症例10:63歳、男性、C型肝癌(HCC)、リンパ節転移


  1974年十二指腸潰瘍の手術の際に輸血を受け、1994年C型肝炎と診断され、2年後の1996年に肝臓癌に進行していることが診断された。1998年にPEITを2回、1999年TAEを1回施行した。更に患者はリザーバーの化学療法を受けるようにすすめられたが拒否し、1999年5月当院を受診した。図20の腹部CT(1999年7月)に見られるように、巨大で多発性の腫瘍が肝臓にに見られ、リンパ節転移も見られた。また、更に患者は6万を超す異常に高いAFP値を示し、図21に見られるように、肝臓癌はBG-104、BG-103、BWSの治療に抵抗し、末期癌へと進行して行った。触診により患者の巨大な肝腫瘍が触知可能になり、我々は1〜2ヶ月後の8月末には死亡すると予測した。しかし、8月末に13万を超す異常値を示していたAFPが、9月末から低下し始め、図20に見られるように、1999年12月14日の腹部CTでは、肝腫瘍が著明に縮小したのが証明された。以後患者は寛解状態を保っている。

 


図20

 

図21