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アトピーの根本的な治療は無理!
今の段階では、アトピー皮膚を根本的に変えるのは無理ですから、そういう体質とうまく付き合える状態を作ることが治療のポイントです。
コ メ ン ト :アトピー性皮膚炎は、抗原抗体反応(外部からの刺激に対し、生体中に自己を守る物質が出来る)のため、通常では完治ということはありえません。まず、その患者にとって何がメインの悪化因子になるのかを調べます。たとえは、ダニが疑われる人なら、その対策から始めます。標準的な治療法を説明しましょう。
顔面の坑炎症剤
@ステロイド外用剤
現在起こっている炎症を押さえるには、やはりステロイド外用剤が最も有効です。副作用が問題となるのは、主に顔面での使用です。長く使っていると、血管が拡張して赤ら顔になったり、ニキビ様の発疹が出たりします。顔には弱いステロイド外用剤を短期間だけ使うのが原則です。
コ メ ン ト :長期間使用では局所的副作用(皮膚が薄くなり、破れやすくなる)があり、大量使用では全身的副作用(感染症や内出血、顔がむくむ、ムーンフェイス、毛深くなるなど)が現われることがあります。従って、本剤の使用には、医師の指示に従うことが大切です。
A非ステロイド外用剤
顔面などには、非ステロイド系の外用剤も使われますが、坑炎症作用が弱いのと、しばしばカブレを起こすのが欠点です。カブレをアトピーの悪化と勘違いして、さらに塗り続け、かえって重症になることもあるので注意を。
顔面の保湿対策
炎症が治まったあとは、ステロイド以外の外用液に切り替え、皮膚の乾燥と防衛機能の低下を補うことが大切です。保湿のためによく使われるのが、白色ワセリンです。皮膚に膜を作って、異物の侵入や水分の蒸発を防ぎます。また、尿素軟膏も水分保持効果があります。最近はヒルドイドという軟膏もつかわれるようになってきました。
かゆみ止め
かゆいと、引っ掻いて悪化の原因にもなります。かゆみ止めには、坑ヒスタミン剤や坑アレルギー剤を内服します。
○坑アレルギー剤
坑アレルギー剤は、肥満細胞からの炎症起因物質の放出を抑制する働きがあるとされています。大きな副作用はありませんが、ときに眠気が出るので運転する人などは注意が必要です。就寝前に服用すれば、夜中に掻いて悪化するのが防げます。
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