「痴呆」というのは、いったん発達した知能が何らかの原因で低下し、そのために、今までできていた仕事や社会生活に必要な能力が喪失された状態を言います。痴呆をもたらす原因としては、例えば、交通事故や脳の腫瘍などがあげられますが、老年期痴呆の場合は、脳梗塞などによる「脳血管障害」が原因で起こるものと、「アルツハイマー型痴呆」の二つがあります。
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脳
血 管 性 痴 呆 |
アルツハイマー型痴呆 |
原因 |
・脳血管障害が原因
・動脈硬化による脳梗塞などが主因 |
・原因はまだはっきりしていないが、脳が萎縮して痴呆になります。 |
対策 |
治療や予防はある程度までできる |
治療や予防が難しい |
割合 |
日本では、脳血管性痴呆&脳血管性痴呆と他との混合型が過半数 |
欧米では、アルツハイマー型痴呆&アルツハイマー型と他との混合型が大半 |
進行 |
脳血管障害による脳の循環器障害が原因ですから、動脈硬化が進んでいる場合ほど進行が早くなります。従って、脳の血液循環を改善し、動脈硬化の進行を抑えることが、脳血管性痴呆を予防したり進行を遅らせることにつながります。 |
アルツハイマー型痴呆でも人によって進行が速い場合と遅い場合がありますが、その違いがなぜ起こるのかはわかっていません。アルツハイマー型痴呆では、65歳以前に発病した場合ほど進行の速いものが多いようです。 |
経過 |
中核症状(知的障害)は、臨床的にはっきりしない程度の小さな脳梗塞が起きるたびに、段階状に、ボケ症状が進行します。 |
脳の神経細胞が障害され、神経細胞が死滅します。この神経細胞の壊死に伴い=脳の萎縮とともに、ボケ症状が進行します。 |
※ここに述べた「脳血管性痴呆」と「アルツハイマー型痴呆」に関する概略は、次ページ以降の[老年期痴呆2]&[老年期痴呆3]を参照。
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