第2章  活性酸素を取り除くSOD


 3  低分子抗酸化剤と高分子抗酸化剤

 
 
過剰な活性酸素を除去させるSODをはじめ、カタラーゼ、グルタチオン・パーオキシダーゼなどは、酵素という一種の生物です。これらは分子量が非常に大きいため、腸からは吸収されません。従って、内服しても吸収できないので、注射によってしか効果がありません。このような、活性酸素を除去する酵素類のうち分子量の大きいものを『高分子抗酸化剤』と呼びます。
  一方、高分子抗酸化剤に対して、分子量が小さくて内服により腸から吸収して活性酸素を除去する作用のある物質を『低分子抗酸化剤』と呼びます。ビタミンE、ビタミンB、ビタミンC、ベータカロチン、フラボノイド、ポリフェノール、カテキン等、緑黄色野菜などの食品に含まれていて、最近では耳にすることも多いかと思います。
  これらのSODをはじめとする高分子抗酸化剤とビタミンC・Eなどの低分子抗酸化剤が、私たちの体内に充分保たれることで、過剰な活性酸素や過酸化脂質によって惹き起こされる多くの病気から身体を守ることができるのです。
 

活性酸素を取り除く物質(抗酸化剤)

高分子抗酸化剤……SOD酵素、catalase酵素
(分子量3万以上)peroxidase酵素

低分子抗酸化剤……ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2
(分子量200〜400)カロチン、カテキン、ポリフェノールズ、フラボノイド(ズ)
 
  ですから、高・低分子抗酸化剤が低下する−活性酸素が増加することによる病気に対しては不足している高酸化剤の注射または内服剤による治療が研究されているのです。腸から吸収できない高分子抗酸化剤が不足するときは注射として、またビタミンなどの低分子抗酸化剤が不足しているなら薬として内服することで、体内の不足を補う療法なのです。
  ところが、たとえば紫外線による活性酸素が原因である『シミ、ソバカス』には、工業的に合成された低分子抗酸化剤であるビタミン類やベータカロチンをいくら大量に摂取しても、顕著な効果は期待できません。この理由はなぜなのでしょうか?