腸管潰瘍も活性酸素や過酸化脂質が関与
クローン病や潰瘍性大腸炎が、SOD様作用食品で多数が好転治癒
丹羽靭負・土佐清水病院長著:「激増   活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版)及び「医学大辞典」(南山堂)から

  腸管潰瘍の代表疾患として、最近、患者数が激増しているクローン病や潰瘍性大腸炎があります。クローン病は主に回腸(小腸の後3/5)、潰瘍性大腸炎は大腸に発症する炎症性疾患で、ステロイドなどの投与でも治癒しにくい難病として知られています。これらの腸管潰瘍(腸の炎症)に、活性酸素や過酸化脂質が関与し、SOD様作用食品が有効とされています。

 

 
 原因は不明だが最近増加している
  腸管潰瘍の原因については、不明の点が多いのですが、欧米人に多く、日本ではこの20〜30年増加してきたことから、脂肪食ストレス睡眠不足過労などが原因の一つではなかろうかと考えられています。

 過酸化脂質が組織の破壊を進行
  いずれにしても、皮膚潰瘍のところで述べましたように、(胃腸は皮膚ほど空気、酸素との接触は高度ではありませんが)潰瘍部に、(活性酸素と不飽和脂肪酸から合成された)過酸化脂質がどんどん作られ、これがさらに隣接する正常な腸の組織を破壊し、潰瘍口を拡大、悪化させています

 ストレスによる活性酸素も悪影響
  また、ストレスで活性酸素が上昇するという報告もあり、ストレスで起こる胃潰瘍の発症、治療びの活性酸素、SODの考え方が無視できなくなってきています。

 

 SOD様作用食品が優れた臨床成績
  著者の臨床経験では、クローン病や潰瘍性大腸炎には、SOD製剤(著者の活性化低分子抗酸化剤)が有効で、大量に内服すれば、副作用の強いステロイドやサラゾビリンを中止してもSOD製剤のみで、好転治癒した患者さんを多数経験しています

 

 
ク ロ ー ン 病 の 概 略

 
  限局性回腸炎。小腸の回腸末端部に多いため回腸末端炎とも呼ばれる。まれに回腸上部、空調、結腸などにも発生する。

 原    因
  原因不明。腸内常在細菌による結合組織増殖性蜂巣繊炎あるいはアレルギーまたは虫垂炎と密接な関係があるともいう。

 部    位
  最多は回盲弁から始まり盲腸、小腸の末端4〜5cm(下図の小腸の黒い部分)。

 病    像
  粘膜および粘膜下層の炎症性変化、潰瘍もつくる。

 症    状
  腸間膜リンパ節も多数腫大。慢性では右腸骨常に可能性の腸詰様腫瘍を触れることもある。臍周囲部および回盲部仙痛間欠性発熱水様性下痢嘔吐などを訴え、食欲不振体重減少貧血が現われ、糞便中の潜血反応は陽性
  瘢痕性治癒の結果、腸狭窄の症状を呈しやすい。また潰瘍から腹壁、膀胱、膣などに瘻孔を作ることがある。虫垂炎、結核、放線菌症などとの鑑別は困難。確定診断には病理検査が必要。

クローン病に対するSOD様作用食品の効果
土佐清水病院・最近6年間の統計より

症例 著効 有効 やや有効 無効 不能 有効率

14

0 7 2 5 0

64%

 

 
潰 瘍 性 大 腸 炎 の 概 略

 
  大腸に原因不明の広範な非特異潰瘍性炎症を発生する疾患。

 原    因
  病因論には感染説、アレルギー説、膠原病説、内分泌異常説、酵素説、ビタミン欠乏説、自律神経失調説、精神神経説などがあるが、未だ決定されていない。

 部    位
  多くは直腸に原発、向上性に全結腸に及ぶ。ときには上向結腸から回腸に及ぶ。

 病    像
  粘膜は肥厚・発赤して粘膜で被われ潰瘍を認める。偽性ポリープを生じ、大腸は萎縮して短縮、内腔も狭くなる。
 

 症    状
  壮年者に多く、急性または慢性に発病、下痢粘血膿便発熱栄養障害などの症状を呈するが、寛解と再発をくり返し、長期にわたって経過する。ときに急激に発病して心臓衰弱のため短時間の間に死亡することもある。しばしば、大出血穿孔狭窄膿瘍瘻孔貧血関節炎結節性紅斑虹彩炎などの合怖症を伴い、また癌性変化をきたすこともある。