私が現在までに丹羽博士の抗酸化食品を収用させた患者は64例にのぼります。
慢性関節リウマチ
慢性関節リウマチのうち、リウマチの炎症や関節の痛みの改善に有効だと思われたのは20例です。有効率に換算すると、31.3%でした。意外と低い数字だと思われるかもしれませんが、有効無効判定基準をどこにおくかによって数字というものはかなり違ってくるので、一概にそう判断するのは感心しません。むしろ、実際に抗酸化食品を治療に使った医師としての実際を述べるなら、リウマチ治療には将来的にかなり有望ではないか、ということです。
抗酸化食品の特徴として、まず挙げなければならないのは、今まで特効薬として使われてきた副腎皮質ホルモンという薬剤が効かなかった症状に、効果を発揮するケースが多かったということです。
膠
原 病
関節リウマチよりも重症な、例えば皮膚が硬くなるような膠原病の患者に、より顕著に効果が見られるということです。では、抗酸化食品で改善した膠原病の症例を紹介しましょう。
Nさんは39歳の主婦です。8年くらい前から、両方の手の指の関節が痛みだしました。また、冷たい水を使うと、指が青白くなって熱を失ってしまいます。しかも、まるでソーセージのように腫れ上がっているのです。全身の皮膚もむずかゆく、そのため睡眠も妨げられるといったありさまでした。
3年ほど前、治療の甲斐もなく、病態はいっこうによくならなかったのですが、3年目の春より、丹羽博士の抗酸化食品を1日3回、計9cを毎日服用させたところ、約2週間で体じゅうのかゆみが消え、4週間後に手足の指に温かみ回復し、腫れが引くまでに至りました。
抗酸化食品を服用するようになってから、Nさんの過酸化脂質の量を調べてみると、服用前と比べて2ヵ月後には、およそ70%ほどに減っていました。抗酸化食品を摂ることによって体内の活性酸素が抑制され、それにつれて過酸化脂質も減少していったと考えられます。
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抗酸化食品は全身状態を改善する
Nさんの例からもわかるとおり、抗酸化食品は、今までの薬では効かなかった患者さんにとって多いに有望なのではないか、というのが私の率直な印象です。
なお、慢性関節リウマチにかかると、40歳を過ぎたぐらいで、月経が止まってしまう女性がかなり多いのですが、月経の止まった患者が、抗酸化食品を服用して、再び生理が始まった例がいくつかあったのです。これは、おそらく、抗酸化食品の中に含まれているビタミンEが、精線に働いたためでしょう。また、ビタミンB2、C、カロチン、タンニンといった含有成分が、卵巣の血流をよくしたという推定も成り立ちます。同様のことが男性にもいえるかもしれません。末梢の血行をよくすることが、精力減退を回復することは、理論的にいって決して無理なことではないはずです。 |