(a)化学合成品より天然の素材
そこで、丹羽博士はこのようなビタミ剤を含む低分子の抗酸化剤(薬品)を、活性酸素、過酸化脂質に関連のある病気の患者さんの治療に利用してみましたが、目立った薬効はみられなかったそうです。
例えば、シミ・ソバカスのメラニン色素形成は、紫外線による活性酸素によるものですが、その対策として、ずっと昔から大学病院においてさえビタミンC・ビタミンEを大量に内服させます。しかし、いっこうに目立った効果がみられないことは、皆さんが経験的にご存知のことかもしれません。理論状は効いて当然のこの低分子抗酸化剤による治療が、実際使ってみてもたいして効果がないのです。
ところで、丹羽博士が大阪のある大学の皮膚科の講師をしていたある日のこと、先輩の皮膚科の教授から、丹羽SOD様作用食品を所望されました。そこでSOD様作用食品を送ったところ、その教授の奥様の顔の大きなシミが消えたとの、感謝のお便りをいただいたそうです。
研究室では顕著に活性酸素が低下しても、実際に内服してみると効果があまり期待できない。いったいなぜ、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンEなどの低分子抗酸化剤にはこのような矛盾した現象が起こるのでしょう。
また、主成分はベータカロチンやビタミンC、Eと同じでありながら、丹羽SOD様作用食品は、なぜ実際上の効果があるのでしょうか。
丹羽SOD様作用食品を開発した丹羽博士の研究の結果、次のようなことがわかってきたのです。
まず、第一には、低分子抗酸化剤を用いて治療する場合は、製薬会社の工場で化学的に作った化学合成品ではなく、天然のものを使用しなければならない、ということでした。
この点に関して、よく「合成品でも天然のものでも化学構造式は全く同じで、臨床効果に優劣の差があるのはおかしい」という化学的な反論にあうのですが、実際使ってみると、その差は顕著です。
もちろん、これらの低分子抗酸化剤が、分子量も小さく、腸管から吸収され、体内の血液中に運ばれてはいきます。それでも、活性酸素や特に過酸化脂質は実際に存在し、障害を起こしているところは、細胞の中の『膜』の部分なのです。
ですから、血液中に取り込まれたこれらの抗酸化剤は、さらにこの細胞の膜の中に入っていかないと、実際の効果が出現しないのです。ところで、細胞外の物質で細胞内に摂り込まれるためには、図のように受容体‐レセプターという受け取り手が細胞についていて、ここで一度受け取られてから、細胞の中に取り込まれる仕組みになっているのです。ところが、ここがポイントですが、この受容体は、受け取る物質の『好き嫌いをする』ということなのです。 |