第4章  過剰な活性酸素で起こる病気


 6  特殊な疾患

 
(a)膠原病

 
膠原病は自己免疫ともいい、リンパ球が自分の組織や臓器、細胞を異物と誤認し、それらをリンパ球が攻撃するものです。以前は膠原病は自分の組織や臓器や細胞を異物と誤認するリンパ球の以上であって、主として食細胞が関与する活性酸素とは関係ないという考え方でした。
  しかし、関節リウマチが患者の関節腔内で食細胞が大量に活性酸素を作って関節腔に流出させ、患者の関節炎を発症、悪化させていることを、丹羽博士が世界に先駆けて報告すると、その後、全身性紅斑性狼瘡(SLE)では、その患者の血清中に活性酸素を増殖させる因しが含まれるために、SLEを悪化させているとする報告や、進行性硬化症(PSS)や皮膚筋炎でも活性酸素が関与しているという報告が続きました。
  また、変わった考え方ですが、体内で活性酸素が産生されていると、この過剰な活性酸素が体内の正常なリンパ球を攻撃して、変性させ、自分の組織や臓器や細胞を異物と誤認させるように狂ったリンパ球を変化させ、膠原病を発生させるという報告もあります。
  こうして活性酸素が膠原病の原因、あるいは悪化因子の一つであることを無視できなくなってきています。これを裏付けるように丹羽博士のSOD様作用食品がステロイドでも手を焼いている進行性硬化症や皮膚筋炎に非常に効果をあげています。
  また、進行性全身硬化症や皮膚筋炎の末期に肺硬化症を発症し、ステロイドも効果なく、呼吸困難で脂肪しますが、丹羽博士のSOD様作用食品がほとんどの重症患者の生命を救っています。
 
(b)肺硬化症
 
肺硬化症とは、肺胞の細胞が破壊され、肺が固くなって、呼吸ができずに死亡する病気です。副作用の強いステロイドを大量に投与しても余り効果のないこともあります。これは膠原病、特に進行性全身硬化症(PSS)や皮膚筋炎の末期によくみられる他、全身性紅斑性狼瘡などの膠原病でも時折みかけます。
  この他、絶えず石粉などを吸い込む職業に見られる硅肺の患者さんや、また原因不明で急に重症の呼吸困難となる肺硬化症が出現したり、さらに産まれてすぐの赤ちゃんや乳幼児にも原因不明の重症の肺硬化が最近見られるようになっています。もちろん、新生児の未熟児で酸素吸入を欠けすぎますと、活性酸素O2-を発生し、未熟児網膜症で眼球網膜が活性酸素にいためつけられるのと同じゆに、肺の細胞が活性酸素に傷つけられ肺硬化を招きます。
  最近の原因不明の肺硬化症が増加していることについて、環境汚染の元凶である石油化学工業の乱立や自動車によるNOxが、肺で活性酸素を増産した結果と考えられます。
  ところで、肺の硬化と活性酸素、SODの三者の一般的な相互院が関係は学問的にもほとんど説明されてなく、文献発表もありませんので、丹羽博士の分析をご紹介しておきます。
  まず、身体のどの部分でも皮膚の下層には膠原組織というものがあって、皮膚を下から皮下組織として支えています。そして、この膠原組織h、膠原線維という繊維のような細胞からできています。膠原病とは、身体全体に広く存在する組織のどこでも侵される病気という意味でつけられた名前です。一般的にいって、体内で、膠原線維の多い部位、つまり膠原線維の濃度の濃いところでは、活性酸素は、これを増強するように作用し、膠原線維の濃度の薄い部位では、活性酸素はこれを減少するように作用します。
  体内で、膠原線維の濃度の濃いところは肺の組織で、薄いところでは皮膚が挙げられます。ですから、肺で発生した活性酸素は、膠原線維を増加させて肺硬化をどんどん悪化させ、また、皮膚で潰瘍ができると、今度は活性酸素が膠原線維を減少させるため、これまた、皮膚潰瘍をどんどん悪化させるのです。そこで活性酸素を除去する優れた抗酸化剤が、肺硬化にも、皮膚潰瘍にも有効になるのです。
  
  次によくある病気ではありませんが、過剰な活性酸素がはっきりと要因になっている例をあげておきます。
 
(C)パーキンソン氏病
  四肢が動きにくくなり、特に初期に下肢の運動が侵され、歩行障害から始まる病気です。これは、四肢の運動に命令を与えている脳の黒質(substantia nigra)というところで、活性酸素の除去につとめているグルタチオン・パーオキシダーゼ(GSH-Px)という酵素が、何らかの理由で減少、あるいは欠乏することにより、活性酸素が増加して命令中枢を破壊していく病気であることがわかってきています。丹羽博士のSOD様作用食品を9包と、イチョウの葉から抽出したギンキョウ・エキスを併用することで、かなりのパーキンソン氏病の患者さんにおいて、進行が止まったり、改善してきたことが経験されています。
 
(D)男性不妊症
  不妊に悩む夫婦で、男性の方の精子をとって調べてみると、精子の中の高分子抗酸化剤、特にグルタチオン・パーオキシダーゼやカタラーゼが欠如している、という報告があります。そのため、不妊の原因は、活性酸素が精子で暴れ出して精子の機能に障害を及ぼしているものと考えられています。このことからも、真に有効な抗酸化剤が不妊を救う可能性があります。
 
(e)ベーチェット病、川崎病
  ベーチェット病、川崎病ともに、厚生省の研究班もできて、いろいろ研究をしていますが、その原因はつかめていません。ただ、両疾患ともに患者の好中球で産生する活性酸素が過剰で、これが、患者の血管内皮細胞などを攻撃して病気を悪化させていることが、10年前に丹羽博士などの実験結果で報告されています。
  特に川崎病は、高熱が続いて入院し、やっと熱が下がって退院という時い、心臓へ繋がる血管が拡張したり、つまったりして、そのまま後遺症を残すことがあります。
  ベーチェット病では、丹羽博士以外に数名の先生方が好中球の産生する活性酸素の上昇を報告し、川崎病についても、慶応大小児科が過酸化脂質の上昇と病気の関係を報告しています。
  ともに、活性酸素や過酸化脂質の増加が観察されているので、SOD製剤が非常に有効です。眼病変を除くベーチェット病にも川崎病にも10年前に丹羽博士が日本に紹介したフランスの生科学者ミッケルソン氏の開発したリポゾームSODの注射を用いて、大変よい治療成績が得られ、内外の学会や医学誌に発表されました。
  このときは、ベーチェット病では浜松医療センター小児科科長の宗宮先生が中心になって治療・研究に当たっていました。
  また、丹羽博士の開発したSOD様作用食品は、この2種の病気の患者さんへの投与では、引き続いて好成績が得られています。特にベーチェット病については、元厚生省ベーチェット病研究班班長で、帝京大学内科教授・稲葉午朗先生が、ベーチェット病以外にも大腿骨骨頭壊死や、多くの難病患者さんに、精力的に丹羽博士のSOD様作用食品をご使用になり、よい成績をあげられています。
  この稲葉先生はもちろん、他の大学の先生方も、丹羽博士のSOD様作用食品の治療成績を学会や医学論文で発表されています。