれる薬以上のものだと。さっそく試してみて、違いは歴然でした。それまですごくたくさんのサプリを飲んでいたのですがどれも効果らしいものはなかったんです。SODは他のサプリとは違いました。最初、好転反応で微熱やだるさがありしんどかったんですが、まず高かった血圧が下がり、次にコレステロール値も下がった。何をやっても低くならなかったのに、SODを始めて3ヶ月くらいで効果が表れ始めたんです。これは凄い、本物だと」
1日4包のSODを続けるうちに、少しずつ体のだるさも減り、床に臥せる時間が減ってきていたのですが、やはりちょっと無理をするととたんに元の木阿弥。そんななか、血小板の数値が急に減り、いよいよインターフェロン治療をしなければいけない状況になったのです。かかりつけの医師も、孝子さんの虚弱体質のことを考え、そうするべきか迷っていらしたといいます。「そしたら、SODの資料のなかに丹羽先生の診療が受けられることが書いてあるのを見まして、一度ちゃんと診察していただこうと思ったんです」
その時は全国に診療所があることまで知らなくて、土佐清水まで行こうと思われたとか。そして電話をしたら、孝子さんの住んでいる地域に近い名古屋にも診療所があることを知ったのです。そこでようやく、去年の7月、丹羽先生の診察を受けました。「そのときに先生は、力強く、大丈夫!インターフェロンはやらないでいい≠ニおっしゃってくださって、私はそのときの丹羽先生が神様のように見えました。ええ、診察は3ヶ月おきに受けています。SODを4包と先生が処方してくださるBG103というお薬(アガリクスを基本とした丹羽療法独自の生薬)を毎日3包飲んでいます。私も抗がん剤などの怖さはずいぶん勉強して、インターフェロン治療等はやりたくないと思っていましたから、先生の生薬で。C型肝炎がみるみる良くなっているのを知るにつけ、丹羽先生に出会えてよかったと思います」
かかりつけの医師からも笑顔でもう大丈夫、と言われるようになり、今ではすっかり元気になられた孝子さん。「すごいんですよ、今は普通の人と変らない生活ができるんですから。それまでは家事は最小限で、横になることのほうが多かったです。それが最近はとんと横になることがなくなりました。信号だって小走りで駆け抜けられるんです。もう、それが嬉しくて嬉しくて、60歳になって初めての青春がやってきたみたいです(笑)。友人もびっくりしています。丹羽先生に出会えて私は本当に幸せ者です」
60歳になって青春を取り戻したとおっしゃる孝子さん。そのはつらつとしたお声にも力がみなぎっていました。これからはご家族やご友人との旅行など、思い切り青春を楽しんでください。ありがとうございました。
※注1 C型肝炎
C型肝炎はHCV(C型肝炎ウイルス)の感染によって起こる肝臓の病気。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の動きが悪くなります。しかし、肝臓は予備能力が高く、慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ない事が多いことから、「沈黙の臓器」と呼ばれています。HCVに感染すると、約70%の人がC型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)となり、放置すると本人が気づかないうちに、慢性肝炎、肝硬変、肝癌と進展する場合があるので、注意が必要です。
HCV(C型肝炎ウイルス)は、主として感染している人の血液が他人の血液の中に入ることによって感染します。具体的には、以下のような場合に感染が起こることがあります。
●HCVが含まれている血液の輸血等を行った場合
●注射針・注射器をHCVに感染している人と共用した場合
●HCV陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こしたりした場合
●HCVに感染している人が使用した器具を、適切な消毒などを行わずにそのまま用いて、
入れ墨やピアスの穴あけなどをした場合
●平成6年(1994年)以前にフィブリノゲン製剤の投与を受けた方(フィブリン糊としての使用を含む)、
又は昭和63年(1988年)以前に血液凝固第[、第\因子製剤の投与を受けた方
(これらの製剤の原料(血液)のウイルス検査、HCVの除去、不活化が十分になされていないものもあり、
HCVに感染している可能性が一般の方より高い)
※注2
インターフェロン
インターフェロンは人間等がウイルス感染を受けた時などに体の中で作るタンパク質の一種。
インターフェロンの種類は、現在までにα型、β型、γ型の3種類が分かれています。
それぞれの性質は少しずつ異なりますが、主な作用として抗ウイルス作用、
免疫増強作用、抗腫瘍作用などがあります。インターフェロンによる慢性ウイルス作用により肝炎ウイルスを攻撃し、
ウイルス性肝炎の治療をしようというものです。1986年にB型慢性活動性肝炎に対して保険適用となり、
1992年からはC型慢性活動性肝炎に対してインターフェロンによる治療が保険適応となりました。
慢性活動性肝炎を放置すると、将来肝硬変、肝ガンへ進行する可能性が高いため、
その進行を抑えるため「強力ネオミノファーゲンシー等によって肝臓の中の炎症を抑え、
病気の進行を抑える」という治療と、「インターフェロンのように病気の原因であるウイルスそのものをやっつけてしまう」
という治療が主なものとして考えられています。
副作用は、急性の場合は高熱、頭痛、筋肉の痛み、食欲不振など、インフルエンザによく似た症状や、
下痢や発疹があります。慢性の場合は、気分が滅入って、抑うつ的になることがあります。
また、肺が繊維化して呼吸が苦しくなる間質性肺炎、不整脈が起こる、
甲状腺の障害が起こりホルモンのバランスが崩れる、髪の毛が抜けるといった症状が現れてくることもあります。
このように、インターフェロンの副作用はさまざまで危険な場合もありますから、
C型肝炎でインターフェロンによる治療を受けている場合は、
定期的に、医師の診察を受け副作用のチェックをしたほうがいいでしょう。
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