七兆円の薬剤費をどう減らす
新聞報道から、日本と欧米の薬事行政の現状を知ろう
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私たちは、病気になると、医師を受診し薬剤の投与をうけます。そして、ややもすれば、薬を多く処方する医師ほど「良いお医者さん、親切なお医者さん、丁寧なお医者さん」との印象を受けがちです。しかし、後述するように、肝炎・胃潰瘍・肩こり・腰痛・血圧降下などの薬剤で副作用死が認められた、との報道がされています。精査が十分でない場合の大量の薬の投与は、諸手をあげて賛成というわけではいかないようです。以下の記事がら、「薬事行政の一端」及び「薬の副作用」が垣間見える思いがします。
「病気の90%は活性酸素が関与している」と言われています。病気に罹り、薬の副作用を心配するよりも、活性酸素を除去して病気を予防し、薬の弊害の心配から少しでも離れるようにしましょう。
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米国医師の心得・薬の使い方についての戒め |
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米国では、薬を減らすことが医師の心得
米国で評判の医師用教科書「ドクターズルール
425」(邦訳:医師の心得)には、薬の使い方についての戒めが繰り返し出てくる。
【 ドクターズルール 425 】
@可能ならすべての薬を中止せよ。可能なら、できるだけ多くの薬を中止せよ。
A薬の数が増えれば、副作用の可能性はネズミ算的に増える。
B四種類以上の薬を飲んでいる患者は、医学知識の及ばぬ危険な領域にいる。
C高齢者のほとんどは、薬を中止すると体調が良くなる。
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日本では、利益を目的に薬を多く処方
ところが日本では、こうした医学教育が徹底していないうえ、薬をたくさん処方したほうが医療機関の経営にプラスになる独特の仕組みがあるため、患者に渡される薬は増え続けてきた。
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日本の薬剤費は世界一に膨張
日本の薬剤費は世界一にふくれ上がり、国民一人当たりの薬剤費は以下のようで、加えて薬禍や薬害も多発している。
英
国 の 3.2倍
米 国 の 1.6倍
ドイツ の 1.5倍 |
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製薬企業・厚生省・医学会のもたれ合いが薬剤費を膨張させる
医薬費の3割を占め、年間7兆円を超えてさらに増え続ける薬剤費に音を上げた厚生省が、削減策の検討を始めている。しかし、中央社会保険医療協議会と医療保険蕃議会の蕃議を見ていると、今回も小手先のものに終る心配がある。
製薬企業と厚生省、医学会のもたれ合いの構図は根深く、根本的な改革が叫ばれながら、今日に至っているからだ。今度こそ改革を実らせ、それを医療の質の向上につなげるために、以下の点を提案しておきたい。
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医療の質向上のための提案@
国際的評価薬以外は健康保険を認めない |
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国際標準薬は500種、日本は15,000種が認可。
第一は、国際的に効能が評価されている薬以外は健康保険による支払を認めないという方向を目指すことだ。
“医師のバイブル”と愛称される『メルクマニュアル』という本がある。最新の医学判断にもとつく診断・治療が1冊にまとめられている。10カ国後に翻訳され、治療の国際的標準とされる。この本に登場する薬は約500種だ。ところが、日本で認可されている薬は、15,000種にものぼる。
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日本では副作用の未知な新薬ほど儲かる
日本では新薬ほど公定価格が高く、医療機関が受け取る利ざや(薬価差)も大きい。そのため、新薬ほど使用量が大きくなる。しかし、これらの「新薬」のほとんどは海外に通用しないだけでなく、長く使われてきた薬と違い、未知の副作用も心配だ。さして効果のない薬が大量につかわれるような現状を改めなければならない。
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医療の質向上のための提案A
医薬品認可の基準を国際水準まで高める |
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日本の医薬品認可は密室で片手間で実施
第二は、それと関連するが医薬品認可の仕組みを国際水準まで高めることだ。米国では博士号をもつ医師、統計学者などの専門家約400人がフルタイムで臨床試験の厳密な審査にあたり、外部の委員の意見も仰ぐ。
一方、日本では20数人の厚生省職員と中央薬事蕃議会委員の片手間の審査に任されている。しかも、審議は密室で行われ、審査資料も公開されない。
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海外で通用しない薬が大量に
非科学的な判断があっても、外からはチェックできない仕組みの下で、海外では通用しない薬がたくさん生まれている。このいい加減な審判体制にメスを入れることが、不可欠である。
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医療の質向上のための提案B
薬剤費以外の看護料や技術料を充実する |
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薬剤費の過多で、他の医薬費が過少だ!
提案の第三は、薬剤費削減で浮いた費用を看護料や技術料に振り向けることだ。日本では、薬剤費が諸外国に比べて多いのと対照的に比べて多いのと対照的に「薬剤費以外の医療費」は極端に少ない。
★1993年の統計で比較すると、米国の2分の1・仏国の3分の2・ドイツの4分の3、にすぎない。そのため看護婦、作業療法士、理学療法士などが足りず、入院期間の長期化を招いている。
いびつな療法費配分の中で赤字を免れるため心身的な医療機関さえ、薬に利ざやを頼りにせざるをえない。もうそろそろ、この悪循環を断ち切るときである。
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