アレルギー性疾患@   皮膚の炎症
アトピー性皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の見分けを

  アレルギーの症状が皮膚に発症すれば、代表的な疾患として、アトピー性接触皮膚炎があります。
  『アトピー性皮膚炎』とは、ダニやカビの吸引、食物の摂取などの抗原によるアレルギーの結果、広範囲な部位の皮膚に炎症状が出る、アトピー性皮膚炎のうち、体質が関与する皮膚炎を『アトピー性皮膚炎』という。
  『アレルギー性接触皮膚炎』とは、手や足などの、物質に接触した部位に限局性に発生する皮膚炎です。

 

ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎
西岡 清・東京医歯大教授著:「アトピー性皮膚炎」(日本放送出版協会)から

 
  アトピーは、かって成長段階で治癒しなかったり、成人の発症も増加傾向です。この増加の原因として、大気汚染・オゾン層の破壊・食事の欧米化や住環境の変化なども考えられています。
 
 アトピー体質とは?
  最近は、「アトピー」と言えば「アトピー性皮膚炎」のことを意味しますが、厳密には、アトピーは「アトピー体質」の省略で、特定の「体質」を意味します。
 
■ 普通の人には何でもない物に異常に反応
  「アレルギー」も「アトピー」もギリシャ語で「異なった、奇妙な」という意味で、この語源から端を発し、普通の人には何でもない、食物や接触物や吸入物などに、異常に反応する「過敏体質」のことを「アトピー体質」と呼んでいます。
  つまり、「アトピー体質」の人は、普通の人が平気な物に、過敏に反応して、容易に抗体 I g Eを作り出し、皮膚炎や花粉症や喘息などのアレルギーを起こしてしまいます
 
■ 「アレルギーマーチ」も増大する傾向です
  最近は「アトピー性皮膚炎」から「気管支喘息」、更に「アレルギー性鼻炎」へと、症状を変えてアレルギーが出る、「アレルギーマーチ」も増えています

 
 発症の主因・誘因
  西岡 清教授は、@主因・体質の存在、A悪化要因・抗原や刺激物の存在、の二つを挙げています。
@主因・体質の存在
  前述の「軽微な坑原に対して、すぐに抗体を作り出そうとする過敏体質(アトピー体質)」。
 
A悪化要因・抗原や刺激物の存在
  抗原とはアレルギー反応の結果、皮膚に湿疹やかゆみを起こさせる物質。刺激物とは接触して皮膚に炎症をおこさせる物質。
 
Bアトピー性皮膚炎の発症
  主因の体質が存在し、抗原(ダニやカビなど)あるいは刺激物(皮膚炎を起こす物質)などの悪化要因が繰り返し作用し、アトピー性皮膚炎が発症します。

 

 

ア レ ル ギ ー 性 接 触 皮 膚 炎
田上八郎・東北大教授著:「接触皮膚炎」(日本放送出版協会)から

 
■ 金属や植物などとの接触が原因の皮膚炎
  長引く皮膚炎んは、金属や植物などの抗原となる物質に接触し、手や足などの接触部分に限局発症する皮膚炎です。アレルギー性の皮膚炎ですが、体質が関与する、アトピー性皮膚炎との直接の関連はないようです。

 
 原 因 物 質

  多くの物質が抗原(アレルゲン)として作用することが判ってきましたが、大別すれば以下のようです。
@金属が原因
  ニッケルやコバルト(ネックレスなどのアクセサリー、金属製の腕時計やバンドなど)、クロム(皮製品やセメントなどに含有)、義歯の金属(溶けて唇に炎症を起こすことがあります)。
 
A植物が原因
  ウルシ、ギンナン、桜草(日本ではなく、アメリカ産のもの)。
 
B日常品が原因
  ゴム手袋、リップクリームなど、身の回りの化学合成品をよく見直してみましょう。
 
C薬品が原因
  緑内障用目薬による眼瞼周囲の湿疹、皮膚炎治療薬の副腎皮質ホルモン塗布による湿疹。
 
■ 抗原との接触がアレルギーの発症を招く
  一度、アレルギー反応を起こす体質になると、その体質を治すことは、現在で不可能です。アレルギー性接触皮膚炎を起こさないように、日頃から原因となりやすい物に注意し、触れないように心がけましょう。

 

 
アレルギー性の皮膚の炎症対策

 
  既述のように、「アトピー性皮膚炎」も「アレルギー性接触皮膚炎」も抗原抗体反応のため、根本的な治癒は望めないようです。

 
 薬 物 療 法
  現段階では、対症療法として、@炎症を抑えるステロイド剤、A炎症を起こすヒスタミンを抑制する抗ヒスタミン剤、Bヒスタミンに作用する抗アレルギー剤があります。
@ステロイド剤(外用:塗布・吸入・点眼・点鼻)
  炎症の抑制に奏効、ステロイドに勝るものはない、と言われています。
  副作用 : 誤使用で、感染炎・内出血・満月様顔貌・骨粗鬆症・糖尿病・高血圧の誘発・消化性潰瘍・子供の成長停止などがあります。
 
A抗ヒスタミン剤(内服)
  皮膚の浮腫や痒みを引き起こす炎症起因物質ヒスタミンの働きを阻止します。
  副作用 : 眠気・頭痛・全身倦怠感など。緑内障・前立腺肥大症・気管支喘息発作中は使用不可。
 
B抗アレルギー剤(内服)
  長期にわたって服用し、抗ヒスタミン剤と同様にヒスタミンの働きを阻止します。
  副作用 : 長期の服用のため、使用薬によっては、食欲減退・出血性膀胱炎・肝機能障害などを招く。

 
 SOD様作用食品
  アトピー性皮膚炎もアレルギー性接触皮膚炎も抗原抗体反応のため、長期の服用が必要となります。SOD様作用食品は、ステロイド剤のような、副作用の心配はありません。
  SOD様作用食品は、自然の植物を加工した副作用の全くない健康食品で、抜群の抗炎症効果を発揮します(第31回・日本リウマチ学会で丹羽博士が発表)。