白内障の原因も活性酸素A
酒井 豊・防衛医科大学名誉教授監修:「老化・癌・成人病の原因!?活性酸素は、こうして防ぐ」(小学館)から

 

水晶体内の活性酸素が白内障を起こす

 
■ 白内障は老化現象の一つで水晶体が硬化・白濁化する病気
  白内障も高齢化になると避けられない病気の一つですが、これも活性酸素が関係している可能性の高い病気です。眼のかには水晶体といって、ちょうどカメラのレンズのような役割を果している部分がありますが、この水晶体が加齢とともに固くなり、濁ってきて光を通しにくくなるのが老人性の白内障です。人によって現れる年齢は異なりますが、老化現象の一つです。
 
■ 水晶体内に紫外線により産生した活性酸素が白内障の原因
  眼はものを見るためにああるわけですから、紫外線の影響は避けられません。紫外線は体外から活性酸素(特に反応性の高い一重項酸素)を発生させる元凶の一つですから、眼はいつも活性酸素の危険にさらされているといえます。「雪眼」といって強い日差しに長時間さらされていると、眼に障害がおきますが、これも紫外線が原因です。「雪眼」までならなくても、高齢になると活性酸素に対する防御機能も低下してきて白内障がおきるのです
 
■ 活性酸素の害を防ぎ白内障を予防するのは抗酸化ビタミン
  ビタミンEが白内障の予防に役立つことがわかっていますが、これも紫外線によって発生する活性酸素の防衛になっているためです(ビタミンEと活性酸素との関係については、後ほど詳しく説明します)。

 

 
白内障のタイプ(白濁化する位置は様々です)

 

@ 水晶体辺緑部の白濁
 このタイプでは、視野の中央部は明瞭ですが、辺緑部が不明瞭となります。

 
A 水晶体中央部の白濁
このタイプでは、視野の辺緑部が明瞭ですが、中央部が不明瞭となります。

 
B 水晶体全体の白濁(A)
このタイプでは、視野全体の白濁のため、ほとんど見えなくなります。

 
C 水晶体全体の白濁(B)
このタイプでは、視野全体がボンヤリと、不明瞭(不透明)な状態で見えます。