健康食品にも注意必要だ!!

野菜スープ、青い魚、DHA有用論も似通った発想
丹羽靱負・土佐清水病院長:活性酸素で死なないための食事学(廣済堂出版)から


 野菜スープ、青い魚、DHA有用論も似通った発想

  以上お話してきたことで、市販されている健康食品が、健康維持、健康増進に対する根拠が薄弱だということが、大体お判り頂けたと思います。栄養が不足したり欠乏している人々が皆無に近い現状の中で、セレニウム製剤や、ビタミン剤を多量に内服させたり、ある一定以上摂取すると体に有害な不飽和脂肪酸を含んだイワシをどんどん食べなさいとか、同じ不飽和脂肪酸であるDHA、マグロの目玉をどんどん食べなさいとか、野菜スープが癌に効くというような宣伝文句などは、全て共通で似通った発想として挙げられます。
  即ち、極く少量の不飽和脂肪酸、過酸化脂質は、体の代謝維持に必要なアラキドン酸カスケードの回転(進行)があり、生体にとって必要不可欠なものです。しかし、ある一定量を超すと、体に有害であるにもかかわらず、その不飽和脂肪酸を多量に含有している青い魚やマグロの目玉、不飽和脂肪酸そのものであるDHAを多量に食べさせたり、飲ませたり、また野菜が健康にいいのは当然のことなのですが、病気や癌の治療にも有効であると拡大解釈したりする。このような現代の健康食品の真の科学性を欠いた製造、販売、宣伝では、(現代の化学薬品の薬剤が深刻で、早急に我々良心的な医療従事者が団結して反対しなければなりませんが)我々は諸手を挙げて彼らに頼って行く気にはなれないのです。