ペルー日本大使館人質事件
 人質に胃炎続発

長期化の精神的ストレスで「胃炎・胃潰瘍悪化・うつ症状」
朝日新聞(97-02-03)から

 

 
  ペルーの日本大使公邸人質事件の長期化で、精神的なストレスが原因となって体の異常を訴えてる人質が増えている。解放された人はストレスによる胃潰瘍の悪化や急性胃炎の症状がみられ、人質から家族にあてられた手紙でも胃の不調えを訴えるものが多い。

 

  72人の人質の半数以上は50歳代より上だ。ICRCの医師が毎日、人質の体調をチェックしているが、関係者によると、胃の不調のほか高血圧・糖尿病を抱える人が複数いるという。

 
症例1  神経性の急性胃炎・うつ症状

 
  解放されたホセ・リバス・ロドゲリス国家警察幹部は、担架に乗せられ、救急車で警察病院に運ばれた。解放された人質が救急車で運ばれたのは初めてで、病状がかなり思いのではと心配された。病名について正式な発表はないものの、神経性の急性胃炎らしい。ロイター通信がリバスさんの息子の話として伝えたところによると、胃炎のほかにうつ症状の治療も受けているという。

 

 
症例2  胃潰瘍を悪化

 
  解放された日系人のルイス・バレンシア・ヒラノ前国家警察テロ対策本部(DINCOTE)特殊部隊長も、ストレスが胃潰瘍を悪化させたとみられる。
  解放されていない人質の中にも、家族への手紙で体調の悪化を訴えるものが相次いでいる。

 

 
症例3  自律神経の失調
 
  モイセン・バントーハ前最高裁長官は「歩くとバランスを崩し、手足が思うように動かなくなってきた」

 

 
症例4  胃潰瘍の悪化を懸念

 
  胃潰瘍の持病を持つ国会議員のヒルベルト・スイラ氏の家族も、スイラ氏の病状悪化を心配して、専門医による早期の診察、治療を、ミニグ赤十字国際委員会(ICRB)駐ペルー代表らに求めている。