病気予防は第一に日常健康管理、次いで「SODロイヤル」
健康の管理には、病気に関する知識が欠かせません。本シリーズでは、さまざまな症状と病気との関連を掲載し、読者の方が適切な治療の機会を逸することなく、早期の精密検査をするための資料を提供いたします。 |
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5月の朝。忙しい食事時に、ご主人がA子さん(33)に「ちょっと顔色が悪いよ」と言った。気になって鏡をみると、ちょっと黄色っぽい。「黄疸(おうだん)かな?」とA子さんは思ったが、酒も飲まなければ、これまで一度として肝臓障害を指摘されたこともなかった。 |
Q1… 肝臓の機能は悪くないのに、黄疸のように、顔色が黄色っぽくなるいことがあるのですか? |
A…ちょうど子供が湿疹で皮膚科に通っていたので、一緒に診察を受けた。結果は柑皮症。 ○柑皮症 「オレンジやみかんをたくさん食べると肌が黄色くなる病気で心配はありません。今は冬場のみかんのシーズンだけでなく、いろんなオレンジ類がシーズンだけでなく出回っていますし、ジュースを飲む人、それもガブ飲みする人が多いため、一年中みられます」と、葛西皮膚科クリニック(東京・江戸川区)の小林明博院長(66)は言う。 |
Q2…「柑皮症」による顔色の変化と「肝臓機能低下」による顔色の変化の見分け方は? |
A…「肝臓や胆道に障害が起きたときに、胆汁の黄色の色素であるビリルビンが血液中に増加し、肌が黄色くなりますが、この場合は白目の部分も黄色くなりますし、何より血液検査をすると総ビリルビン値が高くなっているので、すぐに分かります。」 |
Q3…顔色が白っぽくなる場合は、どんな病気が考えられますか? |
A… |
Q4…高齢になるとできやすいといわれる「紫斑(病)」について説明してください。 |
A…(60)代のY男さんは、下肢や腕に紫斑(しはん)が出るようになった。 「お父さん、早く診察を受けた方がいいわよ。私の友人で白血病と診断された人がいたのよ。」娘さんの忠告が、Y男さんを病院へと向かわせた。 ところが、医師は「老人性紫斑ですね、心配はありません」と、さっさと診察を終えようとする。 「あの〜っ」と声をかけようとすると、「これといって治療は必要ありませんが、ビタミンCをこれまでよりも少し多くされるといいでしょう」と、医師はアドバイスした。 小林院長は老人性紫斑病について、やはり、「心配はいりません」といった後、紫斑病の原因を次の3つに分類した。 @血小板減少 血小板は出血を止めることに大きく関係しているが、これが少ないと出血しやすくなり、病気としては特発性血小板減少性紫斑がある。血小板の寿命が短くなり、急に全身に細かな紫斑ができる。この特発性とは別に、いろんな病気が原因となって血小板が減少するケースもある。白血病、再生不良性貧血など、難病からくる二次性血小板減少症である。 A血液の凝固異常 血液凝固異常としては、先天的な病気としては血友病が有名。これに対し、何らかの原因により、後天的に凝固因子が欠乏するのが、肝臓病や、白血病、癌なである。 B血管壁の異常 そして血管壁の異常としては、アレルギー性の紫斑病がある。「アナフィラクトイド紫斑病という病気で、薬のアレルギーもあれば体調が悪くて起こるケースもあります。紫斑がときには盛り上がり、腹痛や関節痛を伴うこともありますし、腎臓を侵されることもあるので、注意が必要。重大な病気なので、大学病院など大きな病院の血液内科へすぐに行ってほしいですね。」このほか、今はほとんど見られない壊血病や、前出の老人性紫斑病などがある。 |
Q5…あざ(痣)にはどんな種類がありますか?注意すべき点は? |
A…あざやほくろは、ヘモグロビン(血色素)と色素細胞が作り出すメラニン色素で作られ、これに、あざのできる皮膚の場所の浅い深いなどがかかわって赤あざ、黒あざ、青あざができている。 ○赤あざ これにはもりあがっているとあざと平らになっているあざがある。 @盛り上がっているあざ…「盛り上がっているのはいちご状血管腫。生後数ヵ月たって盛りあがるケースが多く、お母さんたちは大変心配されますが、放っておいても5、6歳までにはほとんど消えます。 A平らなあざ…平らなあざにはサーモンパッチとポートワインマークがあり、成長とともに皮膚がのび、目立たなくなります。 ただし、赤ワインをこぼいたようなポートワインマークの中には脳や神経に影響を及ぼすスタージ・ウェイパー症候群もあります。緑内障やてんかんを起こすため、MRI(磁気共鳴画像法)をとって精密検査を受けておくといいでしょう。」と小林院長はアドバイスする。 ○黒あざ メラニンが増殖してでき、自然に消えることはないが、特に治療の必要はない。ただし、ミルクコーヒーをこぼしたような斑点は要注意。「レックリングハウゼン病の疑いがあります。将来、盛り上がって柔らかいコブになることよりも骨や内臓に奇形を伴うため早期に検査が必要です。」 ○青あざ 皮膚の深部にメラニンがたまるため、青あざとなって見える。蒙古斑もこの一種だし、主に顔の左右片側に出る太田母斑もこ一種である。蒙古斑は自然に消えるものの、そのほかの青あざは残るケースが多い。 ○ニキビと間違えやすいプリングル病 「このほか、ニキビと間違えやすいあざがあります。鼻の周辺にできることが多く、ニキビは中の脂肪が出て治りますが、これは脂肪がたまるプリングル病です。ニキビと思われる症状からはじまり、進行すると目では眼底腫瘍を起こしたり、脳では硬化症を起こすため、知能の低下につながります。」 あざの多くは良性だが、なかには恐いあざもあるので、気になるあざは皮膚科で精密検査を。 |
【 白なまずの治療法 】 色素の抜けた白斑が体にできるのが尋常性紫斑、俗称、白なまず。全身に広がると治りにくくなるので、限局型のときに治すことを心がける。 治療はPUBA(プバ)療法。ソラレンという薬を服用してから2時間後に波長の長い紫外線を白斑部に照射。照射時間は約20分。これを1日おきに行う。さらに汎発型にはステロイド(副腎皮質ホルモン)を併用すると効果あり。 【 紫斑と紅斑のチェック法 】 血管が広がってできている紅斑と、出血してできている紫斑とを見極めるには、ガラスの板でその部分を圧迫してみると一目瞭然。 紫斑の場合はその色が消えず、紅斑の場合は消えてしまいます。単なる湿疹などの場合は、押せば赤みが消える紅斑である。 もし、押しても消えない紫斑であればすぐに専門医の診察を受けるべきである。 【 あざの治療 】 今、以下の3つの方法が用いられている。 @ドライアイスや液体窒素を使った「冷凍療法」 Aレーザー光線で行う「レーザー治療」 B手術による「形成外科的治療」 最も人気を呼んでいるのはレーザー治療だが、あざの種類によっては効果がえられないケースもあるため、専門医にしっかりチェックしてもらうことが大事である。なお、96年からレーザー治療に一部保険が適用されている。
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