成人病・老化・シミなどの元凶
活性酸素を消去して根治をもたらす
『SOD様作用食品』とは?
丹羽靭負・土佐清水病院長(京都大学医学博士):毎日ライフ(92-03)から
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【
丹羽博士へのインタビューから 】
『自然』の中にあった解答のすべて
各種の成人病・老化、そしてシミ・シワ。この3つを引き起こす原因に共通するものがある。それが活性酸素である。
活性酸素は体内で不可欠な物質であるが、過剰に発生すると、細胞の機能を減弱させてしまうのである。この多すぎる活性酸素を除くことを治療に役立てよう、と長年研究を続けている医師がいる。早くから活性酸素に注目してきた丹羽靭負氏である。そして6年前、活性酸素を除去できるSOD様作用をもつ自然食品を開発し、現在、治療にかなり広く応用されるようになってきた。
新しい可能性を聞いたSOD様作用食品は、すぐれた治療実績が報告されており、高齢化社会の進展とともに、今後ますます出番が多くなってくるものと思われる。SOD様作用食品とその効果について、丹羽靭負氏に伺った。
【 インタビューアー・泉かおる 】 |
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§1
老化をおこすのは活性酸素だった |
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老化のメカニズムを考えてみましょう?
老化を最初に感じるのはどういうきっかけだろうか?女性なら鏡の前で小ジワやシミを発見したときかもしれないし、男性なら酒量が落ちたかなと思ったときかもしれない。科学がいくら発展してきても、老化は避けられない現象である。しかし、なぜ人は老いるのだろうか。この人類共通の大きな課題について、様々な方向から今、世界中で研究が進められている。
老化の原因には多くの説があり、ある研究者たちは、一定期間が過ぎると老化するように、あらかじめ遺伝子にプログラミングされているのだ、と考えている。また、体内で発生する因子や体外から入り込む因子が細胞内に蓄積し、細胞の機能にダメージを与え、その結果として老化が進行すると、考える説もある。
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体内の活性酸素が老化を促進する一因!
細胞を侵し老化を促進する物質、その一つとして注目を集めているが、丹羽氏が取り組んだ『活性酸素』なのである。活性酸素とは、空気中に存在する酸素ではなく、体内で発生する物質である。身近な例では、消毒に使うオキシフルも活性酸素の仲間といえる。
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日常生活で活性酸素の危険性は増加する
もちろん、呼吸によって肺に取りこまれた酸素と直接関係はなく、紫外線や細菌やウイルス、化学物質(加工食品、医薬品、農薬、殺虫剤、排気ガス、タバコなど)など、人間に害を与える異物が体内に侵入した場合に、活性酸素が体内で発生する。
異物の処理は食細胞に取り込まれて行われるが、食細胞が異物を溶かすために活性酸素をだすのである。さらに血管の中で、酸素欠乏がおきる状態のときも活性酸素は作られる。人間の身体が作り出すものが老化の原因となり、自分で自分の首を絞めているようなものだ。ただし、活性酸素を老化を促進する物質と紹介したが、実は身体を守るためになくてはならない大切のものである。
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§2
活性酸素はジキル&ハイドの役割 |
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活性酸素には長所と短所の二面性がある
活性酸素は、体の毒にも武器にもなる。ジキルとハイドのように、二面性をもつ。活性酸素は、非常に反応しやすい性質であり、他の物質と結合しやすい。その働きで侵入してきた細菌やウイルスを破壊し、異物を溶かしてしまう。紫外線が動植物の殺菌に役立つのも、紫外線にあとると、動植物の体内に活性酸素ができるからである。
しかし「過ぎたるは及ばざるが如し」というように、必要以上の活性酸素は正常な細胞までも溶かしたり、刺激してしまうことになる。
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動脈硬化を招き、脳・心疾患の原因となる
更に、脂質と反応して動脈硬化を引き起こす過酸化脂質をつくったりと、体内に様々なダメージを与える。「病気の85%は、活性酸素の出き過ぎが関係しています」と丹羽氏は言う。
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体内のSODが、過剰の活性酸素を除去
しかし、体は一方的に攻撃されるばかりではなく、活性酸素に対抗する手段も体内にちゃんと組み込まれている。バランスがうまくとれるよう、体内のメカニズムはできているのである。
余分の活性酸素を取り除く作用をもつ酵素、それが本稿のメインテーマのSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)なのである。
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§3
余分な活性酸素を除く酵素SOD |
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四十歳代から、体内のSODの活動力が低下し、活性酸素の危険性が増加する
SODは誰の身体にも存在し、普通は過剰な活性酸素は、すぐにSODにより除去されます。だが、40歳代を越えると体内のSODの活動力は低下してくる。確かに40歳代から、シミやシワが増え、皮膚がガサガサとして老化の影がちらつき出す。成人病や癌、心筋梗塞が増えてくるのも40歳代からである。
また、体内に入ってきた異物である化学物質によって、活性酸素が過剰に発生してしまうと、体内のSODで処理しきれなくなり、体の機能は低下してくる。
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活性酸素と過酸化脂質は諸病気の原因!
活性酸素と、活性酸素がつくる過酸化脂質に関係する病気として、脳卒中・心筋梗塞・白内障・糖尿病・肝炎・腎炎・ベーチット病・悪性関節リウマチ・川崎病・アトピー性皮膚炎・シミ・そばかす・冷え性・神経痛など、多彩なものが報告されている。過酸化脂質による血行の悪さが強く影響する病気が含まれる。
活性酸素とさまざまな病気、老化現象とSODの低下・・・・これらのことから、SODが健康に深く関係していることが理解できる。SODが不足なら、損失補填≠キれば健康を回復させることができる、というわけだ。
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§4
「活性酸素と病気」は最新の研究 |
活性酸素の研究については、アメリカで1950年代から生化学者を中心に本格的にスタートした。1969年にはアメリカの生化学者マッコード氏がはじめてSODを報告したが、まだ臨床医は関心をもっていなかった。
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活性酸素は癌や心筋梗塞・脳卒中の原因
80年代に入って、活性酸素と癌との関係が明らかにされ、俄然、臨床医が着目しだしたのである。さらに、『ネイチャー』という利根川
進氏も論文を発表した。有名な科学雑誌に、活性酸素が心筋梗塞・脳卒中の原因になり、SODがそれを治すというマッコード氏の論文が掲載され、成人病も活性酸素と関係がある、と急に日本でも研究が盛んに行われるようになったところだ。
SODは今後の医療に応用される丹羽氏は、いち早く活性酸素と病気の関係に興味を抱き、研究を始め、約10年前から学会報告を続けている。
■ SODの治療効果が実証され医療に応用
いまのところ、専門家以外の大半の臨床医には、活性酸素もSODもまだ聞きなれない言葉だ。しかし研究により、活性酸素が病気をおこすメカニズムが解明され、SOD治療効果が実証され始めている。今後は、医療にさらに応用されると考えられている。
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§5
治療の可能性をふくらませるSOD |
過剰な活性酸素を除去するSODを薬にしようと、世界中にさまざまなものが試みられているが、酵素はたんぱく質のため胃で分解し、口から服薬できるものではない。注射薬「リボゾームSOD」がフランスの国立科学研究所、バリ物理科学研究所のニッケルソン教授により開発されているだけである。
リボゾームSODは、丹羽氏により4年間にわたり、ベーチェット病・クローン病・潰瘍性大腸炎・悪性関節リウマチ、小児の川崎病など、難病の治療に用いられ、すぐれた効果が報告されている。しかし、注射薬では健康維持のために日常に気軽に用いることはとてもできない。
「SODという酵素は、分子量が3万以上もある高分子で、腸からは吸収できません。内服して吸収できる分子量の小さな物質で、SODと同じか、それ以上に強力に活性酸素を除去する、SOD様作用物質が欲しかったのです」と丹羽氏は開発の動機を話してくれた。
丹羽氏は、ここを出発点として自ら設立した丹羽免疫研究所で、SOD様作用物質の開発研究を精力的に続けていたのである。
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§6
植物中に豊富にあるSOD様作用物質 |
SODと同じような作用をもち、低分子なものに、フラボノイド・カロチン・ビタミンC・ビタミンE・タンニン・ポリフェノール類などの天然成分が知られている。これらは、胚芽・大豆・米ぬか・ハトムギ・ゴマなどの植物や穀物の中にたっぷり含まれる。
しかし、その植物のまま食べても、活性酸素を除去する作用は充分に得られない。なぜなら分子がしっかり手をつなぎあって、働けない状態になっているからである。この手を切って、働かせるようにする必要があった。
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現代人の胃液では、植物中のSOD様作用物質の吸収は困難
丹羽氏は、そこに気がつくまで、SODを含むものを飲ませても効果が上がらないと悩んでいた。「たまに10人中2人ぐらい効く人がいたが、そういう人はいわば原始人並みの強い胃液をもった人なんです。だから硬い穀物でも胃液で分解することができたが、普通の現代人にはとても無理」
その後、丹羽氏は植物の有効成分を活性化させる独特の方法を考案し、SOD様作用をもつ食品を完成させたのである。決め手は、遠赤外線焙煎と発酵だった。植物を低温でじっくり熱を加え、さらに麹で発酵分解すると、有効成分を活性化させることができたのである。さらに、ビタミンCなどの効力を失わせないように特殊な操作を加えて作った、植物の青汁の粉末が加えられる。
最後に、ゴマ油で油剤化する。活性酸素や過酸化脂質は細胞の膜で悪影響を及ぼすが、細胞膜は油となじみやすいので、油剤にしないと膜で充分に作用しないからである。
できあがったSOD様作用食品は、深緑色の顆粒状のもので、味はほろ苦い。これを健康食品としてならば、1日3回食後に摂る。
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天然のSOD様作用食品は吸収がよい!
「原料はどこにでもあるものばかりですが、成分を働きやすい形にしたことで、驚くほどの効果が得られるようになってきました」と語る丹羽氏。ビタミンC・ビタミンEなどは、さまざまな薬が薬局にも出回り、愛用している人も多いが、活性酸素の除去に役立っているのだろうか?
「体の仕組みは本当に不思議なもので、実験で天然のものしか細胞は受け入れないことがわかったんです。同じ構造なのに、細胞には天然と人工のものの違いがわかるようです」
だから、天然の植物を原料に作るものが、一番効果的ということになる。付け加えると、よく味噌汁が体にいいといわれるが、大豆を麹で発酵させてあるため、有効なSOD様作用物質が含まれているからと説明できる。
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§7
治療に応用されるSOD様作用食品 |
理論は理論として、SOD様作用食品は本当に効くのか?その効果が気にかかるところだが、丹羽氏が院長を務める土佐清水病院におけるデータを挙げてみる。ちなみに同病院では、医薬品では改善できなかった人の治療に用いて、大きな成果をあげている。治療効果を伝え聞いた患者さんが、全国から集まっているそうだ。
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SOD様作用食品は美容にも有効です!
また、常用していると健康状態の向上に役立つ。例えば、皮膚がキレイになり化粧のノリがよくなった、傷の治りが早く傷痕が残らない、シミ・ソバカスが消え顔のクスミがとれた、手足や腰の冷えがなくなり冬を過ごしやすくなった、贅肉がとれた、胃腸の調子が良くなった、などなど、多くの声が寄せられている。
「私の病院では、治療の95%にSOD様作用食品や生薬を使っています。化学医薬品を全く使わないわけではないんです。必要なときは、もちろん薬剤を使います。しかし、西洋医学の力だけに頼りきっていては、根本的な治療はできません。」
例えば、高血圧の場合、上がった血圧を下げる薬はありますが、上がらないようにする薬はありません。これでは、病気を治したことにはならないんです。結局、これらはいずれも症状を抑える対症療法です。
人間は自然治癒力をもっているのだが、現代は自然の摂理をあまりにも忘れています。本来の自然治癒力を補って高める治療が必要です。臨床の場で実際に治療に使われているSOD様作用食品は、現在、健康食品として認められている。効果があるものならば、医薬品としてもっと広く普及されてもいいのでは、という疑問がわくが、その前には西洋薬の効果判定法のカベがたちはだかっている。
「日本では、漢方製剤は別として、有効成分を取り出して、これだと特定できないものは医薬品として許可されないんです。天然植物を原料にしている限り、それは難しい状況ですね。欧米では、健康食品でも効果があるものは積極的に治療に取り入れているんだが・・・・・」と丹羽氏は、残念そうに語る。
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§8
癌治療にも効果が認められた生薬の大いなる力 |
丹羽氏は、SOD様作用食品の開発中に発見した独特の製造方法をさらに応用して、新しい薬剤を生み出している。天然の植物を原料として、含まれている有効成分をあますことなく引き出す方法によって、癌治療にも効果的な漢方薬が作られた。
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乳癌と胃癌に奇跡的な効果を発揮した!
丹羽氏は、日本における癌治療研究者の最高の学術集会というべき、日本癌治療学会(1991年度)で、その治療成績を報告した。報告では、乳癌と胃癌に56人に使用し、下記表のような、すぐれた成績であった。まさに奇跡≠ニいう形容詞が最もふさわしい効能効果というべきだろう。
「つくづく思うことは、神は自然の恵みの中にすべてのものを与えたもの、ということ。健康のために必要なものは、自然の中に存在していた」現代文明の中で、私たちは体に備わっている自然治癒力や、自然の恵みの力を見失っているのかもしれない。
科学・マインド・自然の3つのバランスがとれた医療が必要だと説く丹羽氏は、日本の医学会にあって、その言動はいささか異端児ともみられているようだが、本格的な「成人病時代」を迎えた日本で、革命児となるか。そのダイナミックな行動力は目が離せそうもない。
乳癌・胃癌の治療成績(5年生存率) |
乳癌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86%
胃癌(末期も含め)・・・・・・・・・・88% |
コ メ ン ト :
このころの丹羽博士は、「病気の原因の85%は、活性酸素が原因」としてますが、後の出版物では、更に臨床実績を集積され、「病気の90%は、活性酸素が原因」としています。
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