理由1:水晶体は無血管で代謝が緩漫
目の水晶体の中には、体のほかの組織のように、血管が通じていないため、物質の代謝(物質交代)がきわめて緩漫にしか行われないこと。生物が生きるということは、食物を酸化して、そのエネルギーを利用しているということです。したがって、人間の体内には、年をとるにつれて過酸化脂質がたまりやすくなりますが、水晶体のような組織の場合は、特にその傾向が強いというわけです。
理由2:光化学反応の影響を受けやすい
脂質が光によって酸化を受ける(これを光化学反応という)ことが問題となります。水晶体は光を集める組織でもあるため、絶えず光にさらされ、細胞膜の中の脂肪は、その影響を最も受けやすいのです。
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