ホームBOOK紹介 > 「薬が病気をつくる」 〜それでもあなたは薬を飲み続けますか〜 宇田川久美子 博士
 

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『薬が病気をつくる』
〜それでもあなたは薬を飲み続けますか〜

宇田川久美子 薬剤師・栄養学博士 著

 

 
   薬剤師の著書が「薬が病気をつくる」と言う、言わざる得ない状況が現在の日本なのかもしれません。著者はそんな薬漬けの現状に疑問を感じ『薬剤師は薬を飲まない』などの著書を始め数々の警鐘を鳴らし続けています。
   「薬を飲むということは、何かしらの不調があるということ。にもかかわらず、薬を飲んで症状が消えたら、それでOKとしていませんか?薬があることで不調はいったいなぜ起きているのか≠フ根本原因について考えることを無意識のうちにしなくなり、なくす努力を忘れ、そのまま放置してしまい、結果、世の中には相も変わらず病気がはびこり、正しい生活を送っていればかからない病気で人々は亡くなり続けている。薬は体にとって異物≠ナす。化学的に合成された不自然な人工物、これが薬です。この異物が体内で毒として作用し、体を蝕んでいる事実があることをご存知ですか?
   もちろん、薬のおかげで助かるとき、薬を飲むべき時もあります。しかし、薬の大半はなくてもいいもの、ないほうがいいもの、あってはならないものと言っても過言ではありません。薬があるから大丈夫、は健康的な生活を脅かす悪の呪文なのです」
   冒頭でこのように言い、薬剤師の立場から様々な薬に関する間違いを指摘しています。その中のいくつかのトピックスを紹介します。
   まず最初は、新しい薬=いい薬というのは本当か。
   新しい、という響きを聞けば誰でもいいものと思いがちですが、薬に関しては、新しいということはそれだけ臨床データが少なく、新しければなんでもいいわけではないそうです。
   次に、予防接種。著者は言います。予防接種は劇薬だと。
   「結論から言えば、ワクチンはどんなに推奨されても打つ必要のないもの。もっと言えば打たないほうがいいもの。ワクチンがどういうものかを考えるとそのことがわかります。病原体をあえて注射し体内に入れることでそのウイルスに対する抗体をあらかじめ作っておく、これがワクチンです。毒をもって毒を制す、というわけですが、入れたワクチンが体内で活性化しては元も子もありません。そこで活性化を抑える成分が必要になります。インフルエンザにはホルマリン。他にもアルミニウム、水銀といったさまざまな発がん性のある有害物質が含まれています。かかるかどうかわからないインフルエンザのためにこれだけの異物、劇薬を体内に入れるのです」
   日本ではお年寄りや子供は優先的にワクチンの接種ができるようになっていると言います。が、この話を聞くと、逆に抵抗力のないお年寄りや子供に必要なのかどうか疑問です。丹羽先生も同様のことを話しています。
   さらに、面白いのは、骨粗鬆症の話です。高齢社会となった今、薬局にズラリと並ぶカルシウムのサプリメントの数には驚かされます。骨密度の低下が骨折につながるような説明もあります。しかし、「骨密度は歳と共に減るのが当たり前。お年寄りの骨折の直接の原因は、筋力が弱くなり転びやすくなるからです。大事なのは骨密度を上げることではなく、骨折を防ぐこと。転ばないような体をつくること。骨粗鬆症で処方される薬は、食道に潰瘍を起こすほど刺激の強いものを空腹時に飲まなければいけないので、たっぷりの水で、飲んだら30分間横になってはいけないのです。横になると胃から食道に逆流し、逆流性食道炎を起こす危険があるのです。他の副作用も、便秘、腹痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、目のかすみ、むくみなどなどきりがないくらいあります」
   ほかにも、胃薬で消化不良になるとか、風邪は風邪薬では治らない、痛み止めで免疫力が下がる、ピロリ菌がすべての胃がんの原因ではない。逆に駆除する強い抗生剤で腸内のいい菌まで駆除してしまうといった薬に関する話が満載。
   大切なのは、体調がすぐれないからと言ってすぐ医者、すぐ薬ではなく、自分の体と向き合うことだといいます。そうすれば原因もおのずと見えてくる。それらを自分で改善していくことが健康への近道だと言います。
   厚生労働省の「健やか生活習慣」でも、1に運動 2に食事 しっかり禁煙、最後に薬と記されているのですから。
 

 


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