U 1970年代は地球の変化した年である |
(a) 癌、重症の膠原病、アトピー性皮膚炎の激増と重症化 このようなADの変化は、1970年を境におこった。1970年というのは、また、癌患者の数が非常に増加し始め、膠原病では、SLE、皮膚筋炎というステロイドのなかった40年前には殆どの患者が1年内外で死亡していた重症疾患であるが、1970年を境としてSLE、皮膚筋炎患者がステロイドでコントロールされるステロイド量が極端に増加し、重症の患者の約半数はパルス療法と云って大量のステロイドを点滴し、更には抗癌剤、サイクロポリンなどの所謂免疫抑制剤を併用しなければ悪化して死の転帰をとってしまうようになったのも1970年を境としてである。また、、昔日本になかったクローン氏病・潰瘍性大腸炎・多発性硬化症などの難病が日本人に発生し、その数が増えてきたのも1970年を境としてである。 (b)1970年には地球の環境汚染がピークし達し活性酸素が激増し始めた年である。 この1970年というのは、徐々に増悪して来ていたち球の環境汚染が飽和状態ピークに達した年である。いかなる環境汚染物質が、癌、膠原病、ADの患者を増加させ、重症化させているいるかというと、演者が25年前より、研究をはじめた活性酸素がその元凶となっていることが明らかになってきた。この活性酸素は、生体で作られる場合は、体内のカビや細菌、ウイルスを攻撃し、自己防衛的に働くのであるが、体内で異常に発生したり、外因性に大量に産生された場合は、人間の体を攻撃し、上記の多くの疾患を発生させるのである。いかなる環境汚染物質が活性酸素を増加させて1970年代にみられる多くの難病の増加・重症化につながったかというと、歴史的には除草剤、農薬、パラコート、スミチオン系の殺虫剤、それにある種の抗癌剤などが挙げられるが、この10年、活性酸素の研究が非常に進歩し、環境汚染物質で活性酸素を異常に発生されている主な汚染物質は、自動車の排気ガス、製鉄工場や町工場で重油を焚いた時に発生する窒素酸化物(NOx)であると云うことが明らかにされてきた。 (C)オゾン層の破壊と活性酸素の増加 また、ついで近年環境汚染で地球の存亡にもかかわる問題はオゾン層の破壊である。何億年も前に地球が溶岩でドロドロだった時代、太陽光線の紫外線は、まともに放射されていた。紫外線というのは、地球上の物体に放射されて、地球上の物体に放射・衝突された際に、活性酸素4種類の中で一番強力な1O2(二重項酸素)を発生し、地球上の細菌やカビやウイルスを溶解・殺傷するのがその元来の役目である。従って、冬の衣類やお布団を夏、物干し等やマンションの手すりの欄干に干すのは、その紫外線の発生する1O2による殺菌効果を期待して行なっているのである。少量の紫外線ならばいいのであるが、紫外線が大量になると、今度はこの1O2が動植物の生体の細胞を攻撃し始める。 動植物が何も住んでいなかった地球が溶岩でドロドロだった時代は、太陽から放射されるこの強力な紫外線が全量地球上に放射され、大量の1O2を発生して動植物などは皆目住める状況ではなかった。当時は動植物が地球上に生息していなかったからよかったのであるが、何万年も前に地球の溶岩が固まって、そこへ動植物が生息を始めた。途端に地球上数万キロ上に薄い水滴の層、即ち、オゾン層が形成され、このオゾン層は地球上のカビや細菌を殺すに必要な1O2を発生させる最低量の紫外線のみ通過させ、それ以上の殺人光線である紫外線は、オゾン層から太陽に反射されてくる仕組みになったのである。そのおかげで、地球上に殺菌が保たれつつ動植物が住んでいけるようになった。 しかしこれは、上記の1970年までであり、1970年は上記のように、地球の環境汚染がピークに達した年である。ということは裏を返せば、企業が豊かになり、工場がどんどん出来てきた時代であり、従って一般の庶民は、就職難どころか求人難になって来た。給料のよい企業を庶民が自由に選択できるようになって来た。1970年というのは、環境汚染がピークに達したのと同時に庶民の生活が豊かになった年である。各家庭に一軒ずつクーラーがいきわたり、冷暖房設備が完備し、そのクーラーの出すフロンガス、段増設備の出す炭酸ガスが上空に舞い上がり、オゾン層に穴を開け出した、いわゆるオゾン層の破壊が発生し始めたのもこの1970年である。 このようなオゾン層の破壊によって、異常に増量した紫外線が大量の1O2(活性酸素)を発生するようになり、また、前述の製鉄工場、町工場が重油を焚いて発生する窒素酸化物、また自動車の排気ガスの発生する窒素酸化物の発生する活性酸素と云った具合で、地球上の動植物は大量の活性酸素の洗礼を受けることになってしまったのである。その結果、上述の癌、重症の膠原病にADが激増、重症化してきたのである。
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