第4章  過剰な活性酸素で起こる病気


 3  内科系疾患

 
(a)糖尿病

 
糖尿病は、インシュリンという血液中の糖を下げる物質が分泌されず、血液中の糖が上昇してくる病気です。インシュリンは膵臓のランゲルハンス島のベーター細胞という部位で作られますが、そのベーター細胞が傷み、機能を果さなくなることが原因です。
  分子栄養学的には、糖尿病患者の90パーセントが自分の体内でインシュリンをつくる「インシュリン非依存性糖尿病」です。膵臓のベーター細胞がインシュリンをつくっても、活性酸素によりベーター細胞の細胞膜の油分が酸化し、インシュリンがベーター細胞の外に出なくなり、不足すると考えられています。
  その原因として、ベーター細胞に対する、抗体が血中にできるのが原因だとか、また、薬剤をネズミに注射して膵臓のベーター細胞を破壊することでネズミが糖尿病になったという報告が注目され、体内で過剰に産生される活性酸素が糖尿病の原因ではなかろうかといわれたこともありました。
  残念ながら丹羽博士らの実験でも、活性酸素や過酸化脂質が糖尿病の発生に直接関係するという証明はできませんでしたが、何らかの形で、体内で過剰に産生された活性酸素や過酸化脂質が、糖尿病に関連していると考えられます。実際、糖尿病の悪化とともに血液中の過酸化脂質が上昇し、好転すると過酸化脂質が正常化していきます。これは過酸化脂質の研究の大家で元名古屋大学生化学教授、八木國夫先生の研究によっても何度も確認報告されています。
  また、特殊加工を施した天然の活性化低分子抗酸化剤である、丹羽博士のSOD製剤=SOD様作用食品が、糖尿病患者の4分の1〜3分の1に、その効果が認められます。
  これらの結果や、多くの医学文献や学会報告を総合して考えますと、全ての糖尿病ならずとも、かなりの糖尿病が活性酸素や過酸化脂質の増加によって、膵臓のベーター細胞がいためつけられたために悪化しているものと考えられます。
 
(b)肝  炎
 
肝炎にはウィルス性肝炎と、それ以外の肝炎があり、劇症のものから慢性化して肝臓癌に至るものなどがあります。八木先生の研究から、薬物中毒による肝炎では肝臓で特殊な過酸化脂質が作られ、肝臓をいためつけて肝障害が発生することが、動物実験で確認されています。
  また、千葉大薬学部山根教授の実験により、ラットに水銀を飲ませると、急激に肝障害を起こすが、丹羽博士のSOD様作用食品を始めからラットに飲ませておくと水銀を服用させても肝障害が起こらないという結果も報告されています。
  このことからも、水銀などの化学薬品で肝臓に過剰な活性酸素や過酸化脂質が作られ、肝臓に障害を起こすことがわかります。
  もともと肝臓には、排泄されにくい過酸化脂質を体内で唯一、処理できる機能があります。活性酸素を除去する酵素SODなどと同様の、高分子抗酸化剤であるグルタチオン・パーオキシダーゼ(GSH-Px)が肝臓には大量に存在し、このグルタチオン・パーオキシダーゼが過酸化脂質を肝臓で分解するのです。
  身体の各部位でできた過酸化脂質が肝臓に運ばれ、グルタシオン・パーオキシダーゼによって肝臓で分解されるのです。ですから、肝臓は過剰な活性酸素や過酸化脂質が集中すると同時に、これらを分解しようとする高分子・低分子の抗酸化剤がもっとも活躍する場所でもあり、この消去作用がうまく働かない場合、肝障害が発生するのです。
  一方、最近よくみられるB型、C型などのウィルス肝炎では、直接の発生原因はウィルスでも、ウィルス肝炎の進行により慢性肝炎や肝硬変の悪化を助長します。
  また、丹羽博士の低分子抗酸化剤、SOD様作用食品が、このようなウィルス肝炎および慢性肝炎、肝硬変によく効果がみられることから、活性酸素、過酸化脂質が、ウィルス肝炎の慢性肝炎、肝硬変の進行に関与しているという証明になっています。
 
(C)腎  炎
  丹羽博士の研究所の実験結果によると、肝臓と腎臓は、多くの臓器の中でもっとも過酸化脂質・活性酸素が活発に活動し、SODもそれにつれて高くなっていることが確かめられている臓器です。
  腎炎には、ネフローゼタイプのものから急性腎炎→慢性腎炎→尿毒症に移行するもの、また膠原病のものまでいろいろな種類があります。
  また、SOD様作用食品が糖尿病以上に高い有効率を示し、丹羽博士の土佐清水病院では、たくさんの透析寸前の患者さんを透析せずに救っていることからも、活性酸素や過酸化脂質の体内での上昇が、肝炎・腎炎を悪化させる一因であることは確実と考えられています。
 
  他に内科系の疾患として、胃潰瘍、腸管潰瘍がありますが、潰瘍の発症過程を含めて次の項で説明いたします。