\ 我々の治療にみられるQOL

  以上のように、疾患や患者によって chemotherapy,radiation にも及ばないような驚異的な治療成績を示したが、一般に癌に対する治療効果を西洋医学が評価する場合、例えばchemotherapy によって4週間以上に腫瘍が1/2、1/4に減少し、マーカーが改善されたものを例えば有効と判定している。この評価方法は非常に大きな抜け穴であり、chemotherapy,radiation は確かに一時的には癌を非常に強い力で抑える。しかし、人間の正常な細胞がその cytotoxic な影響を受けて、癌より遥かに強い damage を受ける。癌は強力でゼロにはならないので必ず再燃する。その場合、またchemotherapy を行なう。さすれば癌はある程度は縮小する。しかし、人間の細胞は更に一層で damage を受け、最後には chemotherapy,radiation により癌より先に人間が苦しんで死亡してしまうという治療法が、誠に申し上げにくいが、現在西洋医学の全てである。
  西洋医学の先生には申し訳ないが、このような抗癌剤の評価方法で、優れた抗癌剤だとして新薬に採用されても、実際患者さんにとっては、早晩苦しんで死ぬだけど、少しも有りがたい治療とは云えないのである。
  丹羽療法は以前は上述のBG-104のみだったが、約5年前よりBG-103、A-AG、更にはBWSの開発により、短期間の切れ味、即ち画像陰影での腫瘍の縮小、マーカーの改善についても、副作用の強い chemotherapy,radiationに勝るとも劣らない切れ味を示すことが、病気や症例によって度々経験している。
  それに加え、更に我々の治療の世界に誇れるところは、good QOLの維持である。簡単に実例を挙げると、当院に常に入院している50〜60名の進行・末期癌患者さんの殆どに末期癌特有の悪臭がみられない。悪臭が認められた患者は僅かに12/956である。肺癌末期に画像陰影悪化するが、血ガスのPO2が低下しない。また、死亡し際し、呼吸困難を伴わないという恩恵がある(PO2低下は33/84、呼吸困難を伴って死亡した患者は49/84)。また、末期に免疫低下がみられないと云う特徴がある。即ち重症膠原病患者、末期癌患者は免疫低下を招き、herpes の合併が常識であるが、当院では herpes 合併患者は非常に少ない(herpes 合併の見られた患者は僅か2/956であった)。
  次に、これは驚異的な事実で西洋医学の医師には信じて頂けないと思うが、白血病(特にAML、CML)の末期患者が好中球数が100個を切っても感染症がみられた患者がほとんどいない。私の病院は建築後25年経っていて、雨の漏るような病院で、且つ無菌室も設備されていないが、好中球が100を切った末期の患者で感染のあった患者は1/14であった。次いで、骨転移の患者で骨の痛みが軽減或いは消失した患者が非常に多い(骨転移の疼痛増強は69/112みられた)。
  最後に、我々の治療法でもっとも特徴的なことは、たとえマーカーが悪化し、画像所見が増悪しても死亡寸前まで、食欲が維持され、顔色良好、気分爽快、意欲の保持、体重減少が少ないと云う特徴がみられる。まさに治療、延命効果に優れているだけでなく、本当に得がたいQOLが患者に与えられると云う特徴がある。Fukudaらは、末期癌にみられる悪液質は、患者体内に発生する細胞障害性の有害過酸化脂質に基因することを報告している。我々が患者に内服させていた天然の抗酸化剤、天然の制癌剤が生体内で発生する活性酸素を除去し、過酸化脂質の産生を抑制させたため、悪液質が起こらず、末期癌患者に優れたQOLが維持された事が推測される。