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G型肝炎ウイルスが1995年に確認された
日本の輸血用がG型肝炎ウイルスに汚染され、実際に輸血で感染した患者がいることを虎の門病院(東京都港区)の消化器科グループが確認した。G型肝炎ウイルスは1995年に米国で遺伝子が確認されたばかり。簡単な検査法の未開発で、肝炎や肝臓癌をどの程度起こすかもはっきりしていないが、B、C型肝炎やエイズのような輸血による感染症の拡大を未然に防ぐため早急な対策が必要と、研究者らは指摘している。
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輸血後12.7%の患者がG型肝炎に感染
輸血による感染を確認したのは同病院の熊田博光部長、茶山一彰医長、小林正宏医師ら。肝臓癌手術では出血を止めるため、通常、新鮮凍結血漿や血小板などを輸血するが、同病院で肝臓癌手術を受けた患者の手術前後の血液を、自ら開発した遺伝子検査法で調べた。
92年がた94年までに手術を受けた後、1年以上経過を観察できた患者が55人いたが、このうち、手術前がらG型肝炎ウイルスに感染していた患者は2人だけ。手術後1ヵ月では、新たに7人(12.7%)が感染したことが明らかになった。
この7人うち5人はC型と、1人はB型とそれぞれ二重感染しており、単独感染は1人だけだった。
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輸血用血液の約1.4%がG型肝炎に汚染
熊田部長らは、感染者7人に平均71人分の輸血が入っていることから、輸血に使った日赤の血液の1.4%程度がG型肝炎ウイルスに汚染されているとみている。
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