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遺伝子DNAの酸化で発癌や奇形の危険
活性酸素は、様々なところを酸化してしまいます。蛋白質が酸化すると性質が変わったり、酸素が酸化すると失効してしまいます。遺伝子のDNAが酸化されると、正確なコピーができずに、誤った情報を伝えてしまうことになります。その中でも、酸化されやすい不飽和脂肪酸もエネルギーをつくるミトコンドリアの膜の材料で、活性酸素が作用しやすいところですから、ネコにカツオブシといった関係でたいへん心配なわけです。
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不飽和脂肪酸の酸化で過酸化脂質が産生
この不飽和脂肪酸が酸化されると、前にも述べた「過酸化脂質」という物質ができます。これも物質ができます。これもフリーラジカルの1つで、しかも連鎖的に近所隣を酸化してしまうという困った性質があります。
食品でも不飽和脂肪酸の多いものは、古くなると、この過酸化脂質ができやすくなり、これを食べるとお腹をこわすといった毒性があります。
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過酸化脂質がシミ・ソバカスの原因
顔などにできるシミも、実はこの過酸化脂質のなれのはてなのです。過酸化脂質は連鎖的に被害者と加害者をつくりだしますから、被害を最小限に止めるようこれを取りおさえなければなりません。そこでメラニンという色素がでてきて、この過酸化脂質の加害者づくりを止めさせます。それがシミです。年をとると増加することから、老化色素とかリボフスチンなどといわれています。
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老化色素は心臓や脳の中にもできる!
顔は日光の紫外線を浴びる、特に老化色素のできやすいところで、よく目につきますが、この老化色素は何も顔だけではありません。体中にできています。心臓の筋肉の中にも、脳の細胞の中にも年をとるにしたがって増え続けます。
老化色素(リボフスチン)は年齢が進むにつれて、体の至る所に蓄積してくるので、老化のシンボルと考えられています。右図より「加齢(横軸)とともにリボフスチン(縦軸:色素/心筋%)が組織に蓄積してくる(人の心臓の例)」ことがわかります。 |
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