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〜安保徹×石原結實×福田稔〜 実業之日本社刊 |
Book 008 |
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『非常識の医学書』 〜安保徹×石原結實×福田稔〜 |
実業之日本社刊 |
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新しい「家庭の医学書」 今回紹介する本の著者である3の方は、すべて西洋医学のお医者さんです。しかし3人とも、病気を治すのは薬や手術ではない、最新の西洋医療ではないと言う共通点があります。根本のところで丹羽先生とも共通しています。安保先生は免疫学の第一人者。本も多数出版されている新潟大学大学院の教授。石原先生は断食道場などでも有名な自然治癒力を推奨する医師。福田先生は消化器系の外科医から自律神経免疫療法を編み出し、推進している医師。この3人の医師が、様々な病気を解き明かし、その対処方を教えてくれています。 この本は、いわゆる西洋医学の立場から作られた従来の「家庭の医学書」ではなく、人間の体のメカニズムに沿った、現代の正しい「医学書」と言えるのかもしれません。 最初、みなさんがなるほどと納得して頂くために自身の著者紹介の分を記載します。 ◆ 安保 徹 (研究家) 「野口英世に憧れて医師を目指しましたが、研究医時代に担当した、がん患者さんの生還率はゼロでした。このままでは病気を治せないと現代医学に見切りをつけて免疫学研究の道に入りました。病気を治したくて医師を目指したのに治せないジレンマが今の自分の原点です。いくどもの挫折を繰り返し、心やストレスと健康の密接な関わりを自分の体で確認してきました。無理をしすぎない、怒らない、心のコントロールを常に行っています。免疫学の研究からどんなときでも自分の血液を採取して白血球の状態を確認しました。私の研究室が火元になり火事を起こして他の研究室にまで迷惑をかけてしまったときも、教授になかなかなれなくて落ち込んでいたときも、免疫学から体調の変化を観察する事ができました。どこにでもヒントがあるので、人の話をよく聞き、自分で試して理論を確立させてきました。」 ◆ 石原結實 (実践家) 「私の先祖は八代前から種子島の御典医、漢方医の家系でした。長崎大学医学部を卒業後、大学の血液内科に入局し、大学病院や原爆病院で重症の原爆後遺障害を持つ多くの患者さんを診察して、ともかく悪性腫瘍を殺そうと抗がん剤を3、4種類組み合わせた多剤投与を行っていました。が、治療のかいもなく、白血球や血小板がどんどん減り、患者さんは最後は肺炎や大量出血で死んでいきます。そのため治療法や医療行為に疑問を持つようになりました。そこで世界初の自然療法病院であるスイスのB・ベンナー病院で難病奇病の患者さんをニンジンジュースで治しているのを知り、研修に行きました。コーカサス地方の長寿村では健康の一番の秘訣を学んできました。20年も前から伊豆に自分自身の理論を証明すべくヒポクラティックサナトリウム施設を設立し、食べないことで健康になる、ニンジン・リンゴジュースを使った断食方法や水毒、冷えを解消する生姜紅茶を提唱し、たくさんの人が健康を回復されています」 ◆ 福田 稔 (治療家) 「尊敬する人は江戸時代後期の水野南北。顔相見の創始者です。黙って座ればぴたりと当たるといわれたほど、人相から未来を予想できた人です。私は水野南北になることはできませんが診て、聞いて、触って、話す≠心がけて患者さんの病状の把握に努めています。患者さんの顔貌、顔色をよく見てどのように具合が悪いのか、話をよく聞き、体に触れて手足の温かさを調べて生活面のストレスを確認しています。当たり前のことがなによりも大事です。専門は消化器疾患で、胃がんや大腸がん、虫垂炎などの外科治療、悪い部分は手術で切除して治す外科医でした。手術で治ると思ってきましたが、1、2年後には半数以上が再発し、そのうち8〜9割は死亡するという、生存率が上がらない現状や術後の後遺症に疑問を持ちました。病気の原因は自律神経の乱れと血流障害免疫力低下によることがわかり、外科医をやめ、刺絡療法だけの治療に専念しました。過労による大病やうつ病を体験しましたが、それゆえに自分の体で効果的な治療を開発してきました」 さて、これらの先生がすすめる、非常識とはどのようなものか、いくつかの項目を紹介しましょう。 ●真面目に飲むと病気を招く薬 薬で病気は治らない。薬は病状を抑えるだけのものという安保先生。日本人は真面目な上に薬好き。ちょっと風邪をひいただけで病院に行って薬をもらってこなければ≠ニいう人が多いのが現状。まずは薬の本質を知ることが大事で、戦後、抗生物質やステロイドといった化学合成した強い薬が開発され、効き目が驚くほどに強いものが登場。これこそがどんな病気も薬で治せる、医師に治してもらえるという間違った意識を作り上げたきっかけだといいます。さらに化学薬品の薬は百害あって一利なし≠ニ言い切っています。大事なのは使い方で、どうしようもないときに1、2週間飲むことはあっても、長期間の服用は身体に負担をかけ、病気が慢性化し、治ることはなく、病気も病院も増え続けていく。どうか薬を真面目に飲まないでくださいと言っています。 最後に飲み続けてはいけない薬として、消炎鎮痛剤、コレステロールを下げる薬、血圧を下げる薬、ステロイド、精神安定剤が列記されています。 ●薬を出さずに治療法を教える名医 病気の原因は、今食べたものが原因で起こる食あたりのように単純なものではないというのは石原先生。糖尿病や高血圧は長い間の生活習慣の積み重ねが原因。がんも医学的に発見されるほどのがん1gができあがるまでに要する歳月は10年から30年かかります。病気はたった1日のことが原因で単純に起こっているのではないから、がんという結果を手術で切り取ったり、高血圧という結果を薬で抑えても根本的な解決とはならないわけです。病気になるのにはその人なりの原因があります。対処療法でとりあえず薬をだすのではなく、病気になった根本の原因を患者さんに説明し、その改善方法を医師と患者さんと共同で実行していくことこそ本当の治療医学。そういうことを教えてくれる医師こそ名医ということです。 ●体から出るものはみんな幸せの下 熱、痛み、震え、腫れ、湿疹などが出ると、人は不安になってそれをなくそうとします。しかし福田先生は「人は体に悪い有害なものや老廃物は積極的に排出しようとします。これは生態系が持っている習性、生物にあるホメオスタシーと呼ばれる調整機能でもあります。風邪の発熱も体がなんとか熱を出して体温を上げ、減ったリンパ球を最大限に増やしウイルスと闘おうとして起こしている反応なんです」といいます。SODなどで体内の免疫機能が上がると、好転反応によって体内からいろんな症状が噴出するといいますが、それと同じことなのでしょう。 ●命ある食べ物こそ自然の薬 命を持たない食べ物。つまりインスタント食品、加工品、人工ビタミンによる清涼飲料水などのことです。これらの食品で生命エネルギーは高まりません。安保先生は「年月が経過すると共にどんなものを食べてきたかという食事の内容がひとりひとりの体や心に大きく影響を与えていると考えられます。外国での犯罪者と非行少年の調査では、逸脱した行動やキレやすい行動を引き起こしている原因にひとつは、砂糖の取りすぎやジャンクフード中心の食生活によって栄養素が欠乏し、脳の働きの低下によるものと報告しています。放火犯の46%が低血糖障害を起こしていて、低血糖状態では弱いストレスに対しても抑制がきかないことが分かっています。いじめや非行、家庭内暴力などの問題も食とかかわりがあると思います。生涯の食事の回数や量には限界があります。最高の贅沢は命ある食べ物を摂ること」 続いての項目では、病気はまず原因を知ることが第一歩だと言います。現代医学がどんなに進歩しても、残念ながら病気は減ってはいません。むしろ原因不明の難病というのは増え続けています。病院で原因不明と言われてしまえば普通ならそのまま受け止めるしかないと思います。しかし、丹羽先生もおっしゃっているように、食、環境汚染、ストレス、活性酸素など大きな原因が隠れているのが現代社会です。それらによって免疫力が低下すれば、なにかしらの病気を引き起こすと言うことです。 本のなかでは様々な疾患ごとに原因、予兆などが記されています。がん、アトピー性皮膚炎、メタボリックシンドローム、高血圧、高脂血症、糖尿病、うつ病、膠原病、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎などなど。これらの疾患はまさに丹羽療法のストライクゾーンでもあります。 そして「病気は体からの改善要求」と題してそれぞれの体のサインから考えられる疾患を紹介し、改善法を教えてくれています。その改善法は「命ある食事」「運動と刺激」「温熱(冷やさない)」。この3つが改善されれば病気になる確立が限りなく少なくなると言うことです。 最後に「特別編」として3人の先生に「もしもがんになったらどうしますか?」というおもしろい質問を投げかけてます。当然、3人とも手術、抗がん剤などの西洋治療はまったく選択肢に入っていませんでした。 アプローチの仕方、治療法に多少の違いこそあれ、内容のほとんどが丹羽先生が常日頃おっしゃっていることとあまりにも共通していて、改めて医療は確実に大きな転換期にあることを実感しました。 |
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