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『医者の嘘』 〜医者は自分の都合でウソをつく〜
石井 光 新日本橋石井クリニック院長 著

 

 
   今回紹介するこの『医者の嘘』は、2014年秋に幻冬舎から出版されて話題になった本です。著者の石井医学博士は、消化器系の専門として40年余り様々な経験を積んできた医師です。東京駅近くに自身のクリニックを開業して18年。年間3000件もの内視鏡検査や手術を行っています。
   ふとしたことからコラーゲンが美容にいい成分≠ニいうだけではなく、骨や血管の健康と大きくかかわっていることを知り、臨床を重ねました。しかし、この事実があまりにも知られていないことから、多くの人に知らせたい一心で『血管が若返れば健康寿命はのびる』という本を出版しました。おのずと、整形外科や循環器系の患者さんが増えました。すると、信じられないひどい治療を受けている現実を知ることになりました。多くの勉強不足の医者が不要な手術や薬を押し付けている現状があったのです。一方、10年ほど前からは、がんの免疫療法にも取り組まれ、そこでも医者の凝り固まった旧態依然としたがんの治療法に愕然としたそうです。
   そのような経緯から、医者の嘘を知り、患者さんが賢くならなければと、今回の本を書かれたそうです。
   がんのくだりでは、丹羽先生が口を酸っぱくして言い続けてきた、抗がん剤は健康な細胞も根こそぎ殺してしまい、がん細胞が死ぬよりも人間がダメになるほうが早いという、まったく同じことを訴えています。また、抗がん剤が第二次大戦中に使用された毒ガスが主成分で、半世紀以上たっても成分に大きな進歩がないこと、欧米では使用されなくなっていることなど書かれていて、丹羽先生のおっしゃるお話とまったく同じでした。このように、もはや隠しようがないくらい多くの医師たちが、抗がん剤は効果がないどころか、害であるということを声高く発するようになっているのだと思います。
   今回は、そんな本の中からがん以外の身近なテーマ、リウマチ、糖尿病、高血圧、膝や関節などに絞って紹介したいと思います。
 
   リウマチや膠原病の治療でがんになる
 
   これは丹羽先生もよく言われます。リウマチや膠原病の治療に日本のほとんどの医者は、まず、ステロイド、次に免疫抑制剤を使うと言います。「リウマチや膠原病は自己免疫疾患といって自分の身体を免疫が攻撃してしまう病気です。免疫抑制剤は、暴れている免疫を抑えて症状を改善しようという目的で開発されたものです。がんにとってみれば、免疫抑制剤を投与された患者さんの体内は、無法地帯のようなもので、増殖、転移のし放題になります。免疫抑制剤を飲み続けると、がん患者と似たような体内環境を人為的に作ることになり、がんが発生しやすくなるのです。リウマチの薬は一生、飲まなければなりません。医者は、そのようなリスクを患者に告げずに免疫抑制剤を処方しています」
   丹羽先生もよく「リウマチ自体は命に関わることはない。そのために命を奪う薬(ステロイド、免疫抑制剤)を飲むな」と言います。
 
   糖尿病を治療しても合併症は減らせない
 
   糖尿病患者の数は、治療を受けていないけれど糖尿病の可能性が否定できない人も入れると、全国で2300万人に上ると言われています。日本の人口が1億2500万人ですから、約1割近い人が糖尿病およびその予備軍というわけです。
   糖尿病は、血糖値が高くなる病気と言われ、原因は血糖値を少なくする働きのあるインスリンというホルモンの一種が不足したり、弱くなったりするからとか。糖尿病は何は恐いかというと、合併症と言われる、連鎖したさまざまな疾患だとされています。例えば腎疾患になり人工透析をしている人のほとんどが糖尿病患者だといいます。他にも、眼底出血による失明、脳出血、心筋梗塞、足の壊疽なども圧倒的に糖尿病から端を発しているそうです。
   しかし、糖尿病には、インスリン投与や、血糖降下剤で血糖をコントロールしているのに、糖尿病の合併症は減らないそうです。それは血圧を下げる降圧剤でもしかりだといいます。著者の石井先生は言います。
   「それはなぜでしょうか。高血圧も糖尿病も、血管の治療を無視しているからだと思います。高血圧や糖尿病で合併症が発生する原因は、いずれも血管の動脈硬化が原因です。動脈硬化は、降圧剤や血糖降下剤で治すことはできません。だから、いくら血圧や血糖値をコントロールしても合併症を予防することは不可能なのです」
   このことは、丹羽先生も高血圧や糖尿病の薬は、原因である血管の詰まりを治さないで、ただ血圧を下げる、血糖値を下げるだけのものです、といつもおっしゃっています。数値は下がるけれど、原因は取り除かれていない、良くなっていないわけですから、数値だけで安心してしまったら、余計に怖い話です。
 
   「骨粗鬆症薬」の嘘、「軟骨は再生しない」の嘘、「骨密度が上がっても骨粗鬆症は改善しない」
 
   次は、老化とともに誰もが気になる、骨のこと、関節のことです。間もなく国民の4人に一人が65歳以上の高齢者という時代がやってきます。これは世界中でどの国も体験したことのない現象です。ようやく厚生労働省も平均寿命の年齢ではなく、健康寿命の年齢を高めることを推奨し始めました。人は歳をとって歩けなくなると急激に老化すると言います。運動機能は骨や筋肉だけでなく脳にも影響を及ぼすのでしょう。そこで巷には骨を元気にするといった健康食品のCMがあふれています。
   そんな骨、関節に関する医者の嘘とはどんなことでしょうか。まずは骨粗鬆症についてです。
   「女性の中には骨粗鬆症を気にしている方、またすでに治療をされている方も多いはずです。そのような方にぜひ知ってほしい真実があります。それは骨粗鬆症の薬にはがんになるリスクがあるということです」
   いきなり衝撃の一言です。このわけは、骨は常に生まれ変っていて、その中に、骨芽細胞からなる新しく作られる骨と破骨細胞からなる古くなって吸収される骨があるそうです。骨密度は両者の働きのバランスで決まります。骨粗鬆症の薬は、破骨細胞を破壊することで骨密度を上昇させる作用があるそうです。
   「なぜかこの骨粗鬆症の薬は、内服期間が10年しかないのです。それ以上は使用してはいけないと。それはどうしてか調べたところ、動物実験のなかに骨肉腫ができたという報告があったのです。ということは、骨粗鬆症の薬は、破骨細胞と同時に免疫細胞も殺してしまうから発がん性があるのではないかと思うのです。だから10年以上服用してはいけないのです。医者は、そのことを患者に黙っているのです」
   50代で骨粗鬆症の診断を受け、薬を飲み始めたら、60代でやめなければならないとすると、そのあとどうすればいいのでしょうか。60代からがいちばん骨粗鬆症が進行するときなのに。そう考えると、なんとも理不尽です。
   骨に関する話はさらに続きます。骨を丈夫にするにはまずカルシウムを多く含む食品を摂る、これは子供のころから言われ続けてきたことです。ところが石井先生は言います。
   「カルシウムを摂ると骨密度が上がり、骨が丈夫になると言われています。しかし、骨の主成分はカルシウムだけではありません。コラーゲンもあるのです。骨の三分の一はコラーゲンです。鉄筋コンクリートの建物に例えると、カルシウムはコンクリートの部分でコラーゲンが鉄筋部分ということになります。もしもコンクリートのなかに鉄筋が入っていなかったら、硬いけどもろく、ポキッと折れやすくなります。つまりコラーゲンが不足している骨は骨折しやすいのです」
   そして話は膝の痛みへと続きます。
   加齢とともに膝の痛みを訴える人は増えています。そして医者からは、膝の軟骨がすり減っている、軟骨は元には戻らないと言われます。
   「軟骨の成分は、タンパク質と糖が結合してできたものです。その中には、ヒアルロン酸、グルコサミン、コンドロイチンがあります。よく耳にする成分です。膝にいいというサプリとして盛んにCMされています。、これらは確かに軟骨の成分ですが、もっと大事なものがあります。これらの成分を外側で覆っている膜、コラーゲンです。弁当箱に例えると、中に入っているご飯やおかずがヒアルロン酸、グルコサミン、コンドロイチンで、弁当箱に相当するのがコラーゲンです。ご飯やおかずがあっても、弁当箱がなければバラバラになってしまいます。そちらが大事かというと、弁当箱のほうです。弁当箱がしっかりしていないとヒアルロン酸などをいくら捕っても意味がありません。一生懸命にサプリを飲んでも膝の痛みは良くなりません」
   さらに、軟骨がすり減ってしまった患者さんに高品質の魚の皮から抽出したコラーゲンを飲んでもらったところ、数か月後、軟骨が再生していたと言います。杖を突かないと歩けなかった人が自力で歩けたそうです。しかし、このことも、医者の勉強不足と、お金儲けのために普及されていないそうです。
   「たいていの病院では、関節は再生しません、手術しかないと言われます。人工関節の手術を一度してしまったら、10年に一度くらい、入れ替えなければならず、一回の手術は数百万円です」
   以前、登場してくださった北九州のひらの整形外科クリニックの平野先生も、骨や関節に関する健康補助食品はほとんど効かない。それよりはSODを飲んでいるほうが血行が良くなり、活性酸素を除去できるから、症状は改善される、とおっしゃっていました。
   ほかにも、がんに関する嘘や、ピロリ菌除菌の嘘、健康診断、人間ドックの嘘、うつ病の嘘、大病院信仰の嘘など様々な医者の嘘、勉強不足、薬の嘘などが詰まった一冊です。最後に、本書の前書きの一文を紹介します。
   『政府は国民医療費の削減に躍起になっていますが、私から見れば、医者が不要な手術や薬を押し付けている現状にこそ問題があると思います。増え続ける国民医療費は、もしかしたら医者の嘘が原因のひとつではないかと』
 

 


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