<1> 活 性 酸 素 と は ?
活性酸素は他の物質と反応しやすい物質
丹羽靭負・土佐清水病院長著:「激増   活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版刊)から

  一般に酸素≠ニいえば動物や人間の組織や細胞が活動する上で必要なものですが、活性酸素≠ニいうのは呼吸でとり入れるための酸素とは全く違ったものです。
  化学構造上では、酸素と少し異なり、その役目は活性型の酸素≠ナ、どんな物質とでも非常に反応しやすい物質で、細菌やカビや異物と反応し結合して、これを破壊・殺菌してくれるのです。

 

活性酸素とは酸素を放出し生体を傷つける物質

 
■ 活性酸素の種類
  活性酸素はO-2H2O2OH・1O2の4種類で、次の化学式のように変化します。
 

 @酸素O2よりO-2が作られる

 A次に、O-2よりH2O2に変化する

 BH2O2から、OH・1O2に変化

 
■ 反応性に富む理由は
  例えば、
O-2は、酸素O2にマイナスの電子を持っているため、自分が安定しようとして、プラスの電子を持ったものと反応しようとします。また、H2O2は、H2Oが水で安定しているのにOが一個余分で、この余分な一個のOが不安定で、安定した酸素O2になろうとしてOを持った物質と反応するため、反応性に富んでいるのです。
 
■ 各種活性酸素の特徴
  1O2   : 最も反応性に富んだ活性酸素で、様々な障害を起こす元凶です。
 
 H2O2  : これは、日常使用されるオキシドールで、消毒に使って泡が出るのは、H2O2の余分なOを細胞に与え、細菌の持つOと結合して反応した際に発生するものです。
           @H2O2よりOが遊離、水H2Oが生成
           A遊離したOは、細菌のOと結合する
           BOと結合した細菌は、死滅する
 
  OH・  : 安定した水H2Oになるため、Hを相手から奪います(Hを持つ物質と反応します)
 
オゾンO3オゾンO3は動植物の体内で作られないため、活性酸素ではありませんが、H2O2と同様に、余分なOを細菌に与えます。Oを受け取った細菌は死滅し、オゾンO3は安定した酸素O2になります。このため、オゾンO3には殺菌作用があるのです。

 

 

  ま と め  : 活性酸素は、酸素原子Oを放出(Hを奪うのも同様)し、適量なら細菌やウイルスを殺してくれますが、過剰な場合は生体を傷つけ、癌や脳卒中など成人病の原因となります。