ステロイドの軟膏の副作用はみなさまよく御存知のように、一番知られているものとして正常な皮膚の若返り細胞(線維芽細胞)を叩いてしまって、若い組織が新生せず、古い組織ばかりが残って、皮膚が老化、萎縮してきます。
実際具体的な症状としては皮膚が薄くなり毛細血管が透けて見えるようになったり、出血しやすくなり、正常な皮膚がポロポロになって来るのです。
このステロイド軟膏の皮膚への副作用をネズミで実験する実験系があります。このネズミの実験系を使ってステロイド軟膏の副作用を確認し、そこへマグニーの石粉を入れますとステロイド軟膏の副作用である皮膚の萎縮が軽減したという実験がありますので御紹介いたします。
まず、ICRマウスといってステロイド軟膏を塗ると著明にその皮膚に萎縮が出現しやすいマウスがおります。このマウスを購入して表(2)のようにステロイド軟膏の塗布を開始します。表(2)の1段目には白色ワセリンでけしか塗っていない対象のマウスの皮膚の厚さを測って1段目の右端に記入します。即ち、白色ワセリンを1週間塗ってその時のネズミの皮膚の厚さを測ったものです。次に、2段目に白色ワセリンにこのマグニーの石粉を30%いれて作った軟膏をネズミに塗りますと皮膚が83.9→97.4に厚くなっている事がわかります。これでマグニーにはステロイドと全く逆で正常の皮膚を厚くする作用がある事が知られます。今度は3段目に、ステロイド軟膏(リンデロンVG軟膏)だけを塗りますと83.9→55.7と著しく皮膚が薄くなります。そこへ今度は4段目から6段目までの欄ですが、リンデロンVG軟膏の中にマグニーの石粉を10%,20%,30%混ぜたものを作って、これをネズミに塗布しますと、55.7とステロイド軟膏(リンデロンVG軟膏)で薄くなっていた皮膚が、6段目のマグニーの石粉20%入れたリンデロンVG軟膏では、66.3と厚さが回復してきています。この事はステロイド軟膏の中にこのマグニーの石粉20%〜30%含有させておくと、ステロイド軟膏による皮膚の副作用がかなり防げるという事を示します。
表(2)
ステロイド軟膏のマウス皮膚の萎縮効果とマグニー石粉によるその萎縮制御効果
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使用前
(g)
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体重使用後
(g)
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差
(g)
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胸腺重量
(r)
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皮膚の厚さ
(10-2o)
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白色ワセリン
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26.4±0.9
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28.2±0.6
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1.8±0.8
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54.8±17.9
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83.9±
6.5
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白色ワセリン+Msg-NY30%
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26.6±0.8
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28.7±1.4
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2.1±0.8
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70.4±
8.7
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97.4±14.5
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VGS
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27.1±0.6
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27.7±0.8
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0.6±0.3
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37.8±11.9
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55.7±
7.6
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VG
S+Msg-NY10%
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25.8±1.3
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26.3±0.6
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0.9±0.7
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39.9±9.3
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56.8±4.8
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VGS+Msg-NY20%
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28.7±0.7
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28.3±0.6
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0.5±0.1
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41.2±3.7
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66.3±8.4
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VGS+Msg-N
Y30%
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27.3±1.2
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26.2±0.8
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−1.1±0.5
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36.9±7.1
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25.4±7.3
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前述ようにマグニー石粉の入った軟膏はアトピー性皮膚炎に非常に効果を示すだけでなく、ステロイド軟膏の副作用も抑えることから、アトピー性皮膚炎が重症でどうしてもステロイド軟膏を使用しないといけない時に、このマグニー石粉を、20%〜30%入れてステロイド軟膏を塗ると、ステロイドの副作用が余り出現しないという事が証明されました。そういう意味でアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の治療に必要不可欠という事が言えます。
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